ただの懐古趣味ではなく古きと今を敬い審美眼を磨く決意
生まれ育ち、一時期働いていたこともあり、阪神間に残る「いいお金の使い方をした」建造物や意匠がとても好きだ。幸運にもそういったことに造詣の深い両親や友達、先輩や同僚が近くにいたので、あちこち連れ回してもらいたくさんの本物を自分の目と手で見ることができた。新歌舞伎座を正面から見るには絶対車からだと同じ道を何度も走ってくれたり、うちの大学は絶対見るべきだと府外に進学した私を長期休暇のたびに大学内へ誘ってくれたり、少し危険な界隈の散歩に面白がって付き合ってくれたり。そして味気ない通勤