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チケット代雑感(2022年J1第15節川崎vs湘南)

 2022/05/25 川崎vs湘南戦は、ダイナミックプライシング対象試合として5/4 10時から後援会会員先行販売が開始されました。

 川崎フロンターレはダイナミックプライシング(価格変動制)によるチケット販売の導入を検討しているそうで、05/25 湘南戦は6試合予定しているトライアルの2試合目でした。詳細はこちらを見てください。

 2022年シーズンの川崎フロンターレのチケットは、ホームが8席種、アウェイ3席種の計11席種に分かれています。最も高いのがメインスタンド下層中央にある「SSS指定」で後援会会員先行販売価格が6,100円(一般価格は前売券、当日券ともに7,400円で、大人、小中ともに同じ値段です)です。最安席種は「ホームA自由(コロナ感染状況を考慮して指定席となる場合あり)」で後援会会員先行販売価格が大人2,300円、小中500円(一般価格は前売券、当日券ともに大人3,200円、小中1,200円)です。詳細はこちらを見てください。

 今回は次の方法でチケット代を日々確認しました。
公式ホームページに「(価格の変更は)不定期で行われます。※1日に2回以上の変更はございません。」と記載されていたので、後援会会員先行販売初日から毎日21~27時の間にホーム側全席種の前売会員価格、一般価格、購入可能座席数、リセール枚数、リセール最安値、リセール最高値を「Jリーグチケット」にて目視で確認しました。
尚、一般販売が開始された05/11からリセールが開始されていますが、リセールを確認し始めたのは、05/14からです。
小中料金も確認していたのですが、データを誤って削除してしまいました。

 それでは席種ごとに見ていきます。
公式ホームページに「(後援会会員先行販売の販売価格は)購入時点の一般価格の20%OFFとなります。 」と記載されていますが、後援会会員先行販売の方が販売期間が長いので、2022年前売会員価格との差額に注目しました。

SSS指定(2022年前売会員価格:6,100円)

 販売初日(05/04)21時過ぎには既に完売となっていて、一度も復活することはありませんでした。リセールは最大12席ほど売りに出されました。

メインSS指定(2022年前売会員価格:5,200円)

 会員価格は2022年前売会員価格より240円高い5,440円から始まりました。05/05は変化しませんでしたが、05/06から05/09にかけて毎日240円ずつ値上がりした後、一般販売開始前日の05/10に基準価格の6,400円より160円高い6,560円をつけました。05/16から断続的に320円ずつ上昇し、05/21に最高値となる7,920円をつけました。その後は、試合前日まで会員価格の変化はありませんでした。
 05/15からリセールの状況も確認し始めました。リセール価格は最高値(大人)が6,560円で2022年前売会員価格より1,360円高い状態を維持しました。最安値(大人)は3,500円で始まり、2,800円まで下げた後、試合前日は3,000円になりました。

バックSS指定(2022年前売会員価格:4,500円)

 会員価格は2022年前売会員価格より380円高い4,880円から始まりました。05/06から05/09にかけて720円上昇して一般販売前日の05/10に基準価格の5,800円より200円安い5,600円をつけました。05/15まで値動きはありませんでしたが、05/16から再び価格が上昇して05/21に最高値となる6,320円をつけました。
 リセール価格は05/15に最高値4,366円、最安値3,990円をつけましたが、最安値はその後下がり続け、試合前日の05/24に2,700円をつけました。

メインS指定(大人)(2022年前売会員価格:4,100円)

 会員価格は2022年前売会員価格より220円高い4,320円から始まりました。05/06に4,400円に上昇しましたが、その後は05/14まで価格を維持し、05/15に160円安い4,240円をつけました。05/16はさらに80円下げて4,160円になりました。05/19~21まで連続して160円上げて最高値の4,640円をつけて試合前日まで価格の変動はありませんでした。一度も基準価格の5,100円を超えることはありませんでした。
 リセール価格は05/15の最高値が4,033円で05/18~05/20まで4,400円に値上がりしましたが、05/21に4,033円に下げてその後は価格の変動はありませんでした。最安値は2,500円をつけた後、05/18に1,980円に下げ、05/22にさらに1,500円まで下げました。05/23に1,800円戻して05/24に1,900円に上げました。

バックS指定(大人)(2022年前売会員価格:3,900円)

 会員価格は2022年前売会員価格より180円高い4,080円から始まりました。05/06から05/09にかけて400円上昇して4,480円をつけました。05/15まで値動きはありませんでしたが、05/16から再び価格が上昇して05/19に基準価格の4,900円を超えて05/21に最高値となる5,440円をつけました。
 リセール価格は最高値が3,700円で値動きはありませんでしたが、最安値は05/15に1,500円をつけた翌16日に2,500円に上昇しましたが、その後少し下がって、最終的に05/21に2,000円になりました。一度もリセール価格が2022年前売会員価格を上回ることはありませんでした。

