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新曲「yes. I. do」考察(その3) 〜ソロ活動から帰還したエレカシの変化〜
こんにちは。新曲「yes. I. do」の考察記事、まさかの3本目です。
どんだけ好きなんでしょうか。でも言いたいこといっぱいあるのでしょうがない。
過去記事ワンツーはこちら。
その1では英語の発音について言及し、その2では曲そのものの良さについて言及してきたわけですが。
今回はちょっと視点を変えて、4年間のソロ活動を経た宮本が久しぶりに帰ってきたエレファントカシマシの新曲はこれまでと何がどう変わったのか、という観点で語り散らしていきたいと思います。
おさらい
今回の新曲「yes. I. do」の直前のエレファントカシマシの楽曲リリースは、2018年6月にリリースされたアルバムの「Wake Up」です。
つまりエレファントカシマシとしての新曲はだいたい4年半ぶりです。コンサートは時々やってたけど。
2019年にソロ活動をスタートした宮本浩次先生はずっとソロ活動に(ほぼ)全力投球していて、4年間でオリジナルのアルバム2作、カバーアルバム(1つはミニ・アルバム)2作をリリースしています。
カバーアルバム「ROMANCE」でオリコン1位を取ったり、47都道府県ツアーを完遂したりと、それはそれはご活躍なさっております。凄すぎる。何なの?
私が予想していたエレカシ再興
ここ最近はずっとソロ活動に邁進されていた宮本先生ですが、そのうちエレカシに戻ってくる気があるのは分かっていたので、新曲出たらどんな感じかなあ、とあれこれ想像して心待ちにしていたのです。
が、「yes. I. do」の音は完全に予想外でした。
Yes. I do の曲そのものも、そういえば予想していたエレカシ再始動のスタイルとは違いますね。先生はソロでエレカシではできなかった(というかやるべきではなかった)色々なことをやれたのだから、バンドに帰ってきたらもっとコアなエレカシをやるはずだと思ってました。でも実際は華やかなサウンド。
— 麻依子 (@maico1938) January 6, 2023
エレカシが再始動したら、ロックバンド・エレファントカシマシ、ソロアーティスト宮本浩次、純粋シンガー宮本浩次、の3つを明確に分けてやっていくんだと思ってたんです。でもこの新曲はそうじゃない。先生のこれまでの音楽活動のぜんぶの集大成みたいな音が鳴っていると感じました。
— 麻依子 (@maico1938) January 6, 2023
これは35周年のティザー映像が公開されて、「yes. I. do」のサビのほんの10秒くらいだけを聞いたときの感想です。この時点で、あれ、思ってたのと違う、となっていたわけですね。
新曲をフルで聞いて感じたこと
※ いまさらですが、個人的な感想です。その旨ご承知おきください。
(意訳:異論反論がある人もいると思うけど怒らないでね)
yes. I. do もそこそこ聞き込んだので感想の続きを。これぞエレカシ!って意見を割と見たけど、私は真逆のことを思った。この曲は全くエレカシらしくないし、何なら宮本浩次らしくもない。あれをエレカシっぽいと思った人たちは先生の魔術に騙されていると思う。
— 麻依子 (@maico1938) February 18, 2023
要するに、やはり35年も活動していれば、エレカシくらい変化し続けているバンドでも、聴衆の固定イメージがあるわけじゃん。先生は自由にやっているようで、すごく敏感に、世間が期待しているエレカシ、世間が期待している宮本浩次でいようとしつづけてきたと思う。でもこの曲はそうじゃないの。
— 麻依子 (@maico1938) February 18, 2023
エレカシは35年もやっていて、その中でも、ものすごく変化しつづけてきたバンドなので、いつからファンをやっているかとか、いつ頃の楽曲をよく聞いてきたかとかで印象は違うと思うのですけど。
大雑把に言えば、エレカシは硬派で、男らしくて、大日本帝国。宮本浩次の歌は、力強くて、真っ直ぐで、シャウトする、色気はあるけどエロは絶対に出さない、ってイメージだったはず。でもこの曲は、そんなに男らしくもないし、日本的でもないし、まあ誤解を恐れずに言うと色じゃなくてエロを感じる。笑
— 麻依子 (@maico1938) February 18, 2023
私はずっと、たとえば初期に似ていると言われていた RC(サクセション) にはエロを感じるけど、エレカシには感じない、何故なら彼らは軟派じゃなくて硬派だから、あれはあくまで色(または色気)であって、エロではない!というのが持論だったんですね。
別にセクシーな歌詞を歌ってるかとかそういう話じゃなくて、広義の色気の話をしてるんだけど。言ってること分かります?
