これまでに行った旅先の思い出をひとつあげるとしたら何ですか?#02
モロッコからスペイン
2014年9月。「ジブラルタル海峡を渡りたい!」という夫の一言で決まった旅。モロッコ行ったことないし、いいね、と即決。何となく、賑やかなマラケシュよりフェズという街の惹かれ、そこから北上してスペインに渡るルートに決める。
初めての国、モロッコ
空港からタクシーで宿へ向かうも、道が入り組み過ぎていて途中で下ろされる。フライトを伝えていたので、宿の方が迎えに来てくれてなんとか到着。
宿のオーナーに町のことを教えてもらい、散歩に出た。オーナーはフランス人女性だったし、モロッコはフランスの植民地だった為、フランス語が通じることが多い。
宿のそばは細い路地で人気もあまりないが、少し出るとそこはもう人、物、人、物。子供たちからのタンネリ(なめし革の手仕事)見学の交渉を振り切り、土産物屋の客引きを振り切り、まずはぐるっと歩く。歩くのにちょうどいい大きさの街。
おおらかなお母さんが作る、シンプルで味わい深い煮込みが美味しい食堂に二夜続けて通う。昨夜隣だった旅行者グループもまた来ていて、美味しいよねここ、と言葉を交わす。
青い町、シャウエン
フェズを離れ、バスに4時間半揺られてシェフシャウエンという街を目指す。運転手さんはフランス語を話さないらしく、行き先が合っているのか確信が持てないまま乗り込む。私たち以外は皆地元の人たちでぎゅうぎゅうのバス。バックパック1つでいくら、明らかにぼったくられている感があったが、乗せてもらえないと困るのでちょっと交渉して大人しく乗った。
乗客たちからの物珍しそうな視線を感じながら、砂っぽい道をぐんぐん進んだ。
そしてあと1時間ほどで着くという頃、お腹の様子が怪しくなってきた。
文字通り冷や汗をかきながら宿に到着。かわいい宿だなと頭の隅で思いながらも、トイレとベッドを行ったりきたりの廃人と化した私。何に当たったのか考えるも、もはやどれも怪しく思えてきてわからないまま1日が終わった。
翌朝起きると夫の顔色が悪い。あなたもか。せっかくの青い町に来ているというのに、まだその景色らしいものは全く見ていないままである。
午後少し調子が戻ってきたのでファーマシーへ行く。お店の人はフランス語が通じるが、パッケージはアラビア語。メモを借りて服用方法を殴り書き、宿へ戻る。なんとかこの町を少しでも見て回りたい・・。
翌日、夫もなんとか出かける気力が湧いてきたのでようやく町を歩くことに。体力をごっそり削られた私たちでもくるっと回れるくらい小さな町。美しい町のはずだが、体調が戻った安心感の方が大きく、あまり記憶にない。
アフリカ大陸のスペイン、セウタ
薬も効いて、心穏やかに次の目的地を目指す。
アフリカ大陸の先っちょにポツンとあるスペイン領、セウタという街。国境近くまでタクシーで行くと、調べていた通り、人でごった返している。
一歩そこへ入るとスペインなので、買い物などに来る現地の人も多いようだ。
並んでいると係の人かよく分からない人に呼ばれ、あれよあれよと列の前の方へ通される。たくさんの視線を感じながら、歩いてあっさりと国境を越えた。
船に乗り、いよいよジブラルタル海峡!モロッコにほんの少し後ろ髪を引かれつつ、何をするにも客引きや値段交渉する事に疲れてきていたので、静かにゆっくり歩きたい、という思いもあった。
モロッコはとてもエネルギーに溢れていた。そこで身体が弱ってしまったもんだから、そのエネルギーにとても圧倒されたような気がする。
スペインに渡って、いい具合に緩んだ雰囲気にほっとした。
スペインの街、アルヘシラス
アルヘシラスという街に数泊。
ビーチを散歩したり、タパスをつまんで1杯飲めるくらいには回復していた。
健康って素晴らしい!
今はなかなか旅に出られないけれど、これまで行ったところを思い返すのも楽しいものだ。
この旅は、初めて体調を崩したこと、色々な不安を抱えたままの中距離バス、歩いて国境通過など、何かと忘れられない旅となった。
あなたの旅の思い出は、どんなものですか?
この記事は、女性クリエイター限定の勉強会「プルタブ」のマラソン企画です。
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