公務員という経歴に「すごい」と言われる違和感
今、私はカフェでアルバイトしているのですが、新卒で都庁に勤めていたことを話したりバレたりすると、よく「すごいね！」って驚かれます。
「辞めちゃったなんてもったいない」は、言われすぎて慣れてしまったのですが、最近、「都庁いたってことは本当はすごい人なんじゃないか」
って言われて、なんかモヤっとしました。
なんでモヤっとするのか、説明するのが結構難しいのですが…。
まず、私は都庁辞めてるので、たとえ、「都庁＝すごい」だったとしても、私はすごくないです。
で、私の中では、都庁って別にすごくないんです。
実際、都庁の仕事って全然すごくないですよ！！
マジで、仕事自体は、誰でもできる仕事です。
（私は事務職で、４年間しかいなかったので、一番下っ端の事務の仕事しか経験していないですが。）
正直言って、都庁にいたことを褒められても、全然すごい仕事してなかったので、本心で「いや全然すごくないです」としか言えないです。謙遜でもなんでもなくて。
例えば、一年目の仕事は、新聞とか、オフィスに置いてあるレンタルの植木とか、タクシー代とかの支払業務とかやってました。
支払業務っていっても、業者さんにお金を支払うのではなくて、支払うための書類を作るだけです。前年度の書類のデータをコピーして、日付と金額を編集して印刷して、ファイルに綴って、係長や課長のハンコをもらって、所定の場所に入れておくっていうだけです。本当に、やり方さえ教えてもらえば誰でもできます。
改善とか、工夫とか、できるところないかな？と思ったりもしましたが、当時の係長に「そんなことしなくていいから」「前年度と同じようにやってくれればいいから」「面倒なことはしないで」って言われて、私の裁量とかは全くなくて、ただただ、作るべき書類を作るという仕事を、立派な建物の中で、綺麗めなオフィスカジュアルな服を着てやっているだけでした。
職員の中には、高学歴な人も多いし、頭の良い人も沢山いました。
でも、どうしようもないくらい仕事ができない人、多分民間企業だったらクビになるんじゃないかなってくらいの人も、出先の事務所に行くと結構いました。（笑）
一部の超仕事ができる人は、少しずつ制度を改善したり、難しい理屈を考えたり、前例のないオリンピックとかの仕事をしていますが、大半の職員は、前年度と同じような書類を淡々と作っています。
都庁を辞めた後、転職したIT企業の方が、すごい人は沢山いました。
都庁職員より、その民間のIT企業の方が仕事できる人は多いと思いました。
それに、仕事ができない人がいなかったです！！
私はそのあとに、外資系企業に１年間だけ働いたことがあります。
そこは、７割くらい英語環境だったし、私にとってはチャレンジングだったので、正直そっちの方が自分ではすごいと思うんですが（笑）、履歴書を見ると、全く触れられずに「都庁！？すごいね！！」ってなるんですよね…。
いや、都庁は全くすごくないのに！！！！！
お給料も、たぶんみんなが思ってるほど、高くないですよ！！公務員って。
ただ、誤解してほしくないのは、都庁や公務員って、めっちゃラクな仕事っていうわけでもないんです。
「ラクだからおすすめだよ〜」とは簡単には言えないです。
都庁って、簡単な書類作りの仕事が多いのは事実ですが、それだけじゃなくて、議員対応とか、苦情対応とか、監査対応とか、誰からも指摘されない理屈を考えたり、仕事できない人の尻拭いしたり、変わった人がいたりとか、もう色々ストレス溜まる大変な仕事も多いです。
一番下っ端だった私がそう思ったので、係長とか管理職になったら、責任も増すし、簡単な書類作る仕事もほぼ無くなるし、もっとストレスの多い仕事が増えると思います。
私は、そういう公務員の仕事が、無理！向いてない！って逃げたタイプなので、都庁すごくないよって言える立場ではないですね。笑
今も毎日、公務員として働いている方達は、自分にはできないことなので、すごいなと思います。
当時の私は、色々ストレスを抱えながら、我慢して頑張って働いていたので、「そのストレスに耐えて働いてたなんてすごい」って言われるならわかる。（笑）
でも、周りの人が言う「都庁すごい」って、たぶんそこまでわかって言ってるんじゃなくて、なんとなくのイメージなんだろうな。
私は今や、フルタイムで働くことも無理って感じなので（笑）、「フルタイムで頑張ってた当時の私、すごい」とか、「フルタイムで働いてるみんな、すごい」と思います。
だったら、都庁の経歴だけじゃなくて、そのあとの、民間企業の経歴だって、同じくフルタイムで働いてたしすごくない？って思うんです。（笑）
なんで都庁だけ「すごい」と言われるのか、そこがやっぱり違和感。みんな、都庁を過大評価しすぎでは？と思ってしまう。
民間企業だってすごいよ！！
※私が都庁を辞めた話については、下記の記事に書いています。