なのに、今回はじめてエレカシが「色」じゃなくて「エロ」と呼んでも差し支えないような色気を出してきたので驚いたわけです。
エレカシが、というか、ソロ活動も含めて、宮本浩次がこんなにエロい声を出したのはたぶん初めてですよ。だから、宮本浩次がこんな声出すの?!っていう時点で驚きなのに、しかも幅広く色んなやり方に挑戦してきたソロの方でじゃなく、より硬派な方のエレファントカシマシで?!これやるの?!っていう、二重の衝撃がありました。仰天した。
ソロの「夜明けのうた」が発表されたときも、こんな声が出せたんですか?!って衝撃を受けましたけど、今回はそれと同じくらいの衝撃でした。
どんなに甘い声を出しても、中心に一本ガッシリした芯が通っているのが宮本浩次の歌い方だったのに、芯までドロッドロに溶けたエロい声を出してきたじゃんと。こんな L'Arc〜en〜Ciel みたいな声出せたんかと。L'Arc〜en〜Ciel、よく知らないけど。イメージとして。
それで、完全にこの曲は「エレファントカシマシらしくない」と感じたのです(否定的な意味はないので、字面通りに受け取ってください)。
で、なんでこうなったのか考えてみた。
この曲では、らしくあろうとするのを一切やめたんじゃないかと思った。それは自信の現れでしょう。どんなスタイルだって、俺が歌ってれば、この4人がやってればそれこそがエレファントカシマシだ!って、思い切りの良さ。だから全くエレカシらしくはない。でも聞き手はこれぞエレカシだと喜んでいる。
— 麻依子 (@maico1938) February 18, 2023
結論、どれだけ自信をもってこの新曲を出してきたかがよく分かった。
もう最高!大好き!!!
まとめ
でも、逆に言えば、こういう変化をこれまでやらずにきたのは、どんなに変化してもエレカシは受け入れられる、って自信をもてなかったから、とも言えると思うのです。後付けの理屈だけどね。
ってことは、宮本先生ってば、あれだけ歌が上手くて、作る曲が良くて、見た目も良いのに(見た目は関係ないけど)、ソロ活動で大躍進するまで、実はまだ心からの自信もってなかったんかこの人!ってことですよ。
理想が高すぎる、かつ謙虚すぎる宮本浩次に本物の自信を持たせたのは、やっぱりアレかな。オリコン1位の力はすごい。笑
エレファントカシマシには、今後もガンガン良い曲作ってガンガン売れてほしいと思います。
まずは、「yes. I. do」の発売日に、まだ公開されていない「It's only lonely crazy days」という新曲が聞けるので、楽しみにしています!
追記
この記事の論理展開と相反する部分があるので書くか迷ったのですが、やはり、ここを褒めないままには終われないだろう、ということで追記します。
note に追記しようか迷ってることがあって。yes. I. do がこれまでのエレカシとテイストが違うの、これ本当に凄いなって思ってるんだよね。だって多分ソロ宮本が好きじゃないエレカシファンもそれなりの数いるわけじゃん。その人たちは4年もエレカシの活動お預けを食らってたと言えなくもないのよ。
— 麻依子 (@maico1938) February 26, 2023
だから、久しぶりにエレカシに帰ってきて、まだファンがついてきてくれるかな、って日和ってもおかしくないと思うのよね。要するに「待たせてごめんよ、ほら皆が待ってたエレカシだぜ!」って如何にも"らしい"曲を作りたくならない? 並の精神力ならそうなると思う。でもここでサウンド大変革なのよ。
— 麻依子 (@maico1938) February 26, 2023
売れ続けるのって凄く難しいことだからさ、ソロでトップレベルまで売れたからこそ、余計に転落が怖くなったりしそうなもんだけど。でも、先生はここで日和らなかった、媚びなかった、守りに入るどころか全開で攻めた。いや~めちゃくちゃ格好いいよね。もう完全に生き様がロックだよね。惚れ惚れする。
— 麻依子 (@maico1938) February 26, 2023
それに、これまで通りのエレカシを期待してたファンを切り捨てる気でやり方を変えたわけでもなくて、こんだけ良い曲なんだから気に入ってもらえるに決まってる!くらいな気概をもってやってるよ、多分。この新曲そういう音だもん。音でだけは嘘つけないもん、ミュージシャンなんだから。だから凄い。
— 麻依子 (@maico1938) February 26, 2023
先頭に立っている宮本浩次の生き様が最高にロックだからこそ、エレファントカシマシは最高のロックバンドたり得るのだと思います。
ロッカーを自称している諸氏、宮本浩次のように生きろよ!
以上、解散!
おまけ:宣伝
ニューシングル「yes. I. do」はここから買えます。買いましょう。
ライブ映像とセットになってるのもあります。お買い得です。
ついでに、私も「yes. I. do」を nana music で歌っているので、良かったら聞きにきてください。
あの声の独特の色気はちょっと真似できないですが、頑張りました!