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ZEDD新アルバムTelos収録曲『1685』
ZEDDファンの皆さん!
とうとう数か月後にZEDDがやってきますね。今回のアルバムの完成度の高さや作品通して感じられる圧倒的な世界観、これはもう単独公演で見たい!!と多くの人が思った事と思います。日本最大級のEDMフェスであるGMOで来日の可能性もあったかもしれませんが今回は単独で本当に良かった。ZEDDの世界観を単独公演で存分に見たい!ZEDDとZEDDのファン一緒になって存分にTelosを感じたい!そう願わずにいられないくらいTelosは神アルバムです!!
中でも神曲『1685』の魅力について、この曲がどれほど好きか存分に語っていきたいと思います。書き殴っているうちに1万文字になりました、キモイですね自分でもびっくりです。それほどこの曲が好きなんです。
ZEDDとMUSEが組むだって?大優勝確定です
お若いEDMファンの方はご存じないかも知れませんが『1685』のヴォーカルと共同制作者としてクレジットされているMUSEというバンドについてまず知って欲しいです。イギリスの3人組人気バンドで、その音楽性は一言では言い表せない多様さを持つ稀有なバンドです。「エピック(壮大な)ロック」と形容される事もしばしばですが型に嵌らず、ギターギュイギュイでクッソカッコいいリフのロックな曲もあれば、クラシックを思わせる美しく壮大な曲もありというような面白いバンドです、ZEDDと似ていますね。ヴォーカルのマシューベラミーはMUSEのフロントマンとして作詞作曲を手掛けるだけでなくライブではギターやピアノを演奏しますし、楽曲にもピアノの美しい旋律が使用されています。ロックバンドでありながらライブの時にはギターにカオスパッドというDJ用の機材を取り付けデジタルな音を取り入れたりとEDMとの親和性も高そうで、なんだかとんでもない化学反応が起きそう!とワクワクしました。大好きなMUSEと大好きなZEDDの共作なんて大優勝に決まってるやん?と思いましたが、一つだけ懸念点がありました。
懸念、マシューの歌唱は癖が強い!
そう、マシューの歌い方はめちゃくちゃクセつよなんです。美しく大迫力のファルセットや感情の乗り切った歌声がマシューの最大の特徴で、これでもか!というくらい情熱的でくどいほどエモーショナル。今までのZEDDの楽曲のヴォーカルにはあまりいなかったタイプではないでしょうか。ロックヴォーカリストがEDMの曲を歌うといえばコールドプレイのクリスマーティンが有名ですが彼の声は非常に爽やかで聞きやすくEDM向きの声と歌唱だと思います、彼の歌はカラオケでも非常に歌いやすいです。しかしマシューはそうではありません、カラオケでMUSEの曲をサラッと歌うのは容易ではないです。
他に今までZEDDのヒット曲のヴォーカルを担当してきた人たちといえばマシューコーマやエリーゴールディング、パラモアのヘイリーやマレンモリス、アレッシアカーラなど少しハスキーでそれでいて繊細で美しく、かつ力強さも持ち合わせているようなヴォーカルが多かったですよね。共通しているのは爽やかさや儚さを感じるような明るいトーンの声の持ち主という事です。ダンスミュージック向きの声、というのがあると思います。
対してマシューはというと、繊細で力強く美しい歌唱で評価はされていますがとにかく個性が強い!マシューの曲はもうマシューにしか歌えないでしょって感じだし、マシューの声と歌唱があってのMUSEの世界観と曲というか。これがはたしてダンスミュージックに馴染むのか?!そこが懸念でした。マシューの独特の声質と歌唱がどうなるのか。ドキドキしながら1685を再生しました。
バッハの平均律クラヴィーア第1巻1番
再生してまず初めに聞こえてきたのはバッハの平均律クラヴィーアの旋律です。この曲は元々チェンバロの独奏のために作曲された曲ですがピアノなど他の鍵盤楽器で演奏される事も多く演奏会などでもおなじみの有名な曲です。直木賞と本屋大賞をW受賞し映画化もしたた恩田陸の『蜜蜂と遠雷』でもこの曲が印象的な場面で登場していたり、CMに使用されていたりとどこかで聴いた事がある人も多いと思います。私はこの曲が元々好きでしたのでZEDDもこの曲好きなのかな?と嬉しくなりました。
平均律クラヴィーアじゃない!これはグノーのアヴェ・マリアだ!!アツッ!!
