[連載小説]ギルティア王国大戦記 第15話
異世界東部・ガラン国
その地は特に大きな国であり、ギルティア王国も手を出せないでいた。
シンは予てより、その地を落とそうと画策していた。
ギルティア王国の勢力拡大のために、ガラン国攻略は絶対条件と考えていたのだ。
そしてこの度、ガラン国攻略にメザイアを協力させることにしたのだ。
シンは告げた。
「絶対妃、貴女の力さえあればガラン国を落とすのもたやすい。ここは協力してもらいますよ。」
メザイアは答えた。
「わかりました。絶対王のために一肌脱ぎます。」
メザイアは怪人態・アスモデウスに変身した。
シンはその威圧感に感動した。
同じ頃、チーム・ロートがガラン国に到着した。
ガラン国領主・モーセはチームを温かく迎えた。
チームが王国の最たる抵抗勢力ということは、モーセたちにも伝わっていたのだ。
するとアイリスが、国の至るところにある文章に目を付けた。
「これって古代語だよね。アタシ解読できるから。」
そういうとアイリスは文章を解読し、その内容がガラン国の歴史であることを言い当てた。
文章によると、ガラン国は代々モーセの一族が治める平和な国だというのだ。
アイリスは日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフで、幼少時代をアメリカで過ごしていた。
その影響か、語学堪能かつ学習能力が高いのだ。
アイリスはモーセにいたく気に入られ、あまつさえ妻に迎え入れようとした(もっとも優駿が全力で止めたが)。
そんな平和は、一瞬で終わった。
シンとメザイアが攻めてきたのだ。
優駿はロートに変身したが、二人の力はあまりに強く、まるで歯が立たなかった。
メザイアはモーセを手にかけた。
その瞬間、モーセの罠が発動された。
メザイアは毒に倒れたのだ。
この結果を前に、シンは高笑いした。
「フハハハハ!これで王国最大の領土を落とすだけでなく、一番の謀反者を殺すことが出来たのだ!」
優駿、アイリス、貴斗は何が起きたのかわからなかった。
けれど、今はシンを倒さなければならないことは理解した。
優駿は再びロートに変身し、シンに立ち向かった。
メザイアはギルティアに助けられ、王宮に帰った。
ギルティアはメザイアを治療しながら、涙を流していた。
「すまないメザイア。忠実なシンが謀反を起こすことなどないと油断していた。」
するとメザイアは
「彼は貴方に忠実だから今回の作戦を実行したの。私のことも疑ってたわ。」
メザイアから事の一部始終を聞いたギルティアは、決意を固めた。
「シン、俺はお前を殺す…。」
ギルティアの目には、確かな怒りと憎悪が宿っていた。
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