静かに炎を燃やす芸術家
カミーユ・クローデルという、一人の美しくも儚い芸術家に、大学生の頃、私は恋をしました。情熱的で激しくロダンを愛し、裏切られ、精神病院に入院してからは、ロダンへの気持ちがことごとく崩れていく様を弟のポールに宛てた手紙に書いています。芸術家は生涯、純粋でなければならないのではないかと思うのです。
カミーユの若かりしころ。何を見つめているのか、探し求めているのか。
真ん中の作品は少女たちの声が聴こえてきそうです。一番下の作品が個人的には一番好きです。人生に疲れはて、しかし暖炉の灯火のような光を静かに求めている、カミーユクローデルのような気がしてならないのです。
(写真引用 府中市美術館)