ぐうたらな私が、唯一サボれないこと。

向日葵の花言葉を初めて調べた。

と、気になる男の子に言われたらキュンとするだろうなぁ。

もし私を見て、向日葵を連想してくれて、そのままなんだかんだと妄想が膨らんで「ヒマワリ 花言葉」などとググってくれていたりしたら、「え、かわいい・・・」×10000って感じだと思う。

いやでも、ちょっと冷静に考えてみたい。

特にこちらが恋愛感情を持っていない人から、面と向かって

「君って向日葵みたいだよね。そう思って、この前向日葵の花言葉を初めて調べたんだ。」

と言われる場面を想像してみる。

ちょっと引いてしまうような気がする。「知らんがな」×10000という感じ。

恋愛において、この種の「キモさ」を発生させずに好意を伝えられるかどうかが、モテと非モテの境界線のように思う。(男女問わず)

この「キモい」を分解して文章にしたいと思ったのだけど、できなかったので図示します。(ちなみに「図示」という漢字の読みを今の今まで「ずじ」だと思っていた。「ずじ」って入れても変換候補に出てこなくて、「まさか・・・」となった。恥ずかしい。)

つまりは、Aさんが思っているAさん像と、Bさんが思っているAさん像にギャップがあり、かつBさんがそのギャップに気付かず理想のAさん像で頭いっぱいになってる状態が

「えっキモい!」

という現象を生むのではないだろうか。

では次に、このキモさを克服しつつ、「君を想って向日葵の花言葉を初めて調べたよ」を伝えるソリューションについて考えてみる。

あくまで、「君って向日葵みたい」と思ったことは、自分の頭で勝手に思ったことであり、一般的なことでもないし真実とも限らない、私個人の主観です、という前提に立ち、言葉を選ぶ必要がある。

では、他人ごとのように伝えてみてはどうだろうか?

「僕(男性の一人称は「僕」が好き)、◯◯のことふとヒマワリみたいだな〜って思ったの。でさ、この前気付いたらヒマワリの花言葉なんか調べててさ。ちょっとキモいよね(笑)。自分でもびっくりしたわ。」

どうだろう。

えっ、なんか、いいよね!?

けっこう言われたいかもしれない。

自己陶酔感を第三者視点の話し方に変えて打ち消すだけで、

「なんでそんなことをしちゃったのか、説明が分かりやすくて安心!」

「相手は1人でそのような妄想をすることをキモいことと認識している、理解できる価値観の持ち主!安心!」

「総じて気持ちが重くない!」

という印象になった気がします。特に女性の方、どうでしょうか?ご意見お待ちしてます。

恋愛以外でも、「職場の田中さんはどういう人か」「『かわいい』という言葉はどんな時に使うか」「Webディレクターの仕事の領域とは」などなど、自分と他人の考えの違いを想定していなかったせいで、生まれた誤解がこれまでたくさんあったなぁ。

今ちょうど思い出したのだけど、仕事で仲良くなったある取引先の方と、私の男性上司の話をしていて、私がその上司のことを「かわいい」と表現したことがあった。

それをたまたま聞いていた、社内の先輩女性から、後日

「社外の人の前で、自分の上司を『かわいい』と表現するのはあり得ない。」

とお叱りを受けたのだった。

日頃、注意されたり叱られたりすると凹むタイプなのだけど、この時は猛烈に腹が立った。自分の感情にびっくりするくらい。ちょっと泣きそうになるくらい。

今振り返ってみると、私はその取引先の方の性格を踏まえて、この人にはそういう表現方法で話しても問題ない、という自信があったのだと思う。

自分にとっては根拠と考えがあってしていることなのに、なぜ「取引先の人とはそういう話をするのはNG」という、ルールの一つ覚えで一対一のコミュニケーションをサボっているような人に、注意をされなければならないのだ。

私は「対・取引先の人」ではなく、「対・◯◯さん」で、向き合っているのに。バカにするんじゃねー!!!!

という怒りだったのだと思う。

ごくたまに、こういう自分のゆずれないポイントに触れることがある。こういう時に湧く怒りって異質なので、私はそれを「義憤」と呼んでいる。

無茶振りしてくるお客さんに対して「もー!!」となったり、待ち合わせしていた友人に一時間待たされた時の「なんなんだ・・・」という感情とは違う。「義憤」にはなかなか出会えない。出会おうと思って出会えるものではない気がする。みんなにも「義憤」はあるのかな、気になる。

「家族だから」「恋人だから」「友だちだから」という、よく分からない根拠で、人になにかを押し付けたくないなぁと思う。

「アラサーの旅好き女性」「独身の男性起業家」「フリーランスのゲイ」などというステータスから、なんらかのキャラクターを勝手にイメージして、決めつけて付き合ったりもしたくない。

立場やステータスが、付き合い方のヒントになるのは事実だと思うけれど、「これは!」と思う人との人間関係においては、自分の目をかっぴらいて、その人そのものを見たいなぁと思うし、きっとこれからもそこだけは、私はサボれない。

「この人は私自身を見てくれているな」と思わせてくれる人のことが、私も好きだし。

「あ〜あ、きっと、あの人にとってはあの言葉じゃ伝わらなかったな」「うまく気持ちを説明できなかったな」「けどきっと説明したところでムリなパターンだったかも」などと、くよくよ考え事をしながら、今日も1人で夕飯兼おつまみをつくるのであった。

う〜ん、ビールが苦い。


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「最初と最後の一文が決まった文」を、7人で書きました。書き始めは「向日葵の花言葉をはじめて調べた」、書き終わりは「ビールが苦い」です。
https://note.mu/ikeikeikkei/n/n9a50800cc95b

すっっっっっごいうれしい!