聴き進めていくうちにマシューが歌っているのはZEDDオリジナルのメロディではなくグノーのアヴェマリアのメロディだという事に気が付きました!知らない方に説明しますと前述したとおり『1685』にはバッハの平均律クラヴィーア第1巻1番の旋律が使われています。バッハの作曲は1722年、その約140年後の1859年に作曲家のグノーが自作の歌曲『アヴェ・マリア』にバッハの平均律のメロディを使いました。今でいうサンプリングみたいなものでしょうか。バッハの作品に自作の新たな歌を載せて発表したわけです。しかもグノーはオリジナルのバッハの旋律に自作の1小節を付け足したりしています(そんな事してええんか?)。
いやこれ滅茶苦茶エモくないですか?
バッハの旋律にグノーがアヴェ・マリアの歌を入れて大成功、それをZEDDが現代の若者に向けたダンスミュージックに作り替えたんです!!!!!
連綿と受け継がれる音楽の素晴らしさを、EDMというクラシックと対極に位置するようなジャンルのアーティストの楽曲で感じられるなんて。300年前からずっとずっと演奏され続けてきたこのメロディで私たちがクラブやコンサートやフェスで踊る。当時の誰がそんな事を想像したでしょうか。最高です。
マシューのヴォーカルの魅力を最大限に引き出してきたぁ!ありがとうZEDD!!
さて懸念していたマシューのヴォーカルEDMに合わないんじゃないか問題ですが完全な杞憂でした。これMUSEの曲?!っていうくらいマシューの魅力が前面に押し出されていて驚きました。まず最初に低く穏やかな歌いだしでゆっくりと曲は始まりますが息遣いが聞こえるのに少しくぐもったような遠さを感じる歌声で、凄く近くにいるのに掴みどころのないような神秘的な印象を抱きました。レコードの音質を再現しているのかがさがさとした質感の音になっています。そこから1分10秒ごろ、Spin~という歌詞からクリアな歌声へと変化します、ここでテンポや伴奏はそこまで変わっていないのにヴォーカルが前に出てきた事で曲が動き出したという印象を受けました。さらにヴォーカルはどんどん熱を持ち曲が盛り上がっていきます。この感傷的で美しく、安らぎよりも破滅をイメージさせるような切実さがヒシヒシと伝わってくるような歌声、これこそ私の思うマシューの歌唱です。グノーのアヴェ・マリアという曲は慈愛や穏やかさに満ちた雰囲気で演奏又は歌唱される事が多いと思いますが、1685のマシューの歌声には違う趣がありますね。ZEDDとマシューが新しいアヴェ・マリアを作ったと言えるのではないでしょうか、最高です!
参考にサラブライトマンのアヴェ・マリアをリンクしておきます。これを聴いていただければマシューの歌声が独特だというのがわかっていただけるのではないかと思います。サラブライトマンバージョンもめちゃくちゃ素敵で美しいです。
さあ、いよいよドロップです、わくわく。MUSEファンとしてはここまででもう大満足なのですが、やはり気になるのはこの先の展開です。クラシック曲でどう踊らせてくれるのか、クラシックとダンスミュージックの素晴らしい融合に期待が膨らみます!
