[連載小説]ギルティア王国大戦記 第19話
異世界東部・クルンテープ国
ギルティアは優駿を仲間にしようと動き出した。
「お前と一緒にこの世界を荒らすなんてあり得ない。」
当然ながら優駿は突っぱねた。
「おいおい。少しは話を聞いたらどうだ?」
ギルティアは食い下がった。
優駿はギルティアの世界征服計画によって、ヘラクレスたちがどれほど苦しんでいるかと知っている。
だからギルティアを敵とみなしていると訴えた。
ギルティアは改めて、優駿が自分自身を度外視してでも他者を優先する男だと理解した。
優駿とギルティアの対話が平行線のまま進んだある時、何者かが攻撃してきた。
その者の正体はクライの配下・マーメイド軍曹であった。
マーメイドはクライの指示で、クルンテープ国を落とすつもりであった。
「クライの部下、今すぐ手を引け。そうすれば攻撃しねえ。」
ギルティアは冷静に告げた。
しかしマーメイドは引こうとしなかった。
するとギルティアは剣を一閃、マーメイドを一瞬で倒した。
優駿はギルティアの冷酷な姿を前に戦慄した。
わかっていても戦慄せざるを得なかった。
「さて、さっきの話の続きをしようか。」
まるで何事もなかったかのようなギルティアの態度に、優駿はまた戦慄した。
ここから先は
0字
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?