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【UoP018】コンサル時代に培った超速文書作成術で、週4時間で単位を取った話。

【UoPxxx】と番号が振られている記事は、元々University of the People(以下、UoPeople)に通っているアラフォー社会人が書いている雑感的なシリーズなのですが、今回に関しては仕事上のハック的な要素も含んでいますので、UoPeopleに興味のない方も良かったら読んでみてください。ちなみにUoPeopleというのは、激安で学位が取れるオンライン大学(院)です。興味を持った方はぜひGoogle先生に色々尋ねてみてください。

まずは前提の話。

University of the Peopleでは、1コースに必要な学習時間を「1週間当たり15時間程度」としています(よかったら過去記事ご覧ください)。が、これって簡単なようで意外と難しい。残業時間で言えば週15時間というと月に60時間ですから、毎日定時で帰れる人が「それなりに残業の多い職種」に変わるようなノリですね。でも、仕事だっていつもそんなにお気楽な時期ばかりではないわけで、働きながら大学院留学などしていると、どうしても時間がないときがあります。

UoPeopleでは毎週何らかの課題が課され、締め切りまでに提出するというリズムを持たなくてはならないわけですが、日本での働き方って基本的に「月初・月中・月末」と「年度末」などといった形で忙しさに波があるものなので、それぞれの忙しいリズムが重なると、大学院の課題を限られた時間でこなさなければならないこともちょいちょいあります。

今回紹介したいのは、じっくり腰を落ち着けて勉強をしたいという方向けではなく、限られた時間でどうにか課題をこなさなければならない時に、どうやって時間を節約するか?という手法です。これは、常にいくつかのプロジェクトをパラレルに走らせていたコンサル時代に自分なりに勉強し、また工夫してたどり着いたノウハウを生かしたものなので、UoPeopleにいてもいなくても多少なりライフハック的な要素を持っているんじゃないかと我ながら思います。

一般的な順序はたぶんこう(インプットしてからアウトプット)

UoPeopleでは、1週間単位でLearningGuideが出されます。週によりますがその内訳は、
・Reading Assignment(課題図書みたいなやつ)
・Discussion Forum(ディスカッション形式の課題)
・Writing Assignment(レポート形式の課題)
・Portfolio Activity(課題の振り返り)

個々の課題では、文献からの引用を多少なり織り交ぜないといけず、それを怠ればそれなりの点数しかもらえないようになっています。したがって、時間がしっかりあるのであれば、

①ReadingAssignment(課題図書)をしっかり読む
②それぞれの課題について、教授から出されたお題を読む
③お題に沿って課題図書を読み直し、エッセイを組み立てる
④ルーブリック(課題の採点基準のようなもの)を見てエッセイを整える
⑤エッセイが完成したら参考文献リストを作り、一式を提出する

…という順序を踏む必要がある、とほとんどの学生は思っているし、実際にその順序を踏んでいる学生が多数だと思います。

かくいう自分も、せっかく好んで大学院に入っているので、しっかりとインプットをしてから課題に臨んだほうが良いという思いもあります。…が、普通に考えてこの方法にはいくつかの欠点があります。

欠点① 時間が足りない
欠点② 結果として十分な成績が取れない

僕の順序はこんな感じ(アウトプットすることを決めてからインプット)

…というわけで、自分がどんな順序で毎週の課題に取り組んでいるかをざっくり書きます。

①それぞれの課題について、教授から出されたお題を読む
②ルーブリックを見ながら、仮説でいいのでエッセイの大まかな段落構成を考える。
③ReadingAssignmentをつまみ読みする。②でピックアップした項目に当てはまるものが文献中にあればハイライトを入れ、並行して参考文献リストを作る。
④②で組み立てた段落構成に従って文章を書く。
⑤一式を提出する。

要するに、「論文を読む前に、ある程度答えを考えておいて、その答えを後付けで論文から探してくる」という順序をとっているわけです。実はこれは、一般的なコンサルティング会社で新入社員研修でたたき込まれる「仮説検証プロセス」に似ています。

