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語学習得には時間がかかるもの

noteを始めて1周年、という通知が来たのでちょっと節目らしいことでも書いてみようかなと思います。英語を教える仕事をしていると

「いつから英語を話せるようになったんですか?」とか
「いつから英語が聞き取れるようになったんですか?」
と聞かれることがあります。

私はこのtipping point(転換点)について、いつも即答が出来ません。
国産バイリンガルの皆さんはどう答えていますか。
私の場合は、雑に聞こえるかもしれませんが

「気づいたら今に至っています」

という答えです。

もちろん今でも完璧な英語を話しているわけではなく、冠詞をつけ忘れたり、文法ミスをすることもあります。
リスニングについても全体としての意味はとれますが、一言一句を聞き取れているかと言われるとそうではありません。

それぞれがどのレベルを目指すかにもよりますが、私はまだ習得の現在進行形です。オフの日でも辞書をひかない日はないです。もうこれは癖みたいなものです。

私が英語(学校教育ではなく会話)を学び始めた頃は、今でもよく耳にする
「英語脳」というのが、勉強しているうちに脳の一部にムクムクと形成されて、英語を話せるようになるんだと思っていた時期がありました。

ある日目が覚めたら英語を話せる自分になっている、みたいな。あたりまえですがそんなことはありません。

少しずつ少しずつ

例えていうなら漆をゆっくりと塗り重ねていくように、粗が平坦になり、色が濃くなっていき、艶が出てという過程を経てきたという感じです。
そして、それを使わずに放っておくと、だんだん艶は失われ、また磨きなおさなければなりません。
年齢のせいにはしたくありませんが、暗記力は若い頃より劣っているのが普通でしょう。しかも悲しいことに錆びつくスピードだけは早いのです。

分かりやすく言います。
英会話力は話した量です。
使って磨いて使って磨いての繰り返しです。

聞き流すだけの学習法や、1週間で英語がペラペラという甘い謳い文句を今でもよく見かけますよね。あたりまえですがそんなことはありません。(今日2回目)

想像の中で喋っているだけでは上達はしないでしょう。
口に出して話す量が全てです。
ただ、話し相手がいなくても量はこなせます。この話はまた次回詳しく取り上げます。相手がいないから話せないと言っていたら日本国内で英会話力を上げるのは難しいと思います。

実際に話してみて、これはどう言うんだっけ?
この単語はまだ口にしたことがなかった、英語で何だっけ?
(年齢と共にトピックが健康関連のものが多くなり、病院の○○科という未知語にたくさん出会っている昨今です)
毎日これをやって、忘れては覚えなおし、もっと輝く表現はないかとBBCや洋書を読み…

国産バイリンガルの人たちは相当な努力をしている人たちだと思います。
ここでいう努力というのは机上の勉強ではなく話す量を確保する努力のことです。

音楽やスポーツ、何の分野でも同じように
言語習得にも時間がかかるのは当然です。それは長く険しいようにも思えますが、
段階的に「気づいたら出来ていた!」と思える瞬間が必ずあります。

はじめから時間がかかるものだとわかっていたら、言語習得に対するマインドが
少しラクになりませんか。









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