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最近の涙腺
もともと涙腺はゆるいほう。特に感動や共感からくるものに弱い……涙腺というと、そっちのイメージが勝手にあるけれど。
もちろん悲しいときや悔しいときも涙は出るが、じんわ~り心にくるものはもう、前後の脈絡に関係なくぶわぁと瞬間的に泣いてしまうので、なんと都合のよい涙腺であることよ!と自分に驚く。
SNSで流れてくるもののなかに、「久しぶりに再会した親子」の20秒くらいの動画があって、お互いに強く抱きしめあっているのを見ただけで涙がこみあげてきた。ずっと会えていなかったんだろうな、とかいろいろ想像して……よかったねよかったね……と心でつぶやく。海外の赤の他人だけど、どうも親子愛、家族愛には弱い。
AGT(America's Got Talent)というオーディション番組にも一時期ハマって、YouTubeで過去の動画を漁っていた。
音楽やマジック、ダンスなど、凄技を見られるだけでも楽しいのだが、たまに胸をついてくるようなシーンもある。まだ小学生くらいの子が澄んだ声で歌いあげて、終わったあとにお母さんが抱きしめにいくところとか(さっきのと似たシーンだな)、審査員からの評価を聞いて泣いてしまう人や、亡くなった友人のことを想った歌にじーんときている審査員、会場をゆさぶるスタンディングオベーション。激よわ涙腺を刺激する要素がいくらでもある。
ちなみに泣ける泣けないは関係なく、アンジェリーナ・ジョーダンという方の歌が最強に素晴らしくて延々リピートしていた。ぜひ聴いてほしいです。
直近だとオリンピックで、女子卓球シングルスの早田ひな選手が銅メダル確定した瞬間に卓球台にくずおれたときにもらい泣き。
お、テレビで卓球やってるや~んと軽い気持ちでチャンネルを変えると、なにやらすごく大事な戦いっぽくて凝視。心の底から勝ちたかった相手に負けてしまって腕も痛めちゃったあとの、もうメダル獲得にはこの試合しかない……という解説を聞いて、まったく追いかけていなかったくせに手に汗握りながら行く末を観戦。
勝ち切ってから早田選手がいろいろな思いを抱えて泣いているのを見て、悔しさも嬉しさもごちゃまぜになった感情が自分にも押し寄せてきた。悔しいという感情は、部活などでたくさん経験してきたから、勝手に共鳴してしまうのかなあ。
人の表情には、その人が思っている以上に感情があらわれる。漢字自体が「情を表す」っていうふうにもとれるし。
海外の親子再会の動画も、オーディション番組も、言葉はわからなくても、登場する人たちの表情がなによりこころに訴えかけてくる。
五輪も見れば見るほどぶわぁとなってしまいそうで(男子バレー終了後は耐えきれずテレビを消してしまった)、でも次はあと四年後なのだと思うと……やっぱり見たい。