クラシック音楽をダンスミュージックにするとたいていパワーダウンする現象
1685のドロップの感想を書く前に少し書きたい事があります。クラシックに限らず楽器を演奏したり音楽を作ったりカラオケで歌ったりした事のある方ならわかると思いますが音楽っていうのはメトロノームに沿って完全に均一なテンポで演奏してもなんだか味気なくなってしまいますよね。歌手本人が自分の曲をカラオケで歌うとテンポがずれたりする現象と同じです、個性や雰囲気を出すために、曲を魅力的に演奏するためには均一なテンポというのはそれほど重要ではないと思います。グルーヴ感という言葉で表される事もあるかと思います。クラシック音楽だと指揮者や演奏者によって曲は様々に解釈され同じ楽譜の同じ曲とは思えないほど異なった解釈で全く違う曲のように演奏される事も珍しくありません。それが音楽の醍醐味ですよね。でもダンスミュージックというのは踊るための曲ですし「EDMは馬鹿でも踊れる音楽」といわれているくらい誰でも簡単に曲の特徴やテンポを捉える事ができ、初めて聞いた曲でも飛び跳ねて踊れるのが最大の魅力です。むつかしい変拍子や一小節ごとにテンポが大きく変わるような曲は珍しいと思います。四つ打ちのリズムは徐々に早くなる事はあっても一小節の特定の音だけタメがあったりする事もあまりありません。だから誰でも手拍子することができるんです、EDM好きなら知らない曲でもDJに煽られて、周りに合わせて手拍子したことがあると思います。しかしクラシックの曲では基本的に手拍子をするのは凄く難しいのです。テンポのゆらぎがあり遊びがあるから曲を知っていたとしても演奏者がどう演奏するかわからないんです。クラシックコンサートで観客も一緒に手拍子をする時は指揮者が観客の方に向いて手拍子のタイミングを指揮してくれたりします、それを見たりオーケストラの演奏に合わせながら観客は手拍子するんですね。しかしEDMで踊るときにそんな事はする必要がないし、DJを見ながらジャンプするタイミングを合わせるなんて事しなくても曲を聴いていれば誰でも正しくジャンプできるようになっています。曲を聴けばいつドロップがくるかわかるし、ドロップは一定ですからそのまま一定のテンポで体を揺らしてリズムを取って踊ったり手拍子する事ができます。長々と何を言いたいのかというとクラシックとEDMは食い合わせが悪いという事です。
先ほどクラシックの醍醐味は演奏者それぞれの解釈や個性を反映した演者によって異なる演奏だという事をさんざん語りましたが(ジャズやロックでも同じだと思います)、逆にEDMの良さはわかりやすく誰でも踊れるシンプルさです。ではクラシックに均一なテンポを用いてダンスミュージックに作り替えたらどうなるかというとすっごくつまんなくなっちゃうんですね。原曲の良さは消え失せてワビもサビもねぇ安っぽいダンスミュージックが誕生するわけです。口が悪くてすみません。でもそれは当たり前なのです、均一なテンポにしたらグルーブ感が消失するのは当然でわかりきった事です。でもクラシックの名曲を用いたダンスミュージックやPOPSというのは数多くあり評価されている楽曲も存在します。それらの曲の多くはクラシック原曲のオーケストラ演奏の音を入れて、その上からオリジナルの全く原曲とは異なるヴォーカル、又は原曲のメロディを少し取り入れ改変したヴォーカルを入れるという手法がとられています。オケ演奏がバックにあるため原曲の重厚感は損なわずにPOPSやダンスミュージックが作れるわけです。クラシックとPOPSの融合で有名なSweetBoxの曲もだいたいこれです、オケ演奏の原曲にオリジナルの歌を載せています。クラシック好きからすれば賛否あるかもしれませんがサンプリングとして過去の曲を使用するのは現代の音楽業界ではごく普通の事ですし、クラシックもPOPSも好きな私からすればクラシック曲がPOPSになるというのは楽しい事です。私はSweetboxのEverything's Gonna Be Alrightという曲が好きなのですがこの曲はバッハのG線上アリアという曲をサンプリングしているとても素敵な曲です。このライブヴァージョンでは生ドラムと弦楽器の演奏にオリジナルのヴォーカルパートがとてもマッチしていて本当に素晴らしいと思います。こういうふうにクラシックの名曲を取り入れ、原曲の良さも損なわず新しい楽曲として成立させている曲は大好きです。
