世界初の?フルリモート演劇の感想
stayhomeという制約を逆手に取った、
フルリモートの演劇
劇団no meets の「門外不出モラトリアム」を鑑賞。
自宅からzoom的な動画ライブ配信サイトから視聴する仕組み。
感想:面白かった!
観てから数日して、そのあり方、意味をじわじわ考えることになったところも含めて良かった。
何より良かったのは、リアルなコミュニケーションを希求するセリフ。
「家から出られないなんて、直接会えないなんておかしいよ!!みんなに会いたいよ!!」
誰もが感じているけれど、言ってもどうしようもない事。
それを代弁してくれるのも演劇の機能なんだなぁとしみじみ感じました。
この時代の状況にしか感じられないリアルさが身に沁みた。
■ストーリー(公式リード文)
みんなが家から出なくなって4年。
入学からフルリモートの
キャンパスライフを送った私は、
実感の湧かない卒業を間近に控えていた。
もし、もう一度、
家から出られなくなったあの日からやり直せたら、
あのささやかな恋も、実ったのだろうか。
あいつがいなくなることも、なかったのだろうか。
たとえバーチャルでも、これが私たちの青春。
だから、何度でも繰り返す。
何年この時代に生きることになっても。
この部屋から、未来を変える。
収束しない事態と、
収束する運命に逆らう物語。■
ストーリーは、いわゆるタイムループもの。
同じ情景を何度も繰り替えす設定なので、
自宅から出演する状況を上手く使っている。
卒業式のシーンの次に、真夏の夏休みのシーンになったり。
(この間に演者は急いで着替えているんだな)と
思うと、リアルタイムならではの緊張感、リアルな舞台のような感覚も得られた。
演者は全員自宅のzoomでつながっていて、テレビ会議でもはやお馴染みのあの画面でお話が展開していく。
主人公はスマホ、固定カメラ、PCでzoomに入っていて、複数のアングルで表現されている。
PC画面越し以外のアングルになると、なぜかホッとした気持ちになったのも新鮮な体験でした。
それから、お芝居のスケール感。
これは今までにない新しい尺度だと思う。
役者の中で1人は舞台的なお芝居だったけど、かなり浮いていた。
テレビメディアの出現でお芝居はリアリティを追求するようになったけど、zoom演劇は何しろ役者とカメラの位置が近い。
カメラの画角やズームもあまり使えない。
舞台とテレビの中間にあって、ややテレビ寄りのリアリティさが必要に感じた。
これも新しい発見でした。
私が視聴した回は700人ほどがほとんど離脱せずに最後まで鑑賞していたところも印象的。