ぼくはただ、メガネがほしいだけなのに。
眼科の検査ができない子は、
どうやったらメガネをつくれるんだろう?
メガネがほしい
昨日は自閉症の次男しんちゃんと、
眼科さんに行った。
しんちゃんが、
メガネが欲しいと言ったから。
でも、
検査に耐えられなくて、
作れなかった。
しんちゃんはとても悲しんだ。
だってメガネが欲しかったから。
いま仲良くしてくれてる
中学生の友達も、
しんちゃんのお兄ちゃんも、
パパもたまに(飾りの)
メガネをかけているから。
しんちゃんは眼科さんで、
待ちきれなくて泣いてしまった。
今回は完全に、
わたしのミスだった。
しんちゃんにメガネが欲しいと言われ、
前から見えないのが気になっていたし、
じゃあ今日行くかみたいなノリで、
なんの説明もなく眼科さんに
連れていってしまったのだ。
まるで長男がメガネやコンタクトを
つくるのと同じノリで。
長い行程
しんちゃんはきっと、
デパートのメガネ屋さんにいって、
コレって選んだら、
すぐ手に入ると思ったのだ。
眼科さんで視力検査して、
度を合わせて、
そのレンズで30分ぐらい過ごして、
お医者さんの診察があって、
処方箋もらって、
やっとメガネ屋さんいって、
選んで、
また測って、
出来上がりまで待つ。
度付きのメガネを手に入れるには、
けっこうな行程がある。
私は小2から近眼で、
視力検査の『いとりにつへくり』を覚えてしまってるぐらいにその行程が当たり前だったから、
買い物いく気分で、
本当に何も考えずに、
何も説明せずに、
しんちゃんと眼科さんに
乗り込んでしまったのだ。
見通し
検査の途中で、
しんちゃんがでてきてしまって、気づいた。
そうだ。
この人にはちゃんと
説明しなくてはいけないんだった。
しんちゃんは、
待合室のすみっこで、
背中を丸めて泣き出した。
『ぼくはただ、
メガネが欲しかっただけなのに』
丸い背中が、
そう言ってた。
ごめんよ、しんちゃん。
あなたは何も、悪くない。