オレオレ詐欺
以前、取材で知り合ったマダムがオレオレ詐欺の被害にあったという話を聞いた。頭脳明晰、エレガントでキリッとした雰囲気の方だったので、あんな聡明な人でも騙されるオレオレ詐欺って怖いなあと思ったもんだ。
どんな手口なのか、オレオレ詐欺の電話を一度は体験してみたいと、心待ちにしていた頃、ちょっと趣は異なるが、“俺様”から電話がかかってきた。
俺様「あー俺。かけてやったよ」
なんだか思いっきり上からの態度である。詐欺か勘違いかわからないが、ともかく待望の俺様からの電話に心躍る私。
わし「あ、ども」(わくわく)
俺様「どうしてる?」
わし「元気」(どきどき)
俺様「・・あれ、もしかして俺、間違えた? ●●(女子の名前)だよな?」
ナイス、勘違い!
わし「んー」
俺様「そか、ごめんごめん」と、急に言い訳のような近況を語り出した俺様、やたら饒舌。どうやら、仕事が忙しく、残業続きで、なかなか連絡ができなかった模様である。
「へー」「うんうん」で対応する私にとうとう、
俺様「・・・って、俺、間違えてますかね」
わし「・・おそらく」
俺様「どうもすみませんでした」
わし「どういたしまして」
「パーラー永浜商店」より加筆転載。
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