【UoP016】Peer Assessmentの功と罪、そして必要な心構え
UoPeopleに入学してから、何なら木~金曜日が週末、っていう感じになっています。UoPeopleの課題は木曜日の13時55分(日本時間)が締め切りになっているものが多く、働いている人にとっては水曜日の夜が山場で、木曜日にちょっと一息つくことが多いのですよね。で、金曜日あたりに次の週の課題を「どれどれ…」と見て、土日に頑張れるだけ頑張る(頑張り切れない時は月火水の夜が勝負)、みたいな感じが多そう。
決戦は木曜日(の午後)。
で、UoPeopleの学生にとってこの木曜日というのは結構ピリピリする日です。何故なら、UoPeopleの名物ともいえるPeer Assessmentの評価がリリースタイミングだから。
木曜日の13時55分から10分すぎた14時05分以降、クラスメイトが評価してくれた結果がおもむろに公開されていきます。スクショ貼るとこんな感じ。
100点満点のうち90点がGrade for submission、つまり「自分の答案に与えられた点数」で、残りの10点がGrade for assessment「他人の評価をちゃんとやったかどうかの点数」です。
この画像でいくと、自分の答案は90点満点で73.58点なので、%表示にすると81.5点くらいという感じでしょう。Term(学期)を通じて80%以上のスコアを揃えられればB-以上の評価がもらえるので、「まあいっか」のレベルではあります。ありますが…個人的には前回書いたコツに則って満点をとれるようにしてあるので、ちゃんと評価してくれないのは不満が残る。
もし不満がある場合は教授に申し出て「再評価してくれ」と頼むと、しっかり評価をしてくれます(もちろん、再評価が却下されることもあるし、シア評価の結果、評点が下がってしまうこともあると聞きました)。私の場合は「ルーブリック(評価表)」をチェックしながらレポートを作っているので、教授に頼めばもれなく上方修正してくれます。スクショ貼るとこんな感じ。
毎週木曜日の午後になると、UoPeople学生のTwitterはそこそこ荒れますw「またPA(Peer Assessmentの略)で変な評価つけられた…やれやれ」みたいなツイートが増えるからです。かくいう私も毎週のように愚痴りますw
ということは、学生は総じてこのPAの仕組みに「不満」を持っている部分が多いんじゃないかな、という推測も成り立ちます。個人的にPAの仕組みの功罪を考えるとこういう感じになります。
Peer Assignmentの功
まずは功の部分。
①PAの仕組みこそが低コスト化の秘訣である
UoPeopleは低コストで学べる稀有な大学です。学生同士が評価しあうという仕組みは、このコスト削減に大いに貢献していることは間違いありません。だから、UoPeopleがPAの仕組みを撤廃する可能性はめっちゃ低い。
②クラスメイトの答案を見るという「学び」になっている
コストだけでなく、実はこの仕組みは学習の効果もあるのです。レポートをお互いに見る機会は、オンラインで直接顔を合わせることのない学生たちにとっては非常に貴重。優秀な人の答案は非常に参考になるし、ネイティブ(であろう人)の英語の言い回しも「へぇ~」と思うことがあります。
Peer Assignmentの罪
罪の部分はこんな感じです。
①不当な評価のリスクが常にある
答案の採点は基本的にanonymous(匿名)なので、被評価者も、評価者も、お互いが誰かを知りません。これは個人名+人種+国籍を採点結果に反映させないための措置であり、必要なものだとは思いますが、かえってこれが匿名ゆえに残酷な評価を可能にしている面もあります。また、手抜き評価(よく考えずに適当に高い点をくれる行為)もきっとあるんだろうと思います。
②インストラクターとのコミュニケーション量に差が生じる
で、不当な評価を受けると、先ほど紹介した通り教授に直訴するわけです。先ほどの80%程度の得点率なら、多分半数くらいの学生は直訴してこないだろうと思いますが、私がそれでも直訴する理由の一つに「インストラクターと直接コミュニケーションをとる機会そのものがUoPeopleでは貴重だから」ということがあります。再評価時にインストラクターがしてくれるフィードバックは、学生のそれよりも的を射ていることが多いですからね。
でも、インストラクターから見ると「よく接触する生徒」と「そうでない生徒」とでは愛着が変わり、点数も変わってきます(…皮肉にもそういう傾向があるという調査結果をほかでもないUoPeopleで知ったのです)。これが遠回しに評価の格差を生む可能性は否定できません。
じゃあ、どうするの?心構え
どんな教育の仕組みもメリットと一緒にデメリットを抱えています。なので、学ぶ側に必要な姿勢は「メリットを最大限に享受しつつ、デメリットに賢く対応すること」に尽きます。
心構え① これは「学びの機会」であると割り切って謙虚に受け止める
インストラクターが評価を修正してくれるという救済措置がある以上、PAは評価の最終手段ではないわけです。むしろ、「評価してくれている人も、自分と同じように学んでいるんだ」という意識を持つことが大事です。
中にはいい加減な評価をする人も残念ながらいますが、(少なくとも私は)なぜその点にしたのかを自分なりに説明するようにしていますし、そういう学生はほかにも多くいます。答案を読んでくれた人のメッセージは少なからず「一理ある」点が多いので、是非参考にすべきです。
心構え② 何点以下なら直訴するか?という線引きをしておく
その上で、自分のポリシーを持ちましょう。個人的にはすべての科目をA-以上で終えたいという気持ちがあるので、私は90%以上の得点率が確保できていない時は直訴することを検討しています。
いっぽう、卒業に必要なのは「各科目70%以上」かつ、全科目のトータルで80%相当のグレードを確保していればいいので、もっと緩いポリシーの人も少なくないと思います。
心構え③ 前提として、自分の評価を客観的にする
私のように「90%以上の得点率」を直訴のラインとしているのであれば、提出する答案は「絶対に90点以上取れている」というものにしないといけません。UoPeopleではルーブリック(評価表)が事前に公開されているので、それに基づいて答案を作れば、理論上は100点が取れるようになっています(教授が私の答案を満点に修正してくれたのも、ルーブリックに当てはめたら満点にせざるを得なかったからだと思います)。ので、ルーブリックを駆使して、自分の点数を確保した状態で答案を提出しましょう。