『累(かさね)』
土屋太鳳さん、芳根京子さんのW主演で映画化された『累(かさね)』。
愛用している漫画アプリ「マガポケ」で無料配信されていて、先日読了しました。
(購入していなくてすみません。紙で買います。)
映画は公開中に鑑賞しました。
存在感あふれる土屋太鳳さん、演技に安定感のある芳根京子さん、顔交換後の違う人間の演じ分けも違和感なく演じられていましたが、見せ場は何といっても土屋太鳳さんのサロメ!
踊りを見せるシーンは息をのみました、、、
予定より踊りのシーンを長くしたのにもうなずけます。
大好きな作品で、すでに三回鑑賞しました。
ストーリーは一部分でしたが、かなり原作寄りで作られていて、そこもよかったです。
有名女優だった母の形見である顔を入れ替えることのできる口紅を持った醜い顔の少女・累。
母の血を受け継いだ抜群の演技力を活かすため、美しい少女たちの顔を奪い、人生を奪い、罪の重さと醜いとわかりながらも自分を産んだ母の想いを超えたいという大きな絶望と小さな希望が入り混じるストーリー。
美しい女性とキャラの書き分けがとてもうまく、醜いはずである累の顔も愛着がわいてとても可愛らしく感じてきます。
わたしが特に素晴らしいと感じたところは台詞のセンス!
キャラが感じた語りや自分への問いかけ、とにかく伝わりやすく心に染みる言い回しに何度も読み返してしまいました。
オリジナル劇中劇、ラストにある累の自分の感情と役の感情とを重ね、本当の自分を初めて舞台上で表す場面は思わず涙が出てしまいました。
個人的にネタバレが苦手なので詳しいストーリーについてはぜひ読んでいただきたいですが、展開も秀逸で驚かされる場面が何度もありました。
スピンアウト作品として、累の母・誘(いざな)の小説を『累』の作者・松浦だるまさんが手掛けているとのことで次はそちらを楽しみたいと思います。