妻が怖い⑤【逆位置大アルカナⅢ 女帝】
みなさん、こんばんは。
今宵はどんなお話をいたしましょうか?
妻の怒号から2年後、夫婦はお別れをしました。
とは言っても、周囲には伝えず、苗字もそのまま。
子どもの親権は、奥様。
子どもの保育園の年次に合わせて、妻と子どもは家を出ていきました。
相変わらず、子どもの送り迎えは、彼が担当しています。
結局、お金の件は、妻がそのまま管理することとなりました。
妻は言います。
「再婚はしない。だからこのお金は絶対に子どもに使う。」
一見、誠実な言葉に聞こうと思えば聞こえます。
彼は、良い意味で捉えようと、努力しました。
「でも、、、心でこう思ってしまうんです。
そのお金があれば、僕はもう一度新しい家族を持てるかもしれない。。。って」
「老いた実母には、その口座にもう仕送りしなくていいと、伝えました。
男親なので、何かを察知したようです。それ以上は聞きません。
元妻は、何事もなかったかのように、自分の実母に連絡をよこしたりしているようです。
いいことなのか?そうでないのか?もうわからなくなっちゃうんです。
自分は再婚したい、でも、そうするとこの環境がなくなってしまう。
でも、自分は家族が欲しいんです。一緒に暮らす家族が欲しいんです。」
そう、彼は言います。
今はまだ、念願の離婚ができた開放感から、元奥様は毎週塾の送り迎えを
彼に任せてくれているそうですが、誰が考えても、いずれ、お友達付き合いや、塾などで送り迎えが不必要になって来て、機会が減るだろうと推測できます。
子どもに会えるのは、とても嬉しい。
だからこそ、いつ失うのか?と毎日怯えてしまうのも事実。
彼の苦行は終わりません。
疲れ切って帰るのは、真っ暗な冷たい部屋。
数ヶ月前は、塗り絵やパズルが散らかりながらも、色彩が溢れる部屋でした。
今ではモノトーン。
「目が悪くなったのかと思いました。」
その一言に、彼の孤独が凝縮されています。
そのまた半年後に、彼は鑑定に来てくれました。
生真面目な彼は、今でも毎週子どもの塾の送り迎えをし
養育費を払います。
夏休みには自分の実家にも3人で出向き、老いた母と4人で旅行もしました。
見た目には幸せな家族旅行。
その姿を見た誰も、彼の苦悩を知る由もありません。
「最近知り合った人と、メールをするのが心の支えです。」
その方は、ハンデキャップを持っていて、恋愛の対象にはなりにくい環境です。
それでも、彼女のことを考えてしまうと言うのです。
「彼女ね、ちょっと何かしてあげるだけで『ありがとう』って
言ってくれるんです。それがすごく嬉しい。」
もうね。。。みなさん。
世の中って、世知辛いですよね。
どうしてこう、切なくなるんでしょうね?
今思えば、元奥様も、産後うつだったのかもしれません。
ほんのちょっと、何かがズレただけのような気がします。
それが、取り返しのつかないことになったりするんです。
当たり前は、当たり前ではない幸せなんですよね。
このエピソードを踏まえて、一緒にいてくれる人がいることの幸せを
もっと意識して欲しいと思います。
今後の彼の望みが叶うことと
独立して奮闘している元妻に、心からエールを送ります。
2人が、幸せになりますように。
Mahouのブログで活用しているエピソードは全て『フィクション』です。
タロットMahou