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子どもたちを連れてコートールド美術館展へ行ってきた

子どもらの通っている造形教室の先生が「コートールド美術館展」の図録を使いながら展示されている作品を見せてくれて、その後に雲の絵を描くという授業をやってくれたのをきっかけに、「まだ体があったかいうちに!」と翌日保育園帰りの二人を連れて愛知県美術館へ実際の作品を見に行ってきた。

まだベビーカーの赤ちゃんの頃はよく一緒に美術館も連れて来ていたけれど、これくらいわかるようになってから連れてくるのは実は初めて。どんな反応を見せるか、ちゃんと静かにしていられるかドキドキだった。

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でも美術館は特別な場所という空気を二人とも体で感じとっているようで、最初からちゃんとヒソヒソ声で静かにしていた。少し大きな声の大人がいたら「ママ、美術館は静かにしないといけないのにね」と注意してくるほど。

そしてチケットを渡して中に入ると、二人は「うわ〜!きれ〜い」と目をキラキラさせて小さな声で呟いた。確かに本物はポストカードよりも圧倒的に迫力があるし、筆の動きも色の細やかさも、実際にその前に立つと「何が、どう良い」というようなものではなく、ただ体感として「素敵だ!」と思うのだ。そしてあのしーんとして薄暗いちょっと大人の雰囲気の中で見るというのがまた一層スペシャルな感じを出しているような気がする。

ただ今回は先に見せておいてくれた造形教室の先生が素晴らしかった!「この絵は点々だけで全部書かれているんだよ」とか「これ喜一先生が見せてくれた絵だ!」と少し自分は知っているということが、作品達への親近感になっていたから。

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でもそんな事前知識がなかったとしても、最初に子どもと行く美術展としてこれはとても良かったと思う。コートールド美術館展はルノワールやモネ、マネ、ゴッホという誰もが知っている印象派の作品がずらりと並んでいるので、大人も子どもも何も知らずに行っても「あぁ、綺麗だな」とストレートに感動できるのだ。

そういえば「センスオブワンダーを探して」という本の中で阿川佐和子さんがアメリカにいた頃、4〜5歳の子ども達を美術館に連れて行った時のエピソードを話していた。美術館へ行く前に先生が「この中にある絵にはキャンバスにたまたま貼りついたゴキブリを作家がこのまま塗っちゃえと上からペイントしたのでゴキブリがいる絵があります」ということだけ伝えて行ったという話だった。その時、子ども達はとにかく夢中で美術館でゴキブリの絵がどこにいるかを探したというのだ。

パリの美術館では月に一度の無料開放の日に、小学生くらいの子達が美術館の床に座ってデッサンをしていたっけ。それぞれの国のそれぞれのアートへの向き合いかたは何だか個性が出ていて面白いなと思う。

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帰りに一枚ずつ気に入った絵のポストカードを買ってあげた。このポストカード達は今も我が家の冷蔵庫の扉に貼りついている。これを見るたびにわたしは最初にこの絵を見た時のあの子達の目の輝きを思い出す。あの子達は少しぴりっと緊張したあの空気を思い出しているのだろうか。


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