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それは人付き合いと似ている?服を自分に馴染ませていくという考え方。
先日、ネットでブラウスを買った。
前回のワンピースに引き続き、試着をしたことのない服だったが、「着てみたい」という気持ちに負けて購入を決めた。
色は白。
スタンドカラーの先端には控えめなフリルがついており、袖にもボリュームがある。
そんな甘くなりがちなディテールを、タイプライターのようなハリのある生地や、ビジネスシャツの様な袖口がほどよく辛味を効かせており、絶妙なそのバランス感に惹かれて購入を決めた。
春夏は一枚でさらっと着てもかわいいし、
寒くなったら黒のクルーネックのセーターから
スタンドカラーのフリルだけを覗かせてもかわいいな・・・。
わくわくしながら到着を待った。
初めて袖を通した日。
意気揚々と会社に来ていったのだけど、袖の長さが絶妙に短く、腕を伸ばす度につられる様な感覚で、無性に疲れてしまった。
家に帰宅後、改めて全身鏡でみてみると、若干丈も短いみたいでバランスが絶妙に悪い。
あんなにワクワクして買ったのに、しゅるしゅる気持ちが萎んでいった。
「あぁ・・失敗しちゃった・・。」
罪悪感がこころの底の方からじわじわと這い上がってきた。
+++
その後数日間は気が進まなくて、新しいそのブラウスはクローゼットに吊るしたままだった。
けれど、一度は良いと思って買った服。
とにかくとことん着倒してみよう。
それでもダメなら古着回収に出そう。
そう思いたち、徹底的に着てみることにした。
まず、シルエットを改善する着方を考えた。
前回は細めのパンツと合わせたら着丈が足りないことで全体のバランスが取れなかった。
ならばということでワイドパンツと合わせてみた。
シャツがボリューミーなので、ワイドパンツと合わせるとぼやっとした印象になってしまうのではないかと心配したが、着てみると意外にもバランスが良くなることに気がついた。
袖も本当はボタンをきちっと閉めて着たかったが、ボタンを外してみた。
生地の硬さのおかげで袖の形状が保たれ、だらしない印象にならない。腕の上げ伸ばしもストレスなく行える様になった。
そのような試行錯誤の中で、少しずつブラウスとわたしの間の距離が縮まっていった。
+++
時間をかけて服を自分に馴染ませていく、ということは人付き合いと似ている。
初対面で、あぁ、このひと苦手だな…と思っても、付き合いを重ねるごとにその人の良さを発見したりして、意外とやっていけるかも。と思うこともある。
(ダメなときは本当にダメだけど、ね。)
洋服も同じかも、と思った。
そんなことを考えていたら、まさに的確にそのことを表現しているお話に出会った。(※チャプター4と5だけでもぜひ)
洋服のすべてをオーダーメイドすることは出来ない。
だからこそ市販の服を自分に馴染ませるために、
袖をまくったり、ボタンを外す位置をトライアンドエラーする。自分に一番しっくりくる着方を研究する。
そうすることで、似合う服の数やおしゃれの幅が広がる。というおはなしだった。
もちろん、襟をぬいてみたところで少しでも動けばシャツは動き、着崩れが生じる。
けれど、一度でも「お、決まってる」と鏡の前で思える瞬間があるとその服と自分の間の距離が縮まる様に思う。
そんな瞬間を積み重ねていくことで、自分に似合う服、というものは作られていくのではなかろうか。
ついつい馴染みの服に手が伸びがちだけれど、
新しい服に挑戦する。
ああでもない、こうでもないと言いながら袖をまくったり、裾をズボンにしまってみたり。
新しいブラウス、もう少し距離を縮めていきたいな、と思っている。
雨の日曜日。
あたたかくしてお過ごしください。
良い休日を。