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ほぼ四半世紀前の旅の記憶
謝辞:デジカメなんて高価なものを当時持つ余裕もなく、フィルム写真、というかネガは既にないから現像後の紙でしか残っていないのに、四半世紀経つとそんな紙もデジタルへいい感じに変わるのだありがとうフォトスキャン。
最初のバックパッカー旅は、ちょうど24年前の今頃終わった。
今ほど写真を撮る習慣もなかったし、なんせフィルムカメラだから現像すると意味のわからない暗闇やどこか不明なぶれた景色、知らない人の顔面なども入っていて、見るに値する写真は少ない。
それでも小さなできごとを思い出せるくらいには鮮やかで、やっぱりまたあのルートへ出かけたくなる。
造作
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鉄格子の模様はよくあるパターンだけど好き。
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階段の手すりは古いまま残っていて、途中で造作が変わる。
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渡り廊下の透かし模様が美しい。
このスカート、当時ヴィンテージといえばのcocotierで買ってお気に入りだった。
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でもこの天使さんたちを眺めているだけで、いろんなメロディが漂ってきて(想像上)いい時間だった。
空
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キリスト教の国で見る空が、なぜか宗教画のそれと同じように見えてしまうマジックに気づいたのはこの旅だ。まぁ何でも雰囲気と思い込みである。
バルセロナの旧市街は、陽がふりそそぐ昼間よりも朝と夕方のムードが断然美しかったのだけど、散策は治安の悪さとの闘いだった。この頃はアジア人=日本人=お金ある、の図式がまだまだ強かったので、裏路地に入るコースを取りたい場合、宿に泊まる外国人と一緒に行動していた。彼らの無尽蔵なアルコール摂取能力にびびったのもこの街だ。バルで自分はもうよく飲んだし帰りたいのだが、彼らは飲み足りておらず、かと言ってひとりでは帰れる自信もないので、だらだらと飲み食いすることが続き、結局帰国したら3キロ増えていたわそういえば。
大学で第二外国語のスペイン語の授業を一緒にとっていた友達が、今旧市街辺りに住んでいるというのも何だか繋がってる気がして面白い。
屋上と窓
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この屋上写真は、サグラダ・ファミリアのどこかから撮った。サグラダ・ファミリアへ行っているのに、写真はこれしか残っていない。
何とかの門、は既にできあがっていたけど、塔はまだ全体の半分くらいしかできていなくて、下の回廊には塔に使うであろうモチーフが無造作にごろごろと転がっていた。
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壁の色もそうだけど、陰影は角度が重要だということがよくわかる。
駅
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躯体はコンクリートなんだけど、エスカレーター部分は素材が少し違う。
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特に陽光が入ることでとても優しい印象になる。
基本的には、って何が基本か問題もあるが、終着駅形式の駅舎が好きだ。阪急梅田駅しかり、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅しかり、ブダペストのケレティ駅しかり。
コルドバ駅は、先に挙げたどの駅よりモダンでクリーンな印象だったが、陽が入るせいかもしれない。アンダルシアへ行くわよ!という、太陽と海へ誘う駅舎。
生鮮食品
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この旅では、キッチン付きの宿を借りることがなかったので自炊は一度もなく、バルかお惣菜屋のものを食べる日々。なんだけど、そういう写真はなぜ残っていないのだろう。今なんてご飯の写真しかほぼ撮らないのに。手元にあるデバイスに性能のよいカメラ機能がつくということは、人の習慣を変えるのだ。
ある晩のバルで、苦手としていたカリフラワーを使ったピンチョスをおいしそうに食べるお兄さんと会った。料理人見習いの彼からフェラン・アドリアというシェフ(El Bulli)の話を聞き、エルブジのすごさ、というかフェランのすごさを知っていつか食べに行きたいと思った。いや、とうていそんな軽い気持ちで食べに行くレストランじゃない、ということを帰国して知ったわけだけど、それでも今も尊敬する料理人で唯一殿堂入りするフェランをバルセロナで知れてよかったと思う。
模様
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アルハンブラ宮殿は、華美な造作ももちろん美しいのだけど、回廊の柱と屋根の色と空がまとまる
美しさは格別だ。
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乾いた熱気と夕方の風を今でも思い出す。
そういえば帰国してしばらく、この写真をPCの壁紙にしていた。
街
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おそらくナスル王朝から変わらない地平線へ向かう平原の風景。
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点在する集落を通り過ぎるたび、そこに暮らす人々の生活を妄想しながら移動するのが好きだ。
そろそろ旅に出たい。