何色が好きかと聞かれたら
くすみカラーについてのエッセイで書いたとおり、好きな色が定まらない(基本的にぜんぶ好き)。暖色も寒色も、濃淡どちらに突きぬけていても好き。でも昔はどうだっただろう。
幼い頃はピンクが好きで、女の子!って感じの色合いに惹かれていたと思う。高校生くらいまでパステル系がなんとなく好きだったはず。流行りというやつ……? 大学生になってから原色っぽいのにもちょこちょこ目を留めるようになった。見る色の範囲が広がったのはたぶん、大学に行くときの私服を考えなきゃいけなくて、いとこからのおさがりにたくさんお世話になっていたからだ。わたしだったら買わないような服を含めてドーン!と送ってくれていた。おかげで服に困ることはなかった。ありがとうございます。
社会人になってから自分でも変わったな、と思ったのは、真っ赤な色が気になるようになったこと。その波は急に来た気がする。ネイルで赤に挑戦したりもしたし、赤いセーター、赤い靴にきゅんとなった時期。今ももちろん好きな色ではあるのだが、あれほど赤に強く惹かれたのはそのときがいちばんだった。スマホケースも赤系にしたし。自分のなかで「勝負じゃ!」侍が生まれていたのだろうか。おうおう。勝ったか負けたかしらんが元気です。
そして服の好みもだんだんと、はっきりとした色へと遷移していく。赤に加えて、真っ青やみどりのトップスにワンピース。どちらかというと赤系の割合がちょっとだけ高い気がするのだが、友人には青のイメージがあると言われることがたまにあってびっくりする。わたしって青なんだ……!
服飾品ではなくて詩歌の話をするなら、まちがいなくわたしは青を感じる作品をつくりがちだと思う。意識しているわけではなくて、できあがったものを見ると自然と青を感じてしまう(実際に青、という言葉も使う)。気のせいだったらここ全消しで……ハイ……これは作者だけの認識なんだろうか? もし歌人さんの歌にイメージカラーがあるとするなら、それぞれ読み手が受け取る色は意外とかぶったりするのかな。お互いに感じる色を言い合うのも楽しそうだな。
何色が好きですか、と聞かれることがあったら、わたしはなんて答えるんだろう。本気で考えたけれど決まらなかった。むずかしいですね……!