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ヘンダーソン_大腸がん_自宅で余生を過ごす方


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【今回の情報】

〇患者情報
現病歴:大腸がん末期(リンパ節・肝臓・腹膜への転移)
キーパーソン:夫(会社員)介護休暇を取っている。
身長:158 ㎝ 体重:52 ㎏
感染症:なし アレルギー:なし
その他:腹囲 90 ㎝、るい痩著明
気質・情動:明朗、社交的、責任感が強い、家族思い
食事:3 回/日、好きなものは甘いものと揚げ物、嫌いな ものは野菜類
排泄:尿は 6~7 回/日、便は 1 回/2~3 日(普通便)
喫煙歴:なし、 飲酒:付き合い程度
<発症から訪問までの経過>
医師から「治療を続けるのは困難です。余命は 3 ヶ月あ るかどうかという状態です」と説明を受けた。B さんは 「残り少ない人生なら、自宅で家族とゆっくり過ごし、最 期を迎えたいです」と抗がん剤の治療を受けず、最期まで在宅で過ごす決意をした。
<退院時の医師の説明>
「B さんが自宅でゆっくり静養できるように、疼痛など 辛い症状に対しては服薬を続けましょう。痛みが取れず、 体の辛さが出てきて、自宅での生活に不安を感じたら、いつでも入院できる体制をとっておきましょう。」
<退院時の治療方針>
食事・活動:制限なし
【定期薬】 オキシコンチン 40mg/日(9 時・21 時)、ラ シックス 40mg/日(朝)
【頓服薬】 疼痛増強時:オキノーム 5mg を 1 時間空け て 5 回/日まで可、排便困難児:ラキソベロン液 10~15 滴/回(就寝前)、不眠時:ロヒプノール 2mg/回(就寝前)
<退院時の血液検査の結果>
WBC2,500/µL 、 PLT7.3 万 /µL 、 BUN40.5mg/dL 、 Cr3.5mg/dL、Alb2.3g/dL
<一週間前から本日の訪問までの状態>
排泄:排便は毎日ラキソベロン液 10 滴を服用し、毎日少 量の排便がある。少量の血液混入がある。
睡眠:夜間は眠っているが、時々体の痒みや腰背部痛で覚 醒する。
<訪問時の様子>(退院 1 ヶ月)
夫は「昨夜は目を覚まして『背中が重だるいような、痛い ような感じがする』というので、レスキューを 2 回使用し、背中をさすっていたら再び眠りました。夜になると痒みが増すので本人が無意識にあちこち掻いています。」と少し険しい表情を浮かべて話した。
バイタルサイン
意識清明、体温 36.8℃、脈拍 82 回/分、血圧 98/60mmHg、 呼吸 24 回/分、SPO2:94%、 呼吸音は両下葉共に減弱である。呼吸は安静時も浅く、会 話中に息切れがあり会話が途切れる。腹部は膨満してお り腸蠕動音は減弱で両下肢の浮腫は増強し、皮膚は浸潤し両下肢全体が冷たい。ゆっくり介助で体位を変える、苦悶表情をしている。眼球と皮膚には黄疸を認め、側腹部と上肢に擦過傷がみられた。B さんは「体が重くて、寝ていて足を動かすのも一苦労なの」「日に日に弱っていく感じがするわ」「痛いのもつらいけど、痒いのもつらいものよ」「眠剤を飲むと昼間に眠くなるので飲むのに抵抗がある
わ」「下剤を飲んで便が出ても、お腹の張りは変わらない わね」「今日の昼食は主人の得意のうどんを少し食べたの」と、自分のことについて落ち着いた様子で話した。



【アセスメント】

1.正常に呼吸する

〇呼吸数、肺雑音、呼吸機能、経皮的酸素飽和度、胸部レントゲン、呼吸苦、息切れ、咳、痰喫煙歴、アレルギー、自宅周辺の大気環境

・疾患の簡単な説明
大腸がん末期であり、リンパ節、肝臓、腹膜への転移がある。予後は3ヶ月程度と予測されている。

・呼吸数、SPO2、肺雑音、呼吸機能、胸部レントゲン
呼吸数は24回/分と頻呼吸である。SPO2は94%とやや低値である。呼吸音は両下葉で減弱している。会話中に息切れがあり、呼吸機能の低下が示唆される。胸部レントゲンの情報は不足しているため、評価のためには情報収集が必要である。

・呼吸苦、息切れ、咳、痰
安静時でも呼吸が浅く、会話中に息切れがあり会話が途切れることから、呼吸苦と息切れが認められる。咳と痰に関する情報は不足しているため、評価のためには情報収集が必要である。

・喫煙歴
喫煙歴はない。

・呼吸に関するアレルギー
アレルギーはない。

看護の課題:
がんの進行に伴う呼吸機能の低下により、呼吸苦と息切れが生じている。また、頻呼吸とSPO2の低下も認められる。これらの症状は、日常生活動作や会話への支障を来しており、QOLの低下につながっている。したがって、呼吸困難感の緩和と呼吸機能の維持・向上が看護の課題である。

総合的なアセスメント:
B氏は大腸がん末期であり、呼吸機能の低下により呼吸苦と息切れが生じている。呼吸数の増加とSPO2の低下も認められ、病状の進行が示唆される。がんの終末期では、呼吸機能の低下は避けられない変化であるが、症状緩和と生活の質の維持は重要な看護の役割である。B氏の呼吸状態は日常生活に支障を来しており、ニーズは未充足の状態である。症状マネジメントと日常生活動作の支援、精神的サポートを通して、可能な限りニーズの充足を図る必要がある。加齢による呼吸機能の低下も考慮しながら、B氏に合ったケアを検討していくことが求められる。

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