『 物語』おじいちゃんからの贈り物~引き継がれる想い・いのちのバトン~4日目 おじいちゃんへの最後の手紙
以前イベント用に創った
お話を少しずつ載せさせて頂いております
(*´ω`*)
『 物語』
おじいちゃんからの贈り物~引き継がれる想い・いのちのバトン~4日目
おじいちゃん家で過ごしていたある日
ちぃちゃんは、熱を出しました
ちぃちゃんが熱を出すと
おじいちゃんがいつも薬を処方してくれました
秤にのった白い紙に包まれたお薬は
とてもよく効く気がしました
おじいちゃんがつくった薬だから
明日にはきっと治る
そうして眠ると次の日には
きまって熱が下がって
ちぃちゃんはまた元気に遊ぶのです
時は流れ
ちぃちゃんは高校生になりました
自分のように、困っていたり
自分の事を好きになれない
子どもたちの助けになりたい
ちぃちゃんは、保育士を目指していました
大好きなおじいちゃんは
その頃入院生活を送っていました
おじいちゃんの病院が遠いところだったので、
ちぃちゃんはよく手紙を書きました
おじいちゃんは、ちぃちゃんからの
手紙をとても喜んでくました
おじいちゃんからの手紙には
時々、古墳や昔の人たちの
住んでいた遺跡の新聞の
切り抜きが入っています
おじいちゃんのおかげで
ちぃちゃんは、昔の人のお話が
大好きになっていました
この時は
まさかおじいちゃんがいなくなっちゃうなんて
これっぽっちも考えていなかったのです
お見舞いに行くといつもおじいちゃんは
「よく来たね」と笑っていました
だから、ちぃちゃんはちっとも
心配していなかったのです
ある時
家の電話が鳴りました
お父さん・お母さんの様子が変です
「おじいちゃんが、あぶないから
病院にいく支度をしなさい」
見えない矢に胸がぐっさりと刺されました
ちぃちゃんが出したおじいちゃんへの
最後の手紙は
煙とともに天に登ってゆきました
もっと、たくさん手紙書けばよかった
もっと、たくさん会いにゆけばよかった
おじいちゃんにもらってばかりで
わたしは、なにもしてあげられなかった
ちぃちゃんは
ただただ泣きました
おじいちゃん
おじいちゃん
もう一度会いたい