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11. 恋と愛の違いを考えたい3本

社外のプロジェクトで同じチームにいるKさんからのリクエスト。

「愛と恋の違い」が分かる(について考えさせられる)ような3本、ぜひお願いします!

どーしたんですかね、なんかあったんですかね笑 そしてこの問いの答えを持てるような人生を歩んできていない自分としては、これこそ映画のチカラを借りて受け流すしかない所存でございます。映画ではかなり普遍的なテーマとしてよく扱われる問いだと思うんですけど、その分、こすりつくされちゃって新しさを切り出すのが難しいテーマになってるっちゃあなってると思います。見る人もこの手のテーマっぽい空気が映画からかもし出ると、「あるよねー」みたいなそれっぽい感想をさくっと抱いて深いとこまで刺さんないで脳が次いっちゃうというか、まあ僕がそうだったので、そうなんだろうなあと思ったり。なので、ストレートな着地のものから、ちょっとひねったものまで3つで並べてみましたです。

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カフェ・ソサエティ

2017年公開
監督 : ウディ・アレン
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華やかなハリウッドに憧れ家を出た青年が、社交界と二人の女性に揉まれて変わっていくお話。時間ってあっという間に進むけど絶対戻んないよねっていう。まさにたらればストーリーで、なかなかしんどいわけだけど、もうどうにかこうにか「いま」を肯定して前を見るしかないよねっていう話なんでしょうね。理不尽なことも、そんなバカなって言う展開も、何事だって起こりうるからこそ、心の持ちようだけなんでしょうね。軽妙に止まらずにサクサクと進む短い映画で、やっぱり最近の作品の方がウディ・アレンは好き。最後の遠くを見る目が、うわああって感じで、鳥肌立ちました。この映画から見えてくる恋と愛の違いは「今を見るのが恋。未来が見えちゃうのが愛。」ってことかと。着地としてはストレートというか、これ以外ないよねっていうスタンダードをウディ・アレンが今更ちゃんとやってっていう作品でした。

ラースとその彼女

2007年公開
監督:クレイグ・ギレスピー
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内気で人と関われない男と、彼に出来た”彼女”とその周りの人々とのかかわり合いのお話。人と人が関わる事について、人が人のことを大切に思う事について、なんか、考えさせられました。ラースは本当に一生懸命にラブドールの彼女を愛して、愛していく中で、愛することについて気づいていく。それが、彼女を”死”に向かわせることになるのだけど、なんか、よかった。なかなかにふざけたプロットながら、深いテーマで。 まあでも全体的に笑える構成なので、その軽さもよかったね。佳作。途中、彼女が彼女として自分の人生を存在させていく展開からが素晴らしいですです。この映画から見えてくる恋と愛の違いは「恋は自分のもの。愛は相手のもの。」ってことかなあ。手を離れていてもつながっている感覚を信じることが、愛なのかと思いました。

ルビー・スパークス

2012年公開
監督:ジョナサン・デイトン & ヴァレリー・ファリス
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スランプに陥る若手作家と、突如現れた不思議な女性との同棲のお話。リトルミスサンシャインの監督と、ポール・ダノの醸し出す、ふわふわしたいい意味で浮世離れした空気がやっぱり好きでした。ただこれは、個人的には、結構怖い話だったなあと。人は自分が知らないうちに、どれだけ、他人のことを頭で勝手に拵えて、当てはめて、それにすがって、人とコミュニケーションしているか。そしてそれが上手なことをもって「コミュニケーション力」とかと言ってしまっているか。クライマックスの狂気じみたシーンがそう突きつけているようで、怖い作品でありました。この映画から見えてくる恋と愛の違いは「憧れをなぞりがちなのが恋。未知へとこぎだすのが愛。」ってことですかね。予定調和な物語しか書けないスランプ作家が、どうやって未知なる物語を描くのかとのシンクロがキレイな100分くらいの短い佳作。

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我ながら、よくまあこんなこと書くよなあということを書いた気分で変な汗がいっぱいです。映画のチカラを借りるって恐ろしいw ただこうやって言語化すると思うのは、結構違うなこの2つってことで、映画はそれを描くのが大好物なんだなと思います。ベタに行けば「(500)日のサマー」とかもそうだと思うんだけど、みんなそこに苦しむっていうむっちゃ共感性の高いテーマってことなんでしょうかね。でその違いってロジックでいうと「軸違い」というか、感情としては同じ種類の箱に入っているんだけど、評価項目が全然違うという感じがしました。あとは主語がやっぱり、違うんだなあと。まあ、こんな柄にもないコトを考えるきっかけを自分に課すことにもつながるこのTFYっていう企画は、文筆力だけじゃなくて、自分の頭のキワを拡げるにもいい企画だなって自分ながらに思いましたw Kさん、映画見たら感想もコメントしてくださいねw

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