旅を続ける理由(コロナ自粛の間に起きた出来事)〔#256〕
ずっとコロナで不要不急の外出自粛していた時のことを書いています。
(1)観光しなかった5カ月
6月中旬に神戸で用事があり、帰りに尼崎で下車して、プチ観光をしました。
これの前に観光したのは1月中旬にクアラルンプールに行った時だったのです。
2月下旬の3連休の前後に東京で複数の用事があり、その用事の間で栃木県の日光東照宮、大谷資料館、足尾銅山とかに行く予定でした。それに備えて1月下旬~2月中旬はずっと大阪にいたのです。
その東京での用事もコロナの影響で中止になり、栃木の旅もキャンセルしました。2月の中旬から、仕事と日用品の買い物以外は全く外出しなくなりました。唯一、3月上旬に一度だけ大阪城で散歩しただけだったのです。
(2)コロナ自粛での最初の変化
最初の3カ月(2月中旬~5月)でこんな変化が起きました
①体調よくなる
②外食減る
③物欲がなくなる
④オンラインでの仕事が増える
①体調が良くなる
忙しく、また移動が多い生活をしていると不規則な生活リズムになりやすいので、しょっちゅう頭痛、下痢、口内炎になっていました。ところが外出自粛していると、これまでになく体調が良くなったのです。2月から少しずつ社会の動きが少なくなり始め、仕事でも急ぐ案件や新規の案件は無くなって行きました。仕事でのストレスもほとんど感じることがなくなったのも大きな要因だったのでしょう。
②外食が減る
コロナ自粛の前は、会食・飲み会には週2回ぐらい行っていました。これに加えて旅に出た時や用事の後で外食することも多く1年の約1/3の夕食は外食している生活でした。
それが2月上旬に飲み会に行って以来4カ月間、全く外食しませんでした。外食では味の濃い料理が多いし、飲み会では、ついつい暴飲暴食しがちになります。
ずっと家で食事していたのも体調が良かった要因の一つだろうと思います。
③物欲がなくなる
家と職場の往復だけだと、出かける移動費、飲食費などは全く使わないのは当然ですが、よく使っていたAmazonやヨドバシでのネット通販でも、買い物をすることがなくなりました。物欲が消えていったのです。
④オンラインでの仕事が増える
社会全体でコロナ自粛が広がり出すとオンラインでの仕事が増えてきました。
会議もセミナー受講もオンラインが増えていきました。
オンライン会議なら的外れな話をする人、持論を長々と演説するような人がいなくなりました。
わざわざ移動しなくていいし、セミナーは東京でやっているのも聞けるようになり便利だと感じるようになりました。
体調も良くなるし、お金は使わないし、急ぎの仕事も減って「外出自粛もなかなかいいなぁ」と感じるようになったのです。
(3)外出自粛が3カ月以上続いたあと
①仕事での心境の変化
ところが、外出自粛が続いた3カ月以上続いたあと、6月になると、色々、心境に変化が起きてきました。
まず大きく変化したのは仕事でのことです。
オンラインの会議だと事前にメールで資料を送られてきたり画面共有とかするのですが、それを読んでない人が一定割合いる人がわかってきました。
オンラインの会議では資料の量が多くなりがちで、ノートパソコンとかの小さな画面で読むのが面倒になったのも一つの要因でしょう。
リアル会議では、資料をプロジェクターで映写とかするけど、重要なものだけは紙に印刷とかしています。それがなくなったので、資料の重要度が伝わらなくなっていたのかもしれません。
それ以上にリアル会議では、口調、表情、雰囲気で重要なところを無意識に認識していたり、休憩時間や終わってからの立ち話で内容を確認とかしてたのでしょう。
なので、大人数のオンライン会議で説明しても、後から「そんなこと言ってましたか?」と言う人が出てきたり、明らかに会議の内容を全く理解してないようなメールが届くようになってきたのです。
結局、個別に電話して説明したり、顔を合わせた時に再度説明しないといけないようなことが発生し始めました。リアルの会議をしていた時にはなかったことです。
そう言う自分もオンラインで聞いていたセミナーの内容が全然頭に入っていない事に気づきました。
感想を聞かれても内容を上手く説明できないのです。内容を覚えていても、どの講師が話をしたのかは全く把握できなくなっていました。
今までリアルのセミナーの場で聞いた話なら、各講師がどんな話をしたかは、はっきりと覚えていました。
おそらく、講師の話し方、雰囲気、服装とかに関連づけて内容を覚えていたのでしょう。
社会が動き出すとオンラインでの仕事の弊害も感じるようになったり、いろいろストレスを感じるようになってきたのです。
結局、5月までコロナ自粛で仕事のストレスが減ったのは、単に社会全体の動きが止まっていたからだと言う事に気づきました。
もちろんオンライン会議でも5人以下の少人数だったり、拠点毎に人が集まり、拠点間だけオンラインで繋ぐ会議とかは、リアル会議とほとんど変わりがありません。
でも個々が別の場所にいて、10人以上の会議になると上手くいかないことが多かったのです。
だから、今後も仕事の全てがオンラインになることはないでしょう。
一方で従来のダラダラとしたリアル会議や無駄な出張は減ることになるでしょう。
リアルとオンラインのバランスを上手く取っていくことが、これからの経営課題になると感じました。
②プライベートでの心境の変化
次に仕事以外でも心境の変化してきました。
職場と家を往復するだけで、出かけるのが日用品の買い物だけの単調な生活を繰り返しているうちに、それが退屈に感じるようになり、「自分の生きている意味はなんだろう。」と言うふうに考えるようになってきたのです。
忙しく飛び回っている時には、「ゆっくりしたいなぁ。バカンスとか取れる欧州人は羨ましいなぁ」とか思っていたのに、いざゆっくりできる生活が続くと、それを不満に感じるようになったのです。
人間って何と“ないものねだり”をする生き物だろうとつくづく感じました。
(4)旅の意義
そして6月中旬に5カ月振りに観光をしたのです。
行ったのは、①尼信会館、②世界の貯金箱博物館、③尼崎城です。
これが、めちゃくちゃ楽しかった。すぐ近所の尼崎のことでも、知らないことを沢山、発見しました。そういうことでワクワク、ゾクゾクしたのです。
結局、何事も余裕を持ってやるより全力で走って生きている方が充実感を感じる。でも、ずっと全力で走っていたら心身とも壊れてしまいます。
それを埋め合わせるため心身ともにリラックスさせてバランスを取るのが“旅に出る理由“ということに、今更ながら気づいたのです。
だから、これからも旅に出続けるのだろうと思うのです。旅に出なくなるのは、自分が走り続けるのを辞めた時になるのでしょう。
(終わり)