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【ダイジェスト版】わたしの無痛分娩レポート

2024年10月11日、2714グラムで女の子を無痛分娩で出産しました。

無痛分娩は自然分娩に比べてお産の時間が長引きやすく、平均12時間ほどかかると病院で説明を受けていました。

私は約7時間だったので、比較的スムーズなお産だったと思います。

今後出産を迎える知り合いに向けて、また自分の記録も兼ねて出産レポートを残すことにしました。

ちなみに、これから出産を控える人への詳しいアドバイス、豆知識を加筆したバージョンがあるので、妊婦さんは是非こちらのnoteへ飛んでください。
このnoteとの違いは、👶🏻‼️マークのある箇所だけですが、わりと長文なので要注意。

はじめに。ケースバイケースが前提

わたしは1994年生まれの30歳、今回が初産です。

はじめての妊娠~出産を振り返って思うのは、「これだけ技術が発展した現代においても、この分野では予測がつかない&解明されてないこと・ケースバイケースが多いのだなあ…」というもどかしさ。例えば、

・つわりが軽いと安産?
・陣痛が来るのは予定日通り?初産だとズレる?
・無痛分娩を選んでも、麻酔が効かない人もいる?

などの疑問の答えは、ググったり産科の先生に聞いてもほとんど「個人差あり、人による」でした。

なので、この出産レポートも私の1ケースでしかないことを前提に読んでほしいです。

ちなみに、さきほどの疑問のわたしの答えは以下です。

・つわり→ 軽かった&安産
・陣痛→ 「予定日通りか少し過ぎるかもね」と医師に言われていましたが予定日の3日前に出産
・麻酔→ 無事ちゃんと効いた

結論。無痛分娩、どうだった?

結論、もう一度出産のチャンスが訪れるならまた無痛を選びたいと言えるほど、自分にフィットしたものでした。
また、緊急の帝王切開や吸引などの処置もなく済みました。

※吸引とは... 麻酔によって陣痛の勢いが減り、赤ちゃんを早めに外に出してあげるために引っ張り出す処置

無痛を選んで良かった理由は大きく3つ

理由① 精神的な余裕をもてた
「たぶんどうにか痛みが和らぐのでは?」という謎の自信から予定日が近づいてもお産に恐怖は感じなかったし、産んだ直後も「ぁあ痛かったあぁ、喜ぶ暇もないよぉ、もう二度と味わいたくない泣」ではなく「赤ちゃん生まれた!嬉しい!」という明るい気持ちと余裕をもてました。

理由② 体力をセーブでき、早めの回復ができた

お産の痛みをよく「鼻からスイカを出すほどの痛み」と例えられますが、麻酔のおかげで最後の最大の痛みをほとんど感じることはなく、回復が早かったと思います。
回復のスピードに感謝したのは特に産後。産んだ翌日から母子同室、待ったなしの頻回の授乳、ミルク作り、おむつ替えの日々がスタートします。このときボロボロの体だったら中々しんどいだろうな...と思います。

理由③ 会陰の傷が浅く済んだ

これは副産物てきなラッキー&かなり個人差ありですが、会陰(赤ちゃんが出てくる産道の出口)は1センチ縫うだけで済みました。

私の場合、幸運にも皮膚が柔らかかった?というだけかもしれませんが無痛分娩だと特に力の入れ方がコントロールできて、徐々に子宮口が開き会陰が裂けにくい傾向があると助産師さんに後から教えてもらいました。
初産だと会陰が伸びにくい&自然に裂けやすいので2,3センチは縫ってもらう人が多く、産後しばらく円座クッションとお友達...トイレに行くたびに染みて悲鳴...という出産あるあるを聞いて事前に割とビビってましたがそれも起こらず

退院後の生活でかなりのプラス要素で、自然分娩を経験した母は私の回復の早さに驚いていました。

麻酔、和痛について

よく聞かれる質問が、「実際どんな感覚なんですか?」というもの。
あまり上手く表現できないのですが、例えると歯医者の麻酔のようなもの(局所麻酔)で、「自分の意識はあるしお腹の赤ちゃんの胎動や陣痛の波(ムクムクと外に出ようと下がってくる動き)は感じるけど、痛くない」でした。
ちなみに、太もも〜足先の感覚はありますがトイレは自力で行けなくなります。


