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体外受精と病院について、待合こばなし/てまねきの記録3
人工授精に見切りをつけた28歳の私は、2017年2月からいよいよ体外受精を始めた。
私が通った病院は倉敷成人病センター、IVF(体外受精)センターだ。
ここからは手元にある基礎体温表(先生がいろいろ書き込んでくれる)を元に書いていく。
あくまで私の記録なので、みんなに当てはまるとは限らないけれど、参考になれば嬉しい。
体外受精とは
体外受精というのは、
①卵子を取り出して(採卵)、体外で受精させ、ある程度分割させる→たくさん受精卵ができれば凍結
②正常な受精卵を子宮内に戻す(移植)
という治療。
卵子が卵巣から出てくる「排卵」や、卵子と精子が出会う「受精」を体内では行わない。
精子が泳ぐ道のりも、受精卵が転がる道のりもショートカットされる。
だから、そこで障害が起きている場合は体外受精では妊娠が可能ということになる。
予定としては①→②→②…(妊娠するまで、凍結卵の数だけ②を繰り返す)という流れになる。
でも、採卵で卵子が取れなかったり、受精しなかったり、受精しても分割しない場合は、
①→①→…(正常な受精卵ができるまで繰り返す)となる。
お金の話
体外受精を始める前に一番気になったことは、どれくらいお金がかかるのかということだった。
何十万単位なのか、はたまた何百万なのか?
高度不妊治療には各段階で選択肢が多く、投薬の量や種類、受精方法等で人によって大きく金額に差が出る。
たぶん病院によっても結構違うと思う。
それを特記した上で、敢えて私の場合のことをざっくり書くと、①が30万、②が10万という感じ。
そこに、条件が合えば、不妊治療助成金を受けられる。
私のときは6回の治療まで助成が受けられたので、ひとまず難航しても6回はやってみようと思うことができた。
この助成金、今大きく改変されているので、詳しいことは厚生労働省のページへ。
倉敷成人病センター IVF(体外受精)センター
私が住む倉敷市で、体外受精ができる病院は現在2つしかない。
私は立地的に少しでも通いやすい倉敷成人病センターに決めた。
それでも日中は車で片道40分かかる場所だった。
K産婦人科とIVFセンターはもう目的から何までまるっきり違うけれど、一番違うと感じたのはやっぱりお腹の大きな妊婦さんがいないこと。
それと、子連れでの来院お断りであること。治療中の人への配慮だ。
私はありがたいと思った。
これから子どもが欲しいと思っているのに、子どもを見るのが嫌なんて、心が狭いと思うかもしれない。
でも治療中、特に長くうまく行っていないとメンタルがそういう向きに傾くときがある。
K産婦人科では、「まただめだった…」と落ち込んでいるところに、診察中の部屋から赤ちゃんの拍動音が聞こえてきたりして、結構心にきた。
それに、IVFセンターには妊娠を目指す人の他に、治療がうまく行って妊娠初期である人、そして、妊娠したものの初期流産となってしまった人もいる。
いろんな立場の人の心情を考えると、子連れ禁止はありがたいルールだった。
余談だが、IVFセンターと同じフロアに産婦人科がある。
お互いの利用者は動線が分けられていて、すれ違うこともないようにできているのだけど、たまに道を間違ってしまう妊婦さんやベビーカーを押したおばあちゃんもいた。
一度、2人の子どもを連れたおばあちゃんがIVFセンターへやってきて、受付カウンターの中で子どもを遊ばせ始めたことがあった。
おばあちゃんはここの内容もルールも知らないだろうけど、待合の空気がピーンと張り詰めた。(カウンターの中には個人情報もあるからほんとにダメ!)
未だに覚えてる私も、ちょっと根に持ってるんだと思う。笑
そんな現実世界で口に出すわけには行かないドロドロした愚痴をTwitterの治療アカウントに吐き出しながら、せっせと通院をする私だった。
次回からは治療の内容や様子を記憶を掘り起こしながら書く。
不妊治療当事者でなければ読みにくい内容かもしれないけれど、読んでもらえると嬉しいです。