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ピクニックの難易度

なんてかわいらしい響きなんでしょう、ピクニックって。何回も言ってるとるんるんしてくる。ぴくにく。ぴくにく。痙攣か?
映画でよくみる理想のピクニック、たとえば自然豊かなヨーロッパが舞台で、バスケットにスコーンやらティーセットやらを詰めて、ふんわりスカートでお出かけするやつ。あれをしてみたい。

これまでに何度かピクニックもどきを試みたことはあるが、やっぱり現実を見てしまう。おとなになってしまったんだね。テラス席の記事でも書いたけれど、屋外というのはやっかいな要素がひそんでいることが多くて、きりきりとくる直射日光やら、暑いとおもったら風がつめたくて肌寒かったり、もしくは涼しいと踏んだら汗だらだら、極めつけは必ず侵入してくる草や虫……防ぐに防げないものがあるのだ。

春に鴨川沿いでのんびりサンドイッチでも食べたいな、と思って朝からサンドイッチを仕込んだことがある。でもそのころ冷凍庫の無い(!)ところに住んでいたので、冷凍という発想がなく、切り落としたパン耳を食べながら作業していたら微妙におなかがふくれてしまったというお茶目な顛末に。食欲のほうもお茶目だったので、ちゃんと食べ切ったのだけど、座るところが見つからずに岩っぽいところを探して、迫りくる蟻んこたちを払いながら急いで飲み込んだ記憶。川面のきらきら、あたたかな陽射し、ゆっくりと頬張る天然酵母食パンと具材のハーモニー……のはずが、なんだか全然落ち着かなかったのを覚えている。

関東に住んでいたときは、かの新宿御苑でお花見ピクニックをしよう!ということになり、IKEAのミートボールとかビビッドカラーのドーナツと、有名なサンドイッチ屋さんのサンドを提げて、友人と連れ立って行ったことがある。百均で買ったビニールシートを広げて大盛り上がり。お隣にホンモノのインスタ女子組がいて、スタバのフラペチーノに、可憐なスイーツたちをずらっと広げて延々と写真を撮っていたのだが、何をどう見ても全部「甘」だったのと、わたしたちがもろもろを食べ切るまでずっと写真タイムだったのにびっくりした。前半の写真、全部ブレてたんかな? おいしそうなものを前に我慢できる強靭な精神が凄い、飲まないならそのフラペ引き取りますよ!と目で訴えかけたがダメだった。あとは芝生の芝ちゃんがとても元気だったから、コートやらタイツやらと大量になかよしこよししてしまって、自由の象徴のように手足を振り回しながら帰ったのもいい思い出です。どうあがいても自然は人間を凌駕する。

最近はピクニックセットをまるごとレンタルできるサービスがあるらしくて、ミニテーブルにイス、フードとドリンクまで付いてくるんですって……ちょっと気になるけど、どうしても時間制限から逃れられないのと、やはり自然との戦いに踏み切れないので躊躇している。写真で見たらすごく素敵なんだよな……きっと、映画のああいうシーンも実は大変なんだろうな……と余計なことまで考えてしまうのだった。

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