ちょっと例を挙げてみます。

お題: 教育を妨げる最大の要因は何だと考えていますか。

これに対して、一般的な順序と僕の順序を比較してみます。

一般的な順序の場合:
① まずは一通りReading Assignmentを読む。
Reading Assignmentとして指定された読み物では、世界中で「教育の不平等」が起こっている事実をたくさん挙げてくれています。例えば貧困・児童労働・難民といった要素から、ジェンダーの差による教育機会の差に至るまで。
②その後、お題を見て、Reading Assignmentの内容を思い返しながら自分なりの考えを組み立てる。
すでに内容は頭に入っているので「どれにしようかな…」と考えれば組み立てはさほど難しくありませんが、外国語の文献の記述をはっきりと覚えていられる人は非常にまれなので、ほとんどの日本人の場合は何度かReading Assignmentを読み返す羽目になると思います。
③文章を書いて、ルーブリック(採点基準)をもとにちょっと内容を整える。
ルーブリックには、例えば「根拠を3つ以上あげて詳細に記述してあれば●点」といった採点基準が書かれています。理由が足りないとなればもう少し文章を肉厚にしなければなりません。
④参考文献リストを作って、提出。
文章のなかで引用したものについては、どの文章から引用したものかをその都度明らかにしないといけません。それをAPA方式と呼ばれるフォーマットで整えて提出します(この作業を怠ると論文が「剽窃=パクリ」と認定されて、ひどい場合は一発退学になるので要注意)。

いっぽうで、僕はこんな順序で毎週やっています。

①最初にお題とルーブリックを見る。
この時点で、最大の要因とその根拠3つを書き出します。
・最大の要因…教育制度が各国によって異なり、そしてその成果もまちまちなのであれば、教育を不十分にしている要因はほとんどが政治的な面から説明できるだろう。
・根拠3つ…政治の腐敗指数と識字率の関連性をデータでとってみようかな。あと2つくらいはReadingAssignmentにヒントがあるだろう。見てみるか…。

②ReadingAssignmentをつまみ読みする。
ReadingAssignmentのリスト(タイトルと1~2行の内容説明)を流し読みします。…なるほど、貧困・難民・児童労働あたりは政治的なアウトプットが足りない、ということから説明がつくだろうな、この辺の文献を読んでみるか(逆に言うと、この時点でジェンダーギャップに関する文献は読まないという決断をします)。なお、文献を読むときに使うのが「スキミング」とか「スキャニング」といわれるテクニックです(今回はボリュームが大きくなってしまったので詳しいことはまた書きます)。
読み進めていて引用できそうな文に出会ったら、すかさずそれをハイライトしておきます。そして、ハイライトした文はどうせあとで引用することになるので、この時点で参考文献リストを作り始めてしまいます。

③①で組み立てた内容に沿って書く。
自分で組み立てた構成に乗っかればいいので、書くのは簡単です。自分の意見を裏付けてくれる論文やデータを上手く引用しながら書いていきます。

④提出する。
もう既に文献リストは出来ているので、後は出すだけ(厳密にはここでGrammarlyのチェックをかけて文法上の誤りを取り除いておきます)。

メリットとデメリット

僕のやり方にはいくつかのメリットとデメリットがあります。

メリット① 時間が全然かからない
冒頭に書いた通り、本来UoPeopleでは15時間/週の学習を推奨していますが、私はせいぜい4~5時間で毎週の学習を終えています。なので次のTermからは2コースを同時履修するつもり。

メリット② ハイスコアを狙える
時間を節約しつつも、答案の採点基準を意識して最低限のことをやっているので、実は闇雲に読んだ文献からエイヤーと引用するよりもずっと点数は高くなります。前回記事のようなミスをしなければ、各回の課題はそれなりの高得点をとることができます。

デメリット① 学びの範囲が狭まる
最大のデメリットはここですね。例えば先ほどの例に則れば、ジェンダーギャップについて具体的な文章を読むことはできませんでした。ただ、本当に興味がある項目なのであれば、後から読むのは自由ですので、今じゃなくてもいい、と言えばいいのかも。

デメリット② 実はけっこうコツがいる
この手法自体、コンサルタント時代に自分が鍛えてもらった手法をもとにしているわけでして、誰にでもすぐに出来るスキルかというとそうでもありません。先ほどの例で「政治的な要因」という目星がつけられたのも、PEST分析というコンサルのフレームワークを知っていたからです。ただ、どなたでもこの手法による勉強法を繰り返していけば、おのずとその手のスキルは伸びてくるはずです。

生涯学習が必要な時代だからこそ、学ぶ能力を高めよう

今思えば、上述のスキャニングやらスキミングというスキルは、大学一年生の時に「Study Skills」という英語の科目で学んだものでした。当時はただの「英語」としかとらえていなかったのですが、今この時になって振り返るととても有意義な授業だったんだろうと思いますし、まさに「Study Skills(学ぶ能力)」を伝授してくれていたんだな、と今さら感謝する次第です。

私のように大学院にまで通う人は珍しいとしても、生涯を通して学びを続けなければいけないことはほとんどの人に共通することだろうと思います。

そんな時代にあって、私たちが「効率よく学ぶ力」を持つのは、とても大事なことです。私もせっかくの機会なのでUoPeopleでの勉強を通して自分の学びの力を磨いていこうと思っております。

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