ドビュッシー
眠れない夜は決まって彼の譜面
アラベスク第1番から始まっていく
またそのサイクルが戻ってくる
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失恋をした
こっぴどく、悲しいくらい冷たいサヨナラを告げられ
どうにも立ち直れないまま4ヶ月がすぎた
いろいろ悲しいことがたくさんあった
でもきっとそれ以上に楽しいこともあったはずだった
ただそれが全く見えなくなってしまった恋愛だった
彼と幸せになるために一緒になったはずだったのに
現実はなんて難しいのだろう
きっと誰も悪くなかった
みんな自分を愛せなかった
自分はこんなにも嫌な人間だとも知った
彼と一緒にいる時の自分が大嫌いだった
だからきっとこれは私のためでもある
私が自分を大切にするための必然だった
そんな恋愛だった
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そう納得させて消化させても
長い夜はなかなか明けてはくれない
でもドビュッシー
あなただけは
程よい彩度で私のどんなよる夜をも包み込んでくれる
ここが私の居場所なのだと
またあなたと眠れる夜がくる
これも私の幸せだ