電気自動車(EV)の国内普及率を上げるカギとは
▼日経新聞要約
EV充電車の高速道路の一時退出追加料金不要
国土交通省は電気自動車(EV)を充電するために 高速道路を一時的に出入りする場合、
追加料金を取らない新たな課金制度づくりに
着手する。
EVの本格的な普及を見据えた措置で2024年度の導入を目指す。
一般道と比べ充電器の設置場所は限られ、
急速充電でも1台分のフル充電には30分かかり、
交通量の多い週末や連休だと充電待ちの渋滞を引き起こしやすい。
▼日本と世界のEV普及率は
EV普及率の遅れをとる日本
世界の大手自動車メーカーが電気自動車(EV)にシフトする中、日本の自動車メーカーは遅れをとっているとされる向きもあるが、各社とも次世代⾃動⾞戦略として電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)の強化を着々と図っている。
EV普及率の遅れの要因
遅れをとっている要因として、車両価格の高さ・航続距離の短さがある。
車両価格の高さは、電気自動車用の電池が高額なことが理由だ。クリーンエネルギー自動車補助金は最大42万円でガソリン車との価格差を埋めるほどではない。
航続距離の短さは、バッテリー容量を大きくすることで解決しつつあるがバッテリー充電に時間がかかるという課題は解決されていない。
海外のEV普及率
ではなぜ、海外では普及が進んでいるのだろうか。
アメリカの2022年(1〜9月)の新車販売台数に対するEV普及率は約5.6%に上っている。
環境問題への関心が高いこと、ZEV規制が2035年までにカリフォルニア州で開始されることを目標としている。
この規制では、2035年までに段階的にEV・PHEVの割合を高めていくことが求められており、
さらに普及率は高まっていくことが予測される。
また、ニューヨーク州などもカリフォルニア州に続き同様の目標を定めている。
次に、EUを見てみる。
2021年(1〜12月)におけるEU全体の新車販売におけるEV(BEV)のシェアは9.1%に上る。
これは「CAFE(企業平均燃費)規制」(※)が
2020年1月1日から始まったことに加え、
コロナ禍でも引き続き購入補助金などの優遇策が
維持されたこと、そしてEVラインナップの拡充により選択肢が広がったことが理由といえる。
ちなみに、EU加盟国ではないものの、EVの普及がもっとも進んでいる国のひとつとしてノルウェーがある。
ノルウェーでは2021年の新車販売台数におけるEVの占める割合は約64.5%7)に達している。
ノルウェーは、国策としてEV普及を強く後押ししているほか、自動車メーカーがないため、ガソリン車からEVへの移行がしやすい、人口が少なく国民の理解を得やすい、といった背景もあるようだ。
中国の2021年(1〜12月)のEV販売台数は約291万台で、販売割合は約11%に上る。
また、2022年1〜9月は、約18.4%を占めるまでに
成長している。
中国では電動車両をNEV(New Energy Vehicle=新エネルギー車)と呼び、自動車メーカーに販売台数の一定割合をNEVにすることを義務付ける「NEV規制」を実施している。
中国は、自動車産業国としては後発であるため、
EVを推進し、先進国と競争する力を得ようとしている。
各国の高いEV普及率の要因
海外のEV普及が進んでいる国は、EV車購入時の支援策が日本より充実しているか、国策としてガソリン車への規制を進めているかのいずれかだ。
アメリカやノルウェーに関しては他国よりも、国民の環境問題への関心が高いこと・国民の国への理解が高いことが伺える。
日本のEV普及率を上げるには
日本の国内EV普及率を上げるためには、高速道路の一時退出追加料金不要だけでなく、補助金の上限引き上げや規制を進めるべきではないだろうか。
※「CAFE(企業平均燃費)規制」で求められる燃費は、約24.4km/L。この数字をガソリン車だけで達成するのは難しく、そのため各メーカーは走行中のCO2排出がゼロであるEVに力を入れている。
参考文献
日経iThink!の活動で習慣化した、「日経新聞の要約」で気になったことを調べてまとめてみました。
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