[連載小説]ギルティア王国大戦記 第33話
8月4日・北大西洋ブロック
優駿・ヘラクレス・スカラベ・ケルベロス・リザードマン・ガルーダが赴いていた。
このブロックを仕切るイフリートは、20歳以上の人間全員に武器を持たせ、互いに戦わせていた。
すでに多くの犠牲が出ており、街は荒廃していた。
その場の誰もが、最早一刻の猶予もないと悟った。
すぐにイフリートを倒し、土地を解放しようと動き出したとき、一行は武器を持った一般人の集団に襲われた。
彼らはイフリートに生殺与奪を握られており、自身や家族を守るのに必死だった。
優駿はヘラクレスたちを先に行かせると、一人で集団を引き受けた。
異世界での戦いで培った経験と技のおかげで、変身せずとも素手であっても素人を打ち負かすのは容易かった。
優駿は集団に訴えた。
「俺たちが戦う意志を示さない限り生き残る道はない!」
しかし集団の誰一人として、優駿の言葉に耳を貸すことはなかった。
集団は武器を拾い再度戦いを挑もうとしたが、優駿の強さと威圧感を前に引き下がった。
するとそこにイフリートが現れ、同時にイフリートを追っていたヘラクレスたちが合流した。
イフリートは優駿に負けた集団を、優駿の目の前で無残に殺害した。
優駿は残忍なイフリートへの怒りと集団を守れなかった悔しさに震えながら、ロートに変身しイフリートに挑んだ…。
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