高学年になっても抱きついてくる息子を、どう受け止めるべきか。
私には特別支援学級に通う5年生の息子、
しんちゃんがいます。
しんちゃんは来週11歳ですが、
いまだに夜寝る前など私に抱きついたり、胸を触ってきます。
大きくなってもそんな甘え方をしてくる息子さんがいたら、
『もう大きいのに恥ずかしい』
『やめさせた方がいいのでは?』
『いつまで許せばいい?』
『夫が冷たい目でみる・・』
ママ的にも嫌悪感から、
はたいてしまうこともあるかもしれませんね。
今日は私の体験と、
発達凸凹アカデミーの先生との雑談から得た、
とても大切なお話をしたいと思います。
パパは複雑な気持ちかもしれませんが、
この記事を読んで妻と息子をあたたかく見守ってくださると嬉しいな、と思います。
母として、どう対応すべき?
結論から言うと
触りたがったら触らせてあげてください。
抱きついてきたら、
抱きつかせて受け入れてあげてください。
これは個人的な経験談ですが、
触りたがる時、やたらくっついてくる時は何かしら理由があると思います。
うちのしんちゃんも、
触りたがる時期と全くない時があります。
ちょっと観察してみてください。
やたらスキンシップを求めてくるときは、他の部分でも何かでているかもしれません。
例えば、
いつもは怒らないようなことでカッカする
やたら泣く
集中できず落ち着かない
などなど。
我が家では
「最近、しんちゃんなんだか荒れ熊だね・・」
と夫と話している時は、くっついてくる頻度が高いです。
今目の前で起きている「触ってくる」「くっついてくる」という出来事だけに注目するのではなく、
ちょっと全体的に、
俯瞰してみてください。
拒否することで起こりうる未来
なぜ、受け入れるべきなのでしょうか?
それは、
いま拒否することで、
将来的に反動がでてしまう場合があるからです。
ここからは、
発達凸凹アカデミーの「効果的な支援策」開発者である、おうち療育アドバイザーの浜田悦子先生から聞いたお話を、
かいつまんでお伝えします。
お母さんに甘えたい、
触りたい、
抱きつきたい、
ベタベタしたい、
膝の上にのりたい、
だっこしてほしい、
髪の毛を触りたい・・・
そんな欲求があるのに、
「もう大きいんだからやめてっ!!」と拒否され続けたとします。
成長して残るのは「満たされなかった欲求」です。
どのような反動になるか、
なんとなく想像つくと思います。
*
たぶん多くのママたちも、
なんとなくこの「拒否した結果の反動」について、一度は考えたことがあると思うんです。
でも、
逆に触らせるほうが問題になる・・とも思いますよね。
私も知らなかったら、
すごく迷ったと思います。
私がしんちゃんを受け入れられたのは、
単に「知っていたから」です。
ただ、それだけです。
「発達凸凹の子どもの性教育」については、
インストラクター養成講座で浜田悦子先生の講義の中でも取り上げますし、講座終了後のサポート会でも話題になります。
何度も何度も聞いていたので、
しんちゃんがいくつになっても触ってきても、
「そうかそうか、なんかあったか」
と受け入れ態勢をとることが、
できたんだと思います。
嫌な時は嫌って言っていい
さて。
ここからが私が一番大事だと思うことです。
お母さんだって、
触られるのが嫌な時ありますよね。
私はあります。
「ちょっと今はやめてほしい」と思うこと。
その時着ている服とか、
気分とか、
タイミングとか、いろいろ。
嫌な時は我慢せず「ママだって嫌な時がある」とちゃんと説明して、断っても大丈夫です。
それはそれで、
子どもにとっても、ママにとっても大事だから。
私もよくよく考えてみると、
最近は8割方「ゲゲ、またきたか」と思っている気もします。
そんな「ゲゲっ」と思っている自分の気持ちを、無視してはいけません。
嫌だと思うことは、悪いことではありません。
むしろ普通です。
だって、サイズ感が違うじゃないですか。昔と。
複雑ですよね。
でっかいのが、かぶさってくるのって。
(いまお子さんが小さい方は想像つかないと思いますが、いつか必ずそのサイズになるのです)
頻度にもよりますが、
28回に1回ぐらい「今はちょっとやめてほしい」とハッキリ言うこともあります。
最初にこれを言うのは、ちょっと勇気がいりました。
「拒否されたら傷つくのでは?」
「もう二度と触ってこなくなるのでは?」
だから、最初は慎重に提案しました。
といった具合だった気がします。
どんな言い方や伝え方がいいかは、親子関係や子どもの性格や特性によりけりだと思いますが、
うちはこんな感じでも大丈夫だと思ったから、こんな言い方になりました。
その時しんちゃんがどうだったかは覚えてないけど、
ずいぶん小さい時だったから「あ、そか」みたいな感じだった気がします。
それからずいぶんたって、
だんだんおしゃべりが上手になってきたある日。
同じように断ったら、
「きょうはいやな日?」と聞いてきたので、ちゃんと理解してくれたようです。
どんな時もがんばって受け入れるのではなく、
「いつでもオッケーよ、でもダメな時もある」ぐらいのスタンスでいいのではないでしょうか。
自分の気持ちも大切にしてください。
パパにしてほしいこと
さて、こんな話を聞いたパパさんは複雑ですよね。
大きくなってもいつまでもママに甘えている息子をみて、「男だろっ」とどつきたくなるパパもいるかもしれません。
どうすればいいか?