詳しい経過

前日〜産むまでの経過を書いていきます。

ちなみに無痛分娩の場合、事前に入院日を決めて計画分娩できる病院もあるようですが私の場合は自然に陣痛が来るのを待ち、来たら病院へ→経過50%くらいで麻酔を入れるというプランでした。

前日の夜

いつもよりもお腹の張りが強く、お腹が固く感じるほど。臨月に入ってからの張りは1日数回で不規則だったのに、「こんなに連続で、頻繁に張る?」というほどでした。

朝から陣痛

翌朝5〜6時ごろ、1人ベッドで寝ぼけながら「なんだか子宮のあたりが痛いかも?いや、いつもの前駆陣痛(予兆の張り)か?わからんなぁ... 一応、間隔を測ってみるか」と痛みの間隔を測り始める。

7時ごろ「ねえ、陣痛きたかも...」と遠慮がちに夫を起こす。飛び起きて身支度をする夫、わたしも着替える。今のうちに...と陣痛が来ていない10分間に入院バックに化粧道具を入れたり動き回る。

病院に電話 (1度目)

8,9分の間隔になり10分間隔を切ってきたので病院に電話。「まだ陣痛の時間にバラつきがありますね、毎回8分になるくらいまで待ちましょうか〜。一度間隔測るのストップして大丈夫ですよ、あまり神経質になっても時計と睨めっこで疲れちゃうから」と助産師さんに言われる。

先生からは事前に「10分間隔をきったら電話をください」と言われてたので、もう病院に行けるもんだと思ってたのでやや拍子抜け。

内心「まだ来るなってこと?まぁまぁ痛いよ!?どこまで主張したら良いの?本番の痛みはこんなもんじゃないってことか...?ぐぬぬ」と電話を切る。

痛みが強くなり、結局また測りはじめる

測るのをやめて朝ごはんでも食べるか...となり、夫が食パンを焼いてくれたのだけど、そのあとわりとすぐ痛みが強くなり始め、パンを食べるのがしんどくなる。
食べようとすると陣痛の痛みが来て、口が乾いてモソモソに。なんとも言えないのだけど、子宮が絞り出されるような痛み。

そのときの様子を振り返ると、家でいわゆる「いきみ逃し」をしていた。
たまひよで読んだおすすめの体勢で、「あばばばば、うー、痛いいい」「すぅー」と息を吐いていた。このとき使うようにテニスボールを買っておいたけど、最中に「今だ!」と思いつけず使わなかった...。

後期のたまごクラブから引用
いきみ逃しの体勢

病院に電話 (2度目)

なんとかタイマーを測り続けてて、気づけば3,4分間隔に。一度目の電話の「まだ来るなってこと!?」が自分に効いてて、ぐぬぬとまだ家で耐えようとしてたら「もうさすがに病院行ったほうがいいのでは?」と夫。二度目の電話をしたら「すぐ来てください、気をつけてね」とあっさり許可され家を出る。

10:00 タクシー配車

事前に陣痛タクシーを登録してたので、よっしゃ出番やぞ!と指定の電話番号にかけてみたものの「配車に30分かかります」とのこと。結局ふつうのタクシーアプリで呼び、3分で到着。平日の朝、晴れの日ということもあってすぐ配車できました。

10:30 病院到着

タクシーに乗ってた時間は10分ほど。終始ほぼ無言で「むふぅううう」「ぐふっ」「すぅー」といきみ逃し。足をジダバタ。
病院到着し、なんとか自力で歩いて病棟へ。助産師さんがすぐに内診、子宮口5センチ開いていると判明。(赤ちゃんが出て来れる最低の広がりが約10センチ、すでに経過半分)

