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まいの挑戦記④生活のルール、リズムを維持する工夫
一人暮らしを始めて、
最初に感じたのは「自由」だった。
朝、何時に起きてもいい。
夜、どれだけ起きていても怒られない。
何を食べるかも、何をするかも、全部自分次第。
最初の数日は最高だった。
学校に行かなくていいから、
好きなだけ夜更かしして、
朝は昼近くまで寝て、
適当にコンビニでパンを買って済ませる。
バイトの日以外は、
ダラダラとスマホを見たり、
勉強をしようとしてもすぐに集中が切れたりしていた。
でも、
その自由はあっという間に「だらしなさ」に変わった。
昼夜逆転し、
バイトがある日は無理やり起きるけど、
眠くて頭が回らない。
食事も適当だから、なんとなく体もだるい。
「このままじゃやばい…」と焦りながらも、
なかなか抜け出せない。
自由って、
すごく楽しいものだと思っていた。
でも、本当はすごく怖いものだった。
自由にしていいはずなのに、
なんだか息苦しかった。
バイトで疲れて帰ってくると、
「今日はもう勉強しなくていいや…」と思ってしまう。
一度そう決めると、
次の日も「昨日サボったし、今日もまぁいっか」ってなる。
どんどん怠け癖がついていって、
気づけば1週間、まともに机に向かっていなかった。
さらに、生活費の管理も甘かった。
「食費は抑えないと」と思いつつも、
コンビニで手軽に買えるパンやおにぎりに頼ってしまう。
でも、1回200円とか300円を繰り返していると、
すぐにお金がなくなる。
慶応を受験するためには、
受験費用も貯めなきゃいけないのに、
こんなことをしている場合じゃない。
だけど、どうすればいいのか分からなかった。
私はただ「頑張らなきゃ」と焦るだけで、
何もできずにいた。
そのままだと、
きっと私はこのままズルズルとダメになってしまう。
「もう、一回ちゃんと立て直さなきゃ」
そう思って、私は「生活のルールを決める」ことにした。
まず私は、紙とペンを取り出して、
1日のスケジュールを書き出してみた。
「朝は何時に起きるか?」
「勉強は何時間やるか?」
「バイトの後、どう過ごすか?」
「食費をどう抑えるか?」
ひとつずつ整理しながら、
「このままじゃダメ」と思う部分を変えるために、
ルールを作っていった。
特に問題だったのが食費。
コンビニでちょこちょこ買うのは、
一見安く済むようで、
実際はかなりの無駄遣いだった。
だから、
1日1食100円以内で抑えるルールを作ることにした。
スーパーで安い食材をまとめ買いし、
1週間分の食費を管理する。
お米を炊いて冷凍すれば、
1食あたり20円以下。
業務用の鶏胸肉を小分けして使えば、
1食30円程度。
もやしや豆腐、納豆を活用すれば、
栄養もとれてコスパも良い。
大量に作った味噌汁を冷凍しておけば、
1杯10円くらいで済む。
こうして組み合わせれば、
100円以内でしっかり食事をとることができる。
「節約しながら、ちゃんと健康を維持する」
このルールを決めただけで、
なんだか少し安心した。
今まで「なんとなく」やっていたことが、
「こうすればいい」と明確になったからだ。
そして、スケジュールの中に
「ルールを守るための仕組み」も入れた。
例えば、勉強の習慣化のために
「家じゃなくて図書館やカフェで勉強する時間を決める」。
バイトがある日は
「帰ってきたらすぐにお風呂に入って、ダラダラしない」。
朝起きるのが苦手なら
「アラームを遠くに置く+カーテンを開けて朝日を浴びる」。
ルールを作るだけじゃなく、
「守るための工夫」を考えたことで、
私は少しずつ変わり始めた。
ルールを作って数日後、私は気づいた。
「生活がちゃんと整うと、心まで安定するんだ」
それまでは、毎日どこかモヤモヤしていた。
焦っているのに何もできない。
自由なのに、
何も楽しくない。
でも、ルールを作ってからは、
やるべきことが明確になって、
無駄に悩む時間が減った。
何より、一番変わったのは「ご飯」。
食費を100円以内に抑えるために、
自分で作るようになったことで、
栄養がとれるようになり、体調も良くなった。
ちゃんと食べると、
自然と勉強の集中力も上がる。
最初は、「ルールなんて面倒だな」って思っていた。
でも今は、
ルールがあるからこそ、
安心して毎日を過ごせる。
「ルール=自分を縛るもの」じゃなくて、
「夢を叶えるために支えてくれるもの」だった。
そして私は、改めて決意する。
「慶応に受かるために、自分の生活をコントロールする」
自由の中で流されるんじゃなくて、
自分で自分を律する。
それができるようになったら、
本当の意味で「自由」になれる気がする。
今日も、私は自分のルールを守る。
この先どんなに大変なことがあっても、
自分の力で乗り越えられるように。