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マッチングアプリで会った人1

アカウントの名前を変えた。

生身の私と、作品と、ここに書く文章の私が繋がるのは、自分だけでいいと感じた。
どれもわたしの人間性は嫌でも滲み出てしまうから。
違うかもと思ったらまた戻すと思う。
今は、思うことをだらだらと垂れ流してしまいたい。
お見苦しいと思います。

ちなみにスーカープッカの語源は、昔母がアイスのスーパーカップを言い間違え、あまりにも気の抜けたその名前がどこか忘れ難くていいなと思った。
そんな気の抜けた名前にした。


マッチングアプリを始めて3週間がたった。

辞めたくて仕方なかったのは、初めて3日まで。
4日以降は、初日から連絡のやり取りをしてる人との会話がだんだん慣れてきたせいか、そこまで苦痛ではなくなった。
元々、SNSは苦手な方だ。
Instagramは好きだがTwitterは苦手。
そんなタイプだけど、とりあえず空気感には4日目で慣れた。

連絡をするようになる人がちらほら現れ、思う。
終わりがみえない。
1人と話していると、違う人から連絡がくる。そしてまた違う人から連絡がくる。
誰と何の話をしてたのか、正直わからなくなる。

知り合いの美術関係の人から聞いた話、アプリを使って付き合っても長く続かないんだよね。と言っていたことがなんとなくわかるような気がした。選択肢が多すぎる。
「これだけ男と女がいるんだから、誰かしらとはくっつけるよね?」って、飽和しているような空気。

そして自分が女として、人間として、どんなものに興味を持ち生きてきたかの評価が「いいね」の数として24時間評価され続けていることが、自分の中のマジックポイントがじわりじわりとすり減っているような感覚があった。
数字をつけなくてもいいだろうに、数字がつけられてしまう。誰得な数値なんだろう、コレ。

これは長くやるとしんどそうな気がしたので、自分なりのゴールを定め、区切りを決めることにした。
「アプリで知り合った人に会う」こと。
それを「3人」にすること。


先日、1人と会った。
ネットを介して人と会う、行為そのものが初めてだった。
「ほんとうに会えるんですね。」
その人と会った瞬間、開口一番そう口にしてしまった。

歳は自分よりも少し下。年齢よりも雰囲気が落ち着いて見える、穏やかそうな人だった。
動物と写るプロフィール写真が全く気取ってなさそうで、自己紹介の文も背伸びしてないかんじがよかった。

アプリでは偽名を使っていたので、本名を名乗った。
以前友達に教えてもらって、行きたいと思っていたカフェに向かう。自分の使うグーグルマップの現在地がふわふわしてしまっていたので、相手のスマホのGoogleさんに道をお願いした。
私のスマホはここぞという時にふわふわしてしまう。なぜかこういうことが多い。


私はあまり人見知りはしないので、適当に話す。その人、というよりも個人が何を考えて日々を生きているのかが気になる。

マッチングアプリは使ってどのくらいか。
心は疲れないか。これは慣れるものなのだろうか。

コーヒーを飲みながら、少し緊張がとけてきて
園児くらいの幼い頃の夢はなんだったのか聞いてみた。
その人は「ハムスター」と答えた。

気が合いそうだと思った。
私の幼い頃の夢は「馬」だった。
理由は、早く走れるから。

色々話したあと、スピリチュアルなものを信じるか聞いてみた。お化けやUFOなど。
答えがないことを聞いてみたい。
それによってその人の潜在的な個性が出る気がしてる。

「実は、ある宗教の二世なんです。」

思わず身が硬くなるのを感じた。
アプリにはマルチ、宗教の勧誘目的の人もいるから気をつけて。
という友達のアドバイスがこだまして、しんと緊張が走った。

話を聞くと、その人の親がある宗教に熱心で、自分はそれには入らず無宗教である。ということだった。
自分の浅はかな質問に反省した。
答えがない質問こそデリケートな問題であることを忘れてしまっていた。

小説「星の子」も、親が宗教にハマっている状況の子供が主人公だった。
その人の穏やかな笑顔には、沢山の苦悩があっただろうなと思う。
話してくれてありがとうと伝えた。

コーヒーを飲むだけのつもりだったのだが、散歩をして、公園で紅葉を楽しんでいたらお腹がすいてきてしまい、夜ご飯も一緒に食べた。

一緒にご飯を食べながら思う。改めて不思議な感じだな。と。
メッセージのやり取りは2週間以上やっていたが、生身で会うのは初めてで、ちゃんと声もあって瞬きもするんだけど。
ぱっと会えた分、ぱっと消えちゃいそうな、脆そうな感じ。


帰り際、LINEの連絡先を教えてほしいと言ってくれたので連絡先を交換した。
そしてまた会おうと約束した。

会おうと思えば、会える。
ひとつの結果を、まずは手に入れた。

週末には、2人目の人と会う。


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