SG指定(大人)(2022年前売会員価格:3,200円)

 会員価格は2022年前売会員価格より320円高い3,520円から始まりました。05/06から断続的に上昇して05/10に3,920円をつけました。05/15まで値動きはありませんでしたが、05/16から再び価格が上昇して05/20に基準価格の4,200円を超えて最高値となる4,320円をつけました。
 リセール価格は最高値が3,033円でほとんど値動きがありませんでした。最安値は05/15に1,980円をつけた後、徐々に値を下げて試合前日の05/24には1,300円になりました。

SA指定(大人)(2022年前売会員価格:2,700円)

 会員価格は2022年前売会員価格より340円高い3,040円から始まりました。05/06から断続的に上昇して05/10に3,360円をつけました。05/14まで値動きはありませんでしたが、05/15から価格を下げて05/21に最安値の2,720円をつけました。販売期間を通じて前売会員価格を下回ることはありませんでしたが、販売開始日よりも試合前日に購入した方がお得な席種になりました。
 リセール価格は最高値2,811円に変動はありませんでしたが、最安値は1,180~1,500円の間で変動がありました。

ホームA指定(大人)(2022年前売会員価格:2,300円)

 会員価格は2022年前売会員価格より420円高い2,720円から始まりました。05/10に80円上昇して2,800円をつけました。その後は05/14まで値動きはありませんでしたが、05/15から価格を下げて05/20に最安値の2,400円をつけました。翌05/21に2,480円をつけました。販売期間を通じて前売会員価格を下回ることはありませんでしたが、販売開始日よりも試合前日に購入した方がお得な席種になりました。
 リセール価格は最高値2,720円に変動はありませんでしたが、最安値は1,800円から徐々に下げて05/21に980円をつけました。その後やや持ち直しました。

川崎vs湘南戦の入場者数について

 川崎フロンターレの入場者数は、対戦相手よりも開催日に影響される傾向が見られます。2017年の最多入場者数は初優勝を決めた12/02(日)大宮戦(25,904人)でしたが、2018年、2019年はゴールデンウィークに開催されたF東京戦(05/05 24,677人)、仙台戦(05/03 25,789人)でした。一方、最少入場者数は2017~2019年はいずれも4月の平日開催の試合でした。2020年、2021年は入場制限があって試合ごとに入場可能数に違いがありますので、入場者数を入場可能数で割った収容率で比較しました。最高収容率は、2020年は08/29開催の清水戦(収容率95.96%。入場者数4,798人、上限5,000人)でした。尚、2020年は5月に試合がありませんでした。2021年は05/30開催の鹿島戦(収容率99.16%、入場者数4,958人、上限5,000人)でしたが、05/04の名古屋戦(収容率99.08%、入場者数4,954人、上限5,000人)は収容率順で2位でした。最低収容率は、2020年は仙台戦(10/10収容率75.12%。入場者数8,263人、上限11,000人)でしたが、2021年は04/14(水)開催の福岡戦(収容率69.58%。入場者数6,958人、上限10,000人)でした。
 湘南ベルマーレは神奈川ダービーの相手ですが、2018年、2019年はともに平日開催で、特に2019年は「チケットが売れない4月平日」だったこともあって、入場者数は17試合中15番目(03/02 22,475人)、17番目(04/19 19,556人)でした。2020年、2021年はいずれも日曜日開催で入場者数は4,724人、4,897人でしたが、これは入場制限があったためで、チケット完売のお知らせ(2020年2021年)が出ています。2022年の川崎vs湘南戦の入場者数は14,068人でした。平日開催で「100%収容(約22,000人)」ということも加わって、第21節終了時点で最も少ない入場者数です。

まとめ

 2022年の川崎vs湘南戦は、チケットが全席種で完売しなかった上に、入場者数も第21節終了時点で最少となりました。2017年以降の実績から入場者数が少なくなることは予想できたように思います。一方で、チケット代は販売期間を通じて2022年前売会員価格を下回ることは一度もありませんでした。ビッグデータや人工知能など難しいことはわかりませんが、少ない入場者数が見込まれる試合のチケット代が前売会員価格より高い価格を維持するという理由がわからなかったです。
 ダイナミックプライシングで「適正」価格でチケットを販売しますというのであれば、なぜ「適正」といえるのかなのか証明してほしいと思いました。しかし、ダイナミックプライシングの価格決定のアルゴリズムを公開してくれるとは思えないので、サポーターとしては、完売が見込まれる試合は後援会会員先行販売初日に購入して、完売しないと予想できる試合はリセールを待つというのが、ダイナミックプライシングでの「適正」なチケット購入方法なのだろうと思いました。

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