原曲も置いておきます。
では私の好まないタイプのクラシックを取り入れた曲もご紹介しようと思います、上記と同じG線上のアリアをモチーフにした曲です、これが昔どこかのクラブで流れてきて思わず「ヤメテー!!」と叫びそうになってしまいました(この曲が好きな人がいたらすみません)。原曲がそのまんま挿入されている個所もあるし終始弦楽器の音が重ねられていますがそれにしてもなんというか・・・。原曲の繊細さとか情緒みたいなものは完全に失われているように感じてしまいます。クラシックをダンスミュージックにするのは無理があるんじゃないかなあと思ってしまいました。だからといってこの曲がクソかというとそうではないと思います、あくまで原曲が好きな私にとってこの曲はナシだったというだけです。
アランウォーカーのハンガリー舞曲
アランウォーカーが2022年に発表したLovesickという曲は作曲家ブラームスのハンガリー舞曲第5番を取り入れて作られています。オーケストラの音もふんだんに使用された重厚な曲にソフィーシモンズの深みのある声がマッチしていると思います。歌サビの部分は原曲のメロディを基調にしつつ後半部分はやや変更したオリジナリティのある作りになっています。ダークで壮大で美しい世界観のアランウォーカーらしい楽曲だと言えるでしょう。でも私はちょっと物足りなさを感じました。
なぜかというと原曲のハンガリー舞曲5番というのは私にとってとても楽しい曲なんですね。ひっそりと息をひそめたかと思うと一気に爆発したり、みたいなそういう印象を持っていました。ピアノの連弾用の楽譜もあり自分で演奏してみた事もあるお気に入りの曲です。先日小林研一郎さんという素晴らしい指揮者の出演されるコンサートでこの曲を聴かせていただいたのですが、それはそれは素敵な演奏でここまで緩急つけるか!と思わず楽しくて笑っちゃいそうになるほどでした。そういう抑揚が非常に楽しい曲だと思います。アランウォーカーの曲はダンスミュージックなのでドロップのテンポは均一で抑揚が無く原曲厨の私としてはちょっぴり残念でした。なのでこの曲は原曲とは全く切り離してアランウォーカーの全く別の曲として受け入れようと思いました。アランウォーカーとこの曲は悪くありませんすみません。今月のアランの来日公演に行くくらいアランの事好きなんですアンチじゃないですごめんなさい。
抑揚のある原曲の演奏の動画を置いておきます。アランのLovesickとはテンポもなにもかも全く違う曲だなという印象を受けるかと思います。さてZEDDはどうでしょうか。バッハの平均律1巻1番というのは簡単で誰でも弾けるけど、シンプルゆえに弾きこなすのは非常に難しいとされている、そんな曲だと思います。
ZEDDはバッハを、グノーを、どうダンスミュージックにしたのか?この曲は踊れるのか?!
アランウォーカーが用いたハンガリー舞曲と違いバッハの平均律第1巻第1番は抑揚が少なく初心者は「一定のリズム、一定の強さで弾き続ける」という課題に取り組むようにと指導される事が多いです。その点は今まで例に出してきた曲とは違いわりとダンスミュージックにしやすいと言えるかもしれません。均一なテンポで作り替えても違和感は少ないように思えます。しかし、この原曲の印象はどうでしょうか?可憐で穏やかで心落ち着く、美しくも懐かしいようなそんな印象を抱く人が多いんじゃないかと思います。それってダンスミュージックになるでしょうか、私は難しいんじゃないかなと思いました。だからアルバムの最後に収録されており、聴衆を踊らせるような音楽ではなくじっくり聴かせるタイプの曲になるだろうなと予測しました。でもZEDDだから、もしかしたら踊れるように仕上げてるかも?とちょっとだけ期待していました。
↓この美しい曲がどうダンスミュージックになるのか?
