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まいの挑戦記③一人暮らしの孤独感、誰にも頼れない不安
一人暮らしを始めた初日、私は思った。
「やっと自由になれた」って。
これまでの家は、
まるで息をするだけで責められるような場所だった。
どんなに静かにしていても、
父の機嫌次第で怒鳴られるし、
時には手を上げられることもあった。
だから、
一人になれたことが本当に嬉しかった。
でも、その日の夜、
私は初めて「静かすぎる部屋」というものを経験した。
時計の針の音だけが響く。
誰の話し声もない。
何か音が欲しくてテレビをつけたけど、
空間に馴染まず、
不自然な気がしてすぐに消した。
窓の外を眺めると、
近くのマンションの窓には明かりがついていた。
家族団らんなのか、
笑い声がかすかに聞こえる気がした。
その瞬間、私は気づいた。
「私、本当に一人なんだ。」
それからの日々、
私は静寂と向き合うことになった。
朝起きて、
誰とも会話せずに朝ごはんを食べる。
勉強をして、
バイトへ行き、
帰ってきたらまた勉強。
誰かに「おかえり」と言われることもなければ、
「今日どうだった?」と聞かれることもない。
孤独って、ただ「一人でいること」じゃない。
「誰にも必要とされていない気がすること」
なんだって、そのとき初めて実感した。
バイト先では最低限の会話はするけれど、
それは業務のためのもので、
私のことを本当に気にかけてくれる人がいるわけじゃない。
コンビニの店員さんとの「袋いりますか?」
みたいなやり取りが、
数少ない人との交流だった。
夜になると、特に寂しさが増す。
カーテンを閉める音、
部屋の電気を消す音、
布団に入る音。
全部、自分だけのものだった。
誰かに話しかけたくても、
今さら気軽に電話できる友達なんていない。
「元気?」って送ったら迷惑に思われるかもしれない。
そんなことを考えて、
結局スマホを握りしめたまま眠るしかなかった。
そして、
一人暮らしの孤独が最も辛くなる瞬間が訪れた。
ある日、朝から体がだるくて、
頭がぼーっとしていた。
「ちょっと寝れば治るかな」と思っていたけど、
時間が経つごとに悪化していく。
熱を測ると38.5℃。
間違いなく風邪だ。
でも、私は動けない。
買い物に行く気力もないし、
薬も持っていない。
布団に横たわったまま、
天井をぼんやりと見つめた。
「こんな時、誰かがいればな…」
そう思った瞬間、
胸の奥がぎゅっと締めつけられるような感覚になった。
家にいた頃、
体調を崩せば母が薬を用意してくれた。
「大丈夫?」って心配してくれる声があった。
でも今は、誰もいない。
たった一人で、この熱を乗り越えなきゃいけない。
少しでも何か食べなきゃと思って、冷蔵庫を開ける。
でも、そこにあるのはペットボトルの水と卵だけ。
「なんでちゃんと買っておかなかったんだろう…」
自己管理ができていなかったことへの後悔と、
自分の無力さに涙が出そうになった。
布団の中でスマホを握りしめる。
誰かに助けてって言いたかった。
でも、誰に? 送るべき相手が思いつかない。
この時、私は一人暮らしの「本当の意味」を理解した。
自由はある。
でも、その代わりに「誰にも頼れない」
という現実もついてくるんだ。
その夜、私は考えた。
このままじゃダメだ。
確かに一人暮らしは孤独で、
頼れる人もいない。
でも、だからこそ「自分を支えるのは自分しかいない」
ってことを、ちゃんと理解しなきゃいけない。
次の日、少し熱が下がると、
私はまずスーパーへ行った。
風邪をひいたときのために、
お粥やスポーツドリンクを買いだめする。
常備薬も準備した。
「次に体調を崩したとき、あの時みたいに苦しまないように」
って思いながら。
それから、
私は孤独に押しつぶされないための工夫をするようになった。
SNSでの何気ないやり取り、
好きなカフェを見つけること、
バイト先の人と少しでも会話を増やすこと。
小さなことだけど、
それだけで「完全な一人」にはならない気がした。
孤独は消えない。
でも、それとどう向き合うかは自分次第なんだ。
私は「一人で生きていく力」をつけるために、
この一人暮らしを選んだ。
だから、簡単には負けない。
「大丈夫。私はちゃんとやっていける。」
そう心の中で呟いて、私はまた机に向かった。
この先、どんなに孤独な日があっても、
私は私を支えて生きていく。
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