【生きづらさ解消のための実践法④】執着しない、すべて無常と心得る
お金への執着と自分の気づき
最近、自分がお金に執着していることに気づいた。
受け取れると思っていたお金が受け取れないかもしれないと分かったとき、心が大きく乱れた。そのとき、以前どこかで目にしたこの言葉をふと思い出した。
「人は得たものよりも、失ったものの方が強く記憶に残りやすい。」
確かにその通りだと思った。今回、私は「損をするかもしれない」と感じて動揺していたが、よく考えれば、これまでの人生で得してきたこともたくさんあった。
そこで、過去に「得をした」と思える出来事を数え始めてみた。すると、その数は予想以上に多く、数えているうちに動揺していた心が徐々に鎮まっていくのを感じた。
さらに視野を広げると、今の私は健康で、衣食住にも困っていない。それだけでも十分に幸せだと気づいた。そう思うと、お金に関する問題など本当に些細なことだと感じた。
動揺していた過去の自分
少し前の私は、こういった出来事があるとひどく動揺し、「大変なことが起こった」と捉えていた。ただそれだけで心が乱れ、周囲の人に素っ気なく接したり、不機嫌な態度を取ったりしていた。
そのときの自分は、「私は動揺しているんだから、今はひどい態度を取っても仕方ない」と心の中で言い訳をしていた。けれど、今振り返ると恥ずかしく思う。
誰かがこんなことを言っていた。
「出来事そのものには良いも悪いもない。ただ、それをどう判断するかだ。」
今回の私は、「大切なものを失う」と判断したからこそ動揺したのだ。この言葉を思い出して、「お金に執着しすぎていた自分」に気づいた。執着を手放してみると、それが「どうってことない出来事」に思えてきた。
執着を手放すことの大切さ
「お金が少し無くなったとしても、今の自分には健康もあるし、家もある。目立った困りごともない。これで十分じゃないか」と考えられるようになった。すべては「どう判断するか」にかかっている。
よく「怒らせる奴が悪い」と言う人がいるが、これは間違いだと思う。人が怒る原因は周囲ではなく、その人自身にある。出来事を「腹立たしい」と判断したのは自分自身だからだ。
このことに気づいてから、物事に振り回されることが少なくなった。瞬間的に怒りや悲しみが湧くことはあるが、それも「自分の判断が引き起こしたもの」と分かれば、外に原因を探す必要はなくなる。ただ自分の内面を見つめるだけでいい。
無常
世の中のすべての出来事は「無常」、つまり変わり続けるものだ。良い出来事も続かないし、悪い出来事も続かない。
たとえば、良い状態がずっと続くものと思っている(執着する)と、それを失ったときに深い苦しみを味わう。同じように、悪い出来事が続くのではないかと恐れると、不安に押しつぶされてしまう。
しかし、これらを良いとも悪いとも判断せず、「全ては無常で、長くは続かないものだ」とフラットに捉えていれば、心の平静を保てる。一時的に心が乱れることがあっても、「自分が乱れている」と気づき、目を閉じて内面を見つめることで、再び平静を取り戻せる。
最後に
誰も、何も恨む必要はない。外に自分を傷つける人や脅威は存在しない。すべては自分の内面が引き起こすことで、自分がどう判断するかによるからだ。この考え方を身につけたことで、私は生きることがとても楽になった。
「執着しない」ということを意識して生きていくことで、良いことがあっても、悪いことがあっても、それに振り回されることはない。すべては一瞬の出来事であり、次の瞬間には新しい風景が広がっている。それを楽しみながら生きていきたい。