ハイハットがもう最高
いよいよドロップです。ドロップの前には派手なビルドアップがあるわけでなくマシューの歌声で上がりきった熱を冷ますかのように音はほとんど主旋律だけしか聞こえなくなります。「さあドロップが来るぞ」というワクワクはもう最高潮です。ドロップは非常にシンプルでヴォーカルは無く平均律クラヴィーアのバッハのメロディだけが繰り返されます。同じフレーズは冒頭でも使用されていましたがドロップではテンポが速くなっています。通常平均律クラヴィーアというのはこの速度で演奏されるのは珍しいのではないでしょうか、ゆったりとしたテンポの前半部分と大きく違いドロップはもう完全にダンスミュージックです。原曲の平均律クラヴィーア集はチェンバロの独奏のための曲で、当初は伴奏曲でなくこのメロディだけで演奏される事を想定して作曲された曲なんです、その旋律をそのまま使用しているこのドロップ、良いですねぇほんと。伴奏にせずにちゃんとバッハの旋律がメインに!ど真ん中に感じられます。現在この平均律クラヴィーア曲集は音楽家にとってのバイブルなんて言われているほどとても重要な存在です。そんな曲をテンポアップして踊れるようにしてるの凄いですよこれは!主旋律のフレーズの音を装飾して増やしたりオリジナルで改変したりしてません、非常にシンプルなままです、なのに踊れる!!なぜ?!実際聴きながら踊ってしまいました。そうこうしているうちに弦楽器の音が控えめに重なりマシューのコーラスが響き渡る、なんですかこれ最高じゃないですか。まずドロップのフレーズ、非常にシンプルなんですが曲冒頭から一貫してピアノやチェンバロの音は使われていません。クラシック原曲をそのままオーケストラや元の楽器で演奏した音源を使用すると原曲の重厚感がそのまま出ると先ほど申しましたがZEDDはそれやってないんです(弦楽器の音はごく低いヴォリュームで挿入されています)、なのに原曲の雰囲気を大きく損なっていない。ピアノの音がなく、その分可憐さや原曲らしさが失われているかというとそうではなくマシューの熱のこもった歌唱との対比でフレーズのシンプルな美しさが後ろに隠れることなく引き立っているように感じます。曲の前半部分ではフレーズがカリンバかチェレスタのような優しい響きの音で奏でられている事で原曲の雰囲気が失われずに存在し続けています。ではドロップはというと音が全く変わっています、私は作曲しませんので詳しい名称はわかりませんがEDMによくある感じのありふれた音だと思います。シンセサイザーやデジタルの音、といった印象です。前半の可憐な音からドロップのデジタルな音に少しずつ少しずつジワジワ変わっていってるんです。序盤は原曲に近い雰囲気を味わっていたのにドロップではすっかりダンスミュージックに変化しているんです。聞いてる方はそれに気が付かず前半は聞き入っていたのにドロップでは自然と体が揺れちゃうみたな事になってます、じっくり何度も聞くうちにその事に気が付きました、これは本当にすごいです。
そして私が最も好きなのはこの曲のドロップのハイハットです(音聞き違えているかもだけど多分ハイハットかな?)。ドロップで主旋律の次に目立っているチキチキした音の事です。平均律のフレーズをテンポアップはしましたが、元々シンプルな曲ですので単調になってしまいそうです、が!このハイハットが非常に効果的で疾走感や思わず体を動かしたくなるような躍動感を与えていると思います。疾走感と躍動感ですよ?!原曲にはどちらも微塵も無い要素ではないですか!それが突如としてドロップで現れました。私達EDMファンが欲しているのは躍動感と疾走感ですよね、それを抑えられず踊りだして飛び跳ねてしまう瞬間って最高ですよね。それをクラシック曲をテーマにした曲で味わえるなんて、バッハで踊れるなんて!!!!
最高じゃーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
バスドラとスネアは非常にシンプル、フレーズもシンプル、それだからハイハットが効きまくってますね、本当に心地いいです。
その後マシューのヴォーカルもいよいよ佳境を迎え凄みを増していきます、これも最高に気持ちいい。後ろに気が付かない程度弦楽器で演奏されたフレーズが聞き取れますが(グノーのアヴェ・マリアの演奏かと思われます)このバランスも憎い。この弦楽器が前に出すぎずそっとヴォーカルと融合して、その慎ましさが逆にこの曲に気品を与えていると思います。感じませんか、気品。多くの曲はクラシック原曲音源をドーーーーン!と挿入してクラシック名曲のもつ上品で完成された雰囲気を大胆に取り入れてるんですよ、それが逆に下品に聞こえたりすることもしばしば。ZEDDは違います、匙加減が絶妙です。あとマシューの歌が厳かで壮大って感じなので前半は曲の世界観がすごかったですが、一転ドロップで軽快に踊らせた後にマシューがまた合流してくるっていう展開が予想できなかったです。あのマシューがあの歌唱で弦楽器の伴奏までついてるのにシリアスになりすぎていない。MUSEの曲ならそっちに振り切っちゃってもいいんですが、ZEDDの曲はあくまでダンスミュージックですからクドく感傷的になりすぎない、ダンスミュージックとしてのギリギリの線をいってるすごい曲だなあと思います。
