芸術家の表現

 私はまぁそこそこの年齢なので芸術家の知り合いなんていうのも結構いる。かなりいろんな方面で芸術家っていうのはいると思う。例えば、絵描きさん、例えば、バレエダンサー、例えば、劇作家、それにピアノの先生なんかも芸術家だと思う。芸術を仕事にしていれば芸術家だと思っている。正直な話、つい最近まで知り合いの芸術家に対して正直にいうとつかみどころがなくてわけのわからん人達だなと思っていた。すごくいい感じの芸術家の人もいるのだけど、何が嫌なのかわからないけれど、この人はすごい人だけど、芸術家としてどうなんだろう?この人の作品本当にいいのか?この先生についていって何が得られるんだろう?と思う人たちもいた。

私自身は絵を見たり、バレエ鑑賞をしたり、演劇を見たり、音楽の演奏を聴いたりする機会が通常よりも多かったんでないかと思う。そして、芸術の世界というのに憧れがあって、その何かわからない価値に対しての評価額に対して、ふむふむと意味ありげにその芸術家やら、批評する人達に芸術に対する説明も結構聞いている。まぁ、その場で聞いただけで何一つ覚えてない程度だけど。そんな私なんだけどもそこそこ芸術作品もみているので芸術について思ったことを書いてみようと思う。

芸術家初心者ってなんかすごいものを表現しようとして、暗くて見えない部分が多々あるようななんかすごそうな、歴史の重みがありそうな、実は裏に何かありそうな、非日常な、何かわからないけどもしかしたら世界がひっくり返りそうな意味ありげでなんもないものを表現している人ってありがちだと思う。わけわからんけど、まぁ〇〇円だというので応援の意味も込めてお支払する。たいていこういう人は言葉でよくしゃべる。作品にはメッセージ性があったとしても、底が見えてしまっているのでえ、これ?これ表現したいの?なんでわざわざ?って思う。ちなみに、これが私の中でのキリだと思う。

表現技法にものすごいこだわって、表現技法だけをひたすら突き詰めていく人がいる。例えば写真かな、、これ?というようなひたすらすごい絵画技術だったり。こんなん絶対弾けんわ。。。っていう超絶技巧でピアノ弾いたり。題材がわけわからないけれど、とにかくすごかった!!こんなすごいからお金払おう。というなんかその人の努力に対する対価として払っても惜しくない!!という気持ちにさせてくれる芸術家もいる。でも正直私の中ではこういうタイプは真の芸術家なのか?と疑問を抱く。技術者としてすごいんだけど、なぜかあまり心を揺さぶられない。

前出のタイプを混ぜたようなタイプもいて、ここまで来てしまうと、まぁもう、こっちとしては圧倒されるばかりなので、いろいろに教えを請いたい気持ちになるけれど、その人の人間性に触れた瞬間夢が覚めるというようなタイプもいる。結局人間力という話がしたいわけではなくて、その作品がどんなにすごかったとしても単なる一瞬の魔法がかかる幻覚効果を持った作品、なんかしらんけど魅了される作品というだけのことで、覚めてしまえば、あ、なぁんだというような作品でしかなかったというようなこともある。

あと、単純になんか見てるこっちにはなにもわかんないし、何も伝わってこないし、意味わかんないけど、好きなものしかやらなくてすごくなってるっていう部類の人もいる。でも、正直そういう人のそれはもうなんか、オナニーかね。と思う。いやすごいし、すごくなりすぎてすごいなって思う人いるけどね。いっぱい。

じゃぁお前、どんな作品だったら満足するんだよ!というところなんだけど、個人的には、独創性があること、メッセージ性があることなんかがとても気になる。そのメッセージ性や、独創性は、さらに、深い意味があることが大切で、たとえば、ストーリーに真実が潜んでいるとか、もしくは素晴らしい嘘や、これまでに見たこともないような新しさが欲しい。稚拙さはいらない。

 芸術が意味を持つのって、例えば、大切な人が自分にかけてくれる言葉と同じくらい自分にとって意味がないといいと思えない。言語というのはとてもストレートで、人間の感情や、考えをそのまま形にできると思うけれど、この言語を突き詰めて作家の美意識の中で組み立てたりするのは芸術といえると思う。その端麗さや、響きに酔いしれる事は素敵だけれど、やはり魔法でしかない。そこに何か背筋の凍る答えや、温かいストーリーや、身に染みて大切にしたい考えなんかがあって初めて本当に心に残ったり、忘れられない作品になる。

最近では、作者が、自分と向き合ってとか、自分以外の何かと向き合って出した答えとか、特に、珍しいことではないんだけけど、だれでも経験するかもしれないことを、その人なりの表現で表していて誰も真似できないものなどもいいと思うようになってきた。芸術に対する考え方って人それぞれ様々だとおもうけれど、私は芸術って単純な言葉にできないものを補完するものであるときに、感動したり、興味がわいたりしていると思う。絵にお金を出すのなら、家に飾るのにふさわしい絵が欲しいし、音楽ならその時の気持ちに寄り添ってくれるものがいい。しかし、お金をだして単発でも見に行きたい絵や曲だとしたら、相当なものか趣味に合わないとお金出すほどでもないか、、、というのが正直な感覚なので、芸術なんてのは本当にむつかしいなと思う。だからこそ、琴線に触れる芸術に出会ったとき、喜びも一入だ。だから、誰かの心を震わせることができる作品というのはすごいし、そんな自分の趣味にバチっとくる芸術家なんて、ほんの一握りかもしれないんだけど、自分たちにとって便利なものってだけじゃなくて、自分たちのなかのわけわからないものをアウトプットしてなんとか形にしていこうとする人間って面白いよなーと思った。まぁどうでもいい文章。


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