すぐに麻酔を入れましょうとのことで分娩室へ。

10:50 麻酔注射

分娩室というと、いきなりあの足を開く姿勢になるかと思うと違いました。まずはフラットな台になっていて、麻酔を入れる時は横向きに寝て背中に針を刺して注入。

後期のたまごクラブから引用

冒頭の結論で「痛くなかった」と書いてたのが嘘になってしまうのですが、実はこの麻酔の針を刺すときが地味に痛くて辛かったです。

というのも、背中に針を刺すときに「難しいと思うけど、背骨をぐっと出したいから、横向きで背中を丸めて!寝ながら体育座りみたいな感じで」と助産師さんに言われ、「え、赤ちゃんもまだお腹にいるからお腹もデカいのに?背中を丸める?陣痛もきててお腹も痛いヨ!?わたし体硬いヨ!そんなポーズとるって聞いて無いヨ!でも、やるっきゃないのね😭」と内心叫びながら、半泣き。

助産師さん「がんばって!じきに麻酔が効くからね、長く細く息を吐いてぇ、はい、すぅー」
わたし「うぅう、はぁあ、ふすぅうぅぅー」
麻酔の先生「針さすよー」
わたし「あぁあ、ぅううう」
麻酔の先生「まだ背骨でてないな、もっと丸くなって!」
助産師さん「もっと背中まるめてー。がんばれ!息吐いてー」
わたし「はううぅ、陣痛きてるうぅう、いたいぃ、ふすぅー」
麻酔の先生「がんばれ!」ぶすぅ💉

と、どうにか針が刺さって麻酔がきき、仰向けで休憩。
のちに、痛みはないけど赤ちゃんが下がってくるような、お腹がムクムク動く感覚がありながら、脚は自力で動かせて...という状態になりました。

12:00 お昼ご飯

麻酔が効き、一息つくとお昼時に。「病院食がでるので、ここで食べましょう」と助産師さん。分娩室でご飯たべると思ってなかったのでややびっくりしつつ、おいしいシーフードカレーやサラダが出てきました。

自分のスマホを触れるくらい余裕が出てきて、「分娩台でカレーなう」を友達へLINEを送るほどに🍛

13:20 促進剤を投入

お昼ご飯を食べた後、子宮口の開きは8センチに。
「順調に開いてきているけど、麻酔が効いて少し陣痛の勢いが落ちたかなぁ。促進剤を入れましょう」という助産師さんのすすめで同意書を夫が代筆して点滴で投与。

13:40 破水

ここまで出血はしていたけど破水はしてなかった状況。促進剤をいれて約15分後、「ん?なんか...破水?した?かも?」と助産師さんを呼んでみると、助産師さんが触った瞬間に破水。

予定日が近くなってからいつ破水するかソワソワとバスタオルを敷いて寝たりしてたけど、まさかの分娩台で破水するという順調なお産。

14:00 分娩開始

「だいぶ赤ちゃんが下がってきてるね、よし、いきんでいきましょう!」と助産師さん。

ちなみにこのときの私はちゃんと麻酔が効いて痛みは感じていないので「おお、いよいよか〜」くらいのフラットなテンション。

いきむ

いわゆるヒッヒッフーではなかったです。ちなみにいきみ方は、こんな感じ。

① 助産師さんが教えてくれるタイミングで、息をできるだけ吸う
② 息を止める、目を開く(目を閉じると顔に力が入ってしまう)
③ 助産師さんが腹部をおさえてくれており、その手を跳ね返す感覚で腹筋に力を込めて、いきむ

14:40 赤ちゃんの頭を触る

仰向けでいきんでいたもののあまり進まず、体の向きを変え横向きで再挑戦したりしていると、いきみ方も分かってきて赤ちゃんが徐々に下がってきました。
助産師さんに「頭がもう見えてるよ!触る?」と聞かれ、興味本意で手を伸ばすと柔らかい皮膚の感覚が!ざらっとして髪の毛が生えているのも分かりました。「ひゃ〜笑」とリアクションとれたのも、麻酔が効いていたおかげ。

14:52 生まれた!