隠しトラック仕様がニクイ
さてこの曲はシングルカットバージョンとアルバム収録バージョンが異なっています。アルバムバージョンでは最後の1685が終わった後数秒無音になりアルバムが終わったかと思いきやそこからまた曲が始まるんですね。この演出最近では珍しいかもしれません。クラシックレコードによくあったヒドゥントラックという仕様です。ロックやジャズのアルバムでもたまにありますよね。ZEDDはレコードでクラシックを聴いて育ったのでしょうか、素敵です。私は昔のレコード盤をCDに再集録しているクラシック曲集をよく聞いていましたが確かにこのような隠しトラックがあったように記憶しています、おもしろいですね。後半部分では弦楽器の演奏を存分に聴く事ができ、この弦楽器の演奏でアルバムは終わります、うーん素晴らしい。ダンスミュージックのアルバムとは思えないほど心地よい余韻に浸りながら聴き終える事ができるようになっています。
ライブでこの曲がかかったらたぶん泣く
私はいつもライブに行く前にセットリストを調べたりYouTubeで直近の動画を見て予習していくんです、DJは自分の曲以外もかけますからなるべく全部知った状態で楽しみたいので。でも今回のZEDDの来日公演は予習ナシで行こうと思っています。ZEDDの曲は全部聴きこんでいるし、どの曲をどうかけるかネタバレしたくないです。1685が好きすぎるのでこの曲がどのタイミングでどうやってかかるのか楽しみすぎて今から本当にワクワクしています。あのステンドグラスのような美しいアートワーク、あれがVJに映るのでしょうか、レーザーはどういった演出になるのでしょうか。考えるだけで楽しいです。そしてバッハ、グノー、ZEDDのメロディ、マシューのヴォーカルをみんなで聴ける事が何よりも楽しみです。今その瞬間を想像するだけでちょっと泣きそうなので当日は絶対涙が流れるような気がします。もしかけてくれなかったらギャン泣きします。ZEDD、かけてくれるよね?
ZEDDはグラミー賞とれるのか?!
ZEDDはグラミー賞とれます、何故ならTelosは神アルバムだからです。めっっっっちゃ良いです、名盤です。ほかのノミニーが誰だったかあまり覚えていませんが、ジャスティスがいたような気がします。ジャスティスかあ、新作もいいしベテランだしグラミー激つよだしなあ。でも!!ZEDDに受賞してほしい、そのくらい私はTelosが大好きです。BGMにせずに聴きたい気分の時に大切に聴いています。Telosの全曲レビューとグラミー賞予想もしたいと思っています。次のグラミーはリアタイしようかなと思いますがダンスミュージック部門はメイン会場でしょうか?気になりますね。ドレスアップして授賞式に参加するZEDDが見たいです、ついでに受賞シーンも見られることを願っています!!
1685はZEDDお気に入りの曲?
アルバムで重要な曲やシングル曲というのはたいてい前半に入っていることが多いですが、1685はアルバムの最後に収録されています。Telos収録の10曲の中で最も重厚で、そして曲の後半部のヒドゥントラックは思いっきりクラシック曲なのでアルバムの最後を締めくくるに相応しいからだと思います。最後がこの曲だからこそTelosは神アルバムだと言えるでしょう。ZEDDが最近更新したスポティファイのプレイリストを見てください、なんと1685がいきなり連続で3曲も入っているではないですか!シングル版、インスト版、アカペラ版です。そして少し後にはアルバム版まで!同じ曲が4曲も入っているプレイリストはなかなかないですよ。
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同アルバムからシングルカットされ1685と同じようにインスト版やアカペラ版があるTangerin Raysはこのプレイリストにはシングル版の1曲しか入っていません。
ちょっと1685への贔屓が凄くないですか?4曲もヴァージョン違いをプレイリストに入れるなんて、そのくらいZEDDはみんなに1685を聴いてほしいのではないかと思います。
ライブで1685を聴けるのを楽しみに毎日生きています、素敵な曲を作ってくれたZEDDに感謝!みなさんZEDDの来日公演にぜひ遊びに行きましょう絶対楽しいので!みんなで盛り上がれる日が来るのが楽しみです!