[長編小説]言霊戦士 エピソード18
第18話 男の沈黙
その日、太陽、流奈、統真は訓練に臨んでいた。
アポロ、アルテミス、アレスの力は互角だった。
三人は「もっと強くなりたい」と焦りを募らせていたが、棚橋に諭された。
「確かに敵は強い。だが力ばかり求めても勝てはしない。」
三人は棚橋の言葉を肝に命じた。
一方、瞬輔と和田は本気で戦っていた。
和田はクロコダイルファンタジアに変身し、ドラゴンファンタジアを相手にした。
ドラゴンは最初こそクロコダイルに押されていた。
しかし、戦いが佳境に入ると、形勢逆転しクロコダイルを一瞬で倒した。
「俺がてめえに負けるなんてあり得ねえ。だが、あの方が黙ってろってんなら黙っておいてやる。」
瞬輔はそう吐き捨てて、去っていった。
和田には悔しさはなかった。
むしろ自信の敗北を悟っていた。
「もし瞬輔があの方に逆らうなら、私も命をかけねばなるまい。」
和田は密かに覚悟を決めていた。
すると沙也加が、
「その時は私も一緒に戦うわ。」
と告げた。
和田は沙也加と二人がかりでも瞬輔には勝てないとわかっていたが、なぜか沙也加の言葉が心強いと感じていた。
このまま瞬輔が大人しくしているのか、それは次回のお楽しみに。
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