「さぁ、もうすぐ赤ちゃんに会えるよ!タイミング合わせて何度かいきもう!もういきまなくていいときには言うからね」と助産師さんに言われるがまま、最後の段階へ。
結局、赤ちゃんがするりと自力で下りてきてくれすぐに「もう出てくるね!深呼吸で大丈夫だよ!」となる。

そしてついに...「おんぎゃー!」

私の顔元に、生まれたての真っ白なベビー。
小さい!白いのは拭く前の皮脂。

麻酔がきいていたけど、スルッと体から大きなものが抜ける感覚があり、不思議とこれまで流したことのない滝のような涙が出ました。ダバーッ

変な表現だけど、くす玉が開いて、涙も引っ張られて出た🎊みたいな笑

痛いわけでもなく、なぜか涙がダバーッと出て、今でもうまく表現できない感情に。

「ようやく会えたね」「みんなで一緒にがんばったね」と自然に思えて、不思議なあの瞬間を一生忘れないだろうなと思います。

(ちなみに後から生後すぐの記録をみると子の頭囲30センチ!え、私の出口、瞬間的だとしてもそんなに伸びた!?びっくり)

はじめての授乳

無事うまれた娘ちゃんと記念撮影のあと、体を拭いてもらったり体重を測ってもらったりと少し離れ離れに。

私のほうは後処理のあと体を拭いてもらったり経過観察をするため、しばらく分娩室で休みました。

休んでしばらくすると助産師さんに「体調が良かったら授乳してみますか?」と言われ、え?もう出るの?と半信半疑で授乳。

産んですぐ母乳が出る体に切り替わってるのもすごいし、生まれてすぐ吸う動きができる赤ちゃん、人体、すごい。


ふりかえり

長くなりましたが、分娩レポートは以上です。
私を褒めながら、いきみ方を丁寧に教えてくれた助産師さん、立ち会いで励ましてくれた夫くん、夜間ではなく昼間に外に出て行こうと決めて陣痛を起こしてくれた娘ちゃん...などなど色んな要素に恵まれての安産でした。
もっと元をたどれば、安産できるような健康体に産んでくれた、育ててくれた私の母にも感謝の気持ちが湧いて、後日「丈夫な体に生んでくれてありがとう」と連絡しました。

ちなみに産んだあとは5日間入院し、授乳や沐浴など赤ちゃんのお世話のレクチャーを受けてまさに「母親オンボーディング」でした。

(実は子どもにあまり慣れてなくて産後のお世話のほうが心配だったけど、それもどうにかなりました。産前産後でやって良かったことや買って良かったものは、また別のnoteに書こうと思います。)

これから出産を迎える妊婦さんへ

予定日が近づいたとき「なんだか1人目を産むにしては落ち着いてるよね」と知り合いに言われたのですが、私の考えは妊娠発覚して産科にかかりはじめてから、ずっと変わらずでした。
というのも、産科での待ち時間がわりと長く院内で待っている沢山の人をみて、「産院からしたら何度も、なんなら毎日くらい赤ちゃんを取り上げているわけだよね」と気づいたのです。

そして、「なにか分からないことがあれば、お医者さんや助産師さんに聞けばいいし頼ればいいよね」と思うようになりました。

実際、妊婦検診のたびに不明点を聞いて疑問や不安を解消できました。

もちろん自分も頑張るし未知の体験ではあるけど、その道のプロがいる、どうにかしてもらえる、と周りを頼れる自分になるだけで少し楽になるのではと思います。きっと大丈夫。

妊娠期間の10ヶ月間、お腹の中でぐにょぐにょ動いているベビー...(なんなら自分は寝たいのに胎動がすごくて君のおかげで睡眠不足だ)と感じていましたが、生まれて会えたら想像以上に可愛いベビーでした。

そばにいたのに顔の見えていなかった相手との対面、不思議ですね。

小さな命、泣き声すら愛おしい

最後まで読んでいただきありがとうございました。このnoteを読んでいるあなた、またはあなたの大切な人のお産がハッピーなものになりますように。

では、また。

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