フラホル3年を振り返る
自分の意見をまとめたいのもあり、また、他の当事者さんと交流したかったのもあり、あえて書いてみようと思いました。
読んでいる人は当事者だけだろうと思うので略称は特に説明せずそのまま書きます。
私について
30代前半のMtF(MtX)です。トランス女性とか、Xジェンダーとか、色々言い方はあると思いますが、私が自覚し始めた頃にはどの言葉もまだなかったように思います。LGBTという言葉すらあまり知られていなかった頃です。
残念ながら素質はない方で、トランス開始前、生まれてから女の子に間違えられたことは一度もなく、顔は長い方、体は別に小さくもなく、髭も濃く、声も低く、まあ最悪です。というわけで自殺未遂も過去ありましたが、何とか生き延びて今に至ります。
診断
20代の頃にジェンクリでGID(診断当時)と診断されていますが、いわゆる中核群ではなくて、成長と共に、特に第二次性徴で違和感が強くなったグループです。色々あって診断自体も遅れてしまいました。また、色々な事情(ここでは書きませんが)のため、この際は治療していません。
なお、恋愛対象の多くが女性であったり、また自分が男性と肉体的な関係を持つことに対する強い不快感があったのと、正直AGっぽいところがあり、それもジェンクリで素直に話しましたが、性違和で精神状態を崩したりを何度もくりかえているので、GIDで特に矛盾ないでしょうということでした。(とはいえ、恋愛対象については、今となっては自分の身体に対する嫌悪感から、男性の多くを無意識的に嫌っていたのかなとも思います。後から考えると、性別に関係なく、私は恋愛感情と友情との区別があまりつけられないようなのでした…)
精神状態を崩したというのは、私は背も低くないし、顔も女性らしくもないし、自分なんか治療しても無理だろう、変な化け物みたいになってしまうだけだろうと思って、絶望していたのもあります。
ちなみに、この時の通院は全て女装で行ったので、ある意味RLEだったかもしれませんが、ノンホル女装でのRLEは、一般にかなりきついものがありまして…。
フラホル
ブラホルまでにも何もしていなかったわけではなくて、ヒゲ脱毛などしていました。そのうちに、コンシーラで隠さなくてもよくなりました。
現実と帳尻を合わせながら何とか生きていましたが、20代の終わり頃から限界が来て、自傷的にフラホルを始めました。ただ、中途半端と言われてしまうかもしれませんが、経口のホルモン剤は当初から無使用です。肝初回通過効果を考えると、肝臓に影響が出るだけでほとんど女性ホルモンとして機能しないのはわかっていたので、パッチ剤で始めることにしました。
ホルモンを始めるにあたって不安だったのは「見た目が変化せず、胸だけ出てきたらどうしよう」というようなことでした。
ホルモン治療
初めは、いまや発売中止になってしまったクリマラを使っていました。クリマラ50のみ使っていましたが、当初はこれでも変化があり、胸が結構チクチクしました。このチクチクが我慢できずにブラジャーを保護的につけ始めました。以下はホルモンであった変化をそれぞれまとめたものです。
変化①バスト
あんまり大きくはないのですが、それでもこちらの論文見る限り、胸が成長していない人が信じられないほど多いので、自分はまだ成長した方ではないかと思います。
数ヶ月経った頃、夜横になった時に脇の辺りに、なにかが詰まってスッキリしないような違和感が出てきて、胸が成長してきた、ということに気づきました。ちゃんと計測してなかったので、いつどれくらいかはよくわからないのですが…。
初めは胸が欲しくて始めたわけではなかったのですが、いざ出てくると嬉しくて、不思議な感じでした。
胸の測り方は、特にトップバストが、そのまま測るのか、ブラつけて測るのか、それとも腰を90度折り曲げて測るのか、測り方によって結果が当然違うためよくわからないのですが、Cカップくらいだと思います。ただ、MtFにありがちの離れ乳やアンダーバストの太さが問題で、ブラしないとそんなにあるようには見えません…。
ホルの量はその後、クリマラ100にして、さらにジェル足してみたり、クリマラ販売中止後は他のに切り替えたりなどしていますが、鬱になってホルモンまともに使ってない時期も度々あるのでなんとも…。また最近しっかり使ってみたら少し胸がチクチクするので少しだけ期待していますが…。まあここから先はあまり期待はしていません。
変化②顔
また、一番心配していた顔については、皮膚についてはすぐに変化が出て、男性的な油っぽさはなくなりました。ただ、顔自体についてはあまり変わらず(※ホル前ではなくて、死んだような生きてた頃のブ男時代と比べると格段に変わりましたが)、ホルがパス度に貢献したかどうかは、正直自分ではあまり変わったように見えませんでした…。ただ、もともと顔は、長いんですが輪郭は丸めの顔でしたのでわかりにくいんですが、それでもホル始める前の写真と比べると、どことなく丸いというか、頬あたりが多少ふっくらしたかなあ、という気はします。
パスとは違いますが、仕事で関わっていた女性に、「男性だと聞いていたけど、会ってみたら女性みたいでお綺麗でびっくりしました」と言われた時は少し嬉しかったです。
変化③制欲減退
性欲は減ります。私はほぼ卵胞ホルモンしか使っていないので、黄体ホルモン使っている人からしたら減らないはずなのですが、それまで猿のようで自己嫌悪状態だったのが、本当に減りました。心も綺麗になった感じがしますよ。
変わらないもの
とはいえ女性ホルモンは魔法の薬じゃないので、骨格には無力です。また声も変わりません。
私は地声が低いため、地声でパスは初めから諦め、女声が出せるように練習しました。これは10代終わりの頃から練習して、半年くらいかな、それくらいで感覚をつかみました。裏声を出すと某ミッキー鼠みたいな声になると思いますが、あの声よりも喉を開く感じというのか、多少は自然な声になりました。ただ、大きな声で話しにくいことと、その状態で低めの声を出すのと地声になってしまう時があるため、なかなか難しいです…。
ヒップについては、MtFの多くが変化を感じたという部分なのですが、私はあまり感じず…。計測してみても、体重から見て男性平均しか今もないので、元々あんまりお尻に肉はつかない体質なのかもしれません。
まとめ
ホル使ったからというだけで変わる要素は少なくて、私の場合、その前の努力(脱毛にしろ、あまり詳しくは書きませんでしたが、一般的な美容とか)が大きかったような思います。ここから果たして女性に移行できるかというと、難しいのですが…。