見出し画像

職場存続 切り札はシニア 「70歳雇う」企業4割 急増する労災、対策急務


労働市場で70歳以上でも働ける企業の比率は2022年に4割となり、この10年で2倍になった。

人手不足解消に向けシニアの活用が欠かせないが、60歳以上の労災の発生数は22年に約3万8千件と5年で26%増えた。

シニア人材をさらに増やし、国力や産業競争力を維持するためにも、労働条件の改善に向けた政府と産業界一体の取り組みが待ったなしだ。

産業別で21年に高齢者の労災死が最も多かったのは建設業で、前年比25人増の112人。足場組み立て作業中の落下など墜落事故が多かった。

高齢労災死増加の背景には、高齢者人口の増加に加え13年度以降の厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げなどを受け生活費のため働く人が増えた実態がある。

高齢者が、厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げを受け、生活費を稼ぐために働き続け、怪我をして労災がおり、現役世代からその保険金を徴収するというのは、なんとも皮肉な話だ。

企業は高齢者雇用継続・採用を進めるだけでなく、高齢者への健康教育や高齢者雇用時のリスク管理などの対策を早急に行ってほしい。

(日経iThink!6期生 井上麻衣)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?