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TPP11に英が加入するメリット・中国と台湾が加入できない事情とは
日経iThink!6期生 Maiです。
ここ最近、衛生管理者第二種の資格勉強をしていましたが、
ひと段落し、現在は来月10月の日経テストに向けて勉強を再開しました。
育休中に国家資格 衛生管理者第二種(2023/9/9)受験しました。|井上 麻衣│#日経iThink 6期生│#日経テスト対策 (note.com)
日経テストが昇格要件なので、頑張ります!
TPP11とは
TPP11とは、環太平洋地域11ヵ国(日本・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・マレーシア・ベトナム・ブルネイ・メキシコ・チリ・ペルー)が参加する経済連携協定(EPA)。
2016年2月にアメリカ含む12ヵ国がTPP協定に署名したが、2国間協議を重視するアメリカが17年1月に離脱し、11ヵ国で協議を進めてきた。
域内人口約5億人(世界の約7%)をカバーし、国内総生産(GDP)は11兆ドル規模(世界の13%)を占める巨大経済圏で、21年2月にはイギリスが加盟申請し、拡大に向けて動き出している。中国・台湾も加盟意向を示す。
イギリス加盟で何が変わる?
イギリスの参加は、これまでインド太平洋を囲むアジア中心の構成だったTPPが欧州の先進国も含めた枠組みになる点で意義がある。
英国にも欧州連合(EU)離脱後に国際社会で存在感を示すうえで、アジアとの連携を深めたい考えがあった。「インド太平洋地域への関与強化」はEU離脱後の英国の目玉政策のひとつだった。
英国が入ることでTPP加盟国の国内総生産(GDP)の合計額は11.7兆ドル(約1600兆円)から14.8兆ドルに増える。世界全体のGDPに占める割合は12%から15%に拡大する。貿易総額は6.6兆ドルから7.8兆ドルに増え、総人口は5億1000万人から5億8000万人ほどになる。
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中国や台湾の参加申請はどうなる?
TPPには中国、台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイ、ウクライナが加盟を申請している。加盟には全参加国の同意が必要となる。悩ましいのが中国と台湾の扱いだ。
台湾統一を目指す中国と台湾の共存は難しい。加盟交渉をどう進めるかを巡って、現状は加盟国の間に共通認識はない。中国が先に参加すれば、台湾が加わるのは困難になる。台湾が先になれば、中国が激しく反発するのは間違いない。
参加国からは中国の巨大市場にアクセスしやすくなることに期待する声が上がる。日本をはじめ慎重な姿勢の国もあり、各国の意見集約は難航が予想される。ある交渉関係者は「参加に向けた協議開始をできるだけ遅らせた方がいい」と話す。
協議入りしたとしても道のりは平たんではない。TPPが定める厳しい自由貿易の基準を中国が満たすのは難しいという見方が多い。TPPは国有企業優遇の縮小・撤廃、環境配慮や労働者保護をうたう。
中国に関しては不透明な政府補助金や進出企業への技術移転強制といった問題が指摘されている。TPPの厳格なルールを中国が本当に守れるのか、疑問に感じる参加国は少なくない。
離脱のアメリカの回帰はあり得るのか?
離脱したアメリカはどうなのか。「当面は戻ってくることはないだろう」というのが多くの交渉関係者の見方となっている。離脱を表明したトランプ政権は代わったものの、現在のバイデン大統領が支持基盤として重視する労働組合はTPP参加に反対している。野党の共和党にも否定的な意見が根強い。
イギリスにとってのメリットは?
一定割合を協定の域内で加工・生産すれば関税を優遇する「原産地規則」がイギリスの自動車メーカーなど輸出企業の追い風になる。
輸入に関しては、日本のコメの関税撤廃のほか「チリやペルー産のフルーツジュース、メキシコ産の蜂蜜やチョコレートを英国の消費者が安く買えるようになる」。
サービス分野では「イギリス企業が現地に事務所を設置したり、居住者になったりする必要がなくなり、現地企業と同等に事業ができる」と強調した。
イギリス政府は想定される2024年発効に向けて必要な国会手続きなどを進める。
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