どうもしないでください。
心を無にして、そんな母と息子を見守って下さい。
もし余裕があれば、ママの愚痴を聞いてあげてください。
パパの出番は、この先必ずありますから。
その他、ルールを決める
他にも、ママ側の思いとしていろいろあると思います。
「人前では嫌だ」
「パパの前ではいやだ」
「風呂上がりはいやだ」
とか。
そういう場合は、予めお子さんと2人でルールを決めてもよいと思います。
しんちゃんはパパの前では触りません。
男として恥ずかしいのか、からかわれるのが嫌なのか・・ママにさわりたい!という時にパパがいると、
「パパ、あっちいって!早くっ」と追い出して、2人きりになるのを狙います。みんながいるリビングではなく、キッチンや私の部屋など、だいたいこっそりくっついてきます。
改めて思い出したのですが、
小学校に入ってから胸を触ってきたときしんちゃんに、
「2人きりのときはいいよ。でも、外とか人前ではやめてくれ。あたしも恥ずかしいのよ。」と言った気がします。
しんちゃんは特性なのか、
一度インプットされたことを、
守り続けることがある。
今も「2人きりならいい」を覚えているのかな?と、今回これを書いてて思い出しました。
おかげで、
夫はこの話を私がするまで知らなかったし、それはそれで私の「嫌だ」と思う気持ちを半減してくれている気もします。
もしお断り回数を少しでも減らしたいなら、
そういったルールを親子で決めるのも、
よいかもしれません。
拒否してきてしまったとしても、それは仕方ない
今回、この話を書くことはとても勇気がいりました。
これまで拒否していたお母さんを複雑な思いにさせてしまうのでは・・と思ったからです。
どんな子育てにも、
「あの時、ああしてあげればよかった」
「なんでこんなことをしてしまったんだろう」
というのはあるものです。
私もたくさん、あります。
そんな時は、子どもに謝ります。
すごく昔のことだったとしても、直前のことだったとしても。
うちの長男には、私が空手好きという理由で無理矢理空手に通わせていました。
最後のほうは、
「どうせ行きたくないっていってもしょうがない、いかなきゃいけないんだ」と思っているようで、抵抗さえしませんでした。
本人の意思なんて、聞いてあげたことはありません。「将来よかったと思うから!」と自分の「やらせたい」だけでした。
いま17歳ですが、半年ぐらい前にふとその時の話になりました。
いつか話したいと思っていたので、
「あの時、空手いやだって言ってたのに、無理矢理連れてってごめんね。嫌だったよね、あなたには向いてないもんね。。」
長男の子育ては、私も初めての子育てでマイルールだらけで、後悔ばかりです。
こういったことが、たくさんあります。
だから今でも、よく突然こうやって思い出したときに、あの時は大変だったよね、不安だったよね、悪かったよねぇ・・という話をします。
お年頃なので、その反応は様々ですが。(ほとんど照れて、かわされます)
しんちゃんにも、私はたまに感情的に怒鳴り散らしたりするので、それはリアルタイムで謝ります。
「お母さん、さっきは大きな声をだして怒鳴ってごめんね。しんちゃんは悪くないのにね。びっくりしたよね。」
と、
自分が落ち着いたら謝罪しにいきます。
だいたい、理不尽に怒られていることが多いので(笑)
そうやって、
地道に人間関係を構築しています。
親だって完璧でないから、
私はそれでいいと思ってます。
助けになるかわかりませんが、ご参考までに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?