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ヤマトタケル物語【隣のシグナス】《7.未来への船出》
おはようございます! 守護神鑑定&占い◆白樺の騎士団です。
今回は「ヤマトタケル物語【隣のシグナス】」の第7話をお送りします!
↓詳細&第1話〜第6話はこちら!
更新まで1年以上もかかってしまい、すみませんでした(汗)
前回のお話は下記をご覧ください。(第7話の冒頭にも簡単なあらすじをのせています)
イラストは今回も琥ルリけいこさんにお願いしました!
素敵なイラストをありがとうございます(*^^*)
※この作品の無断転載、二次利用はご遠慮ください。(©︎2022 白樺の騎士団)
◆夫婦の約束
【前回までのあらすじ】お互いの本心を打ち明け合い、ヤマトタケルとオトタチバナヒメは夫婦の絆をより強固なものにした。共に幸せな時間を過ごすふたりのもとに、フレイがやって来て…。
「…そろそろ、話しかけてもいいかな?」
フレイに声を掛けられ、私と妻はハッと顔を上げた。
「夫婦水入らずのところ悪いんだけど、相談があるんだ。落ち着いたらこっちに来てもらえるかな?」
「わかった。気を使わせてすまなかったな」
「ううん。ふたりでゆっくり話し合えて良かったね」
そう言って、フレイは船の先端の方へ向かって行った。
「今後のことだけど、ふたりはどうしたい?
ふたりが一緒に暮らすなら、僕は君たちと別れてひとり旅をしようと思ってるんだ。
その方がお互いにとってベストかなと思ってね」
フレイの発言を聞いて、オトタチバナヒメがおもむろに口を開いた。
「私は、海と陸を行き来する今の生活をとても気に入っています。
だから、無理に一緒に住まなくてもいいかなと思っているんです。
予定が合うときに会って、それ以外はそれぞれの場所で使命を果たしていくのがいちばんだと思います。
ただ…」
オトタチバナヒメは私の目を見ながら、こう続けた。
「私をヤマトタケル様の帰る場所でいさせてください。
あなたも私も自由に好きな場所に行くけれど、最終的には絶対にお互いのもとに帰ってくると約束しましょう。
約束していただけますか?」
「もちろん。必ずそなたのもとに帰ると約束しよう」
私の答えをきいて、妻は幸せそうに微笑んだ。
◆新しい人生の始まり
「ふたりの会話きいてたら、僕も妻に会いたくなっちゃったなあー」
フレイの言葉に、妻は顔を赤く染めた。
「僕たちは神だけど、人間と同じように家族や友人を愛して、相手の心を知ろうと試行錯誤している。
神と人間は違う存在だけど、神と人が心を通わせることはできると思うんだ」
「私もそう思う。
そもそも私は神になる前は人間として生きてきたから、人間の気持ちはとてもよくわかる。
体の痛みも心の痛みも理解できる。
私は…、人間のために、人間が住むこの世界のために、行動したい。
もう充分、自由な時間を満喫できたから、そろそろ仕事をしようと思う。
私にしかできない仕事が必ずあるはずだから」
私の言葉をきいて、ふたりは頷いた。
「とてもよいお考えですね。
私も妻としてそのお仕事をお手伝いします。
今やっている仕事と両立できると思いますので、ぜひ一緒にやらせてください」
「人間のために働く…か。
君に合ってると思うよ。
僕は今まであまり人間界のことに触れてこなかったから、まずは人間を知るところから始めようかな。
とりあえず一度、故郷に帰って地元の人間に会ってみるよ。
それでいつかまた合流しよう」
こうして、私たちはそれぞれの道を歩むことになった。
船は陸地を目指して順調に進んでいく。
たどり着いた場所で、私は人間のためにできることを探そうと思う。
私の新しい人生はまだ始まったばかりだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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