桜の緑茶・オレンジピールのスコーンと共に、イバラードに浸る夜
2泊3日の東京観光から帰ってきた日の夜、非現実から現実にいきなりは戻れないから、自分への東京土産を眺めて余韻に浸る。
旅行の後はいつもそうする。
私は旅行先で絶対一つは自分へのお土産を買うのだけれど、それは日常に戻っても非現実の断片を見つけるとワクワクが蘇って、また頑張ろうって思えるからだ。
緑茶は、開けた瞬間ふわりと桜のいい香り。飲んでみると、緑茶なんだけど鼻から桜の香りが抜けていく。
オレンジピールに惹かれて買ったスコーンは、よく見たら和紅茶も入ってる。シンプルな原材料で、とても美味しかった。
キャンドルを焚きながらしっとりと緑茶とスコーンを楽しむ。
三鷹の森ジブリ美術館で手に入れた「星をかった日」のパンフレットをパラパラと読み進める。
良い夜だ。
「星をかった日」は井上直久さんが描くオリジナルの世界「イバラード」を題材にした短編映画。
実際にこの映画をジブリ美術館で観たわけではないけど、この映画の存在は知っていて、妙に惹かれるものがあって、思わずパンフレットを買ってしまった。
井上さんのイバラードの絵を見ると、「空想的」という言葉がぴったりだと思った。
でも、実際は真逆だった。井上さん曰く、イバラードとはこの現実の世界、とのことだ。
空想の世界だと思っていたイバラードが現実の世界だと言われると、何だか嬉しくなった。
この世界は自分の見方次第だと気づかされた。
冒頭に「旅行の後は現実に戻る」というようなことを書いた。
この考え方を変えようと思う。
私がこの世界をこうだと思えば、本当にそうなるのだ。
自分が慣れ親しんだこの場所も、いつもと違って見えるかもしれない。