じゃぐちをひねる
けんちゃんはひまわり保育園にまいにち元気に通っています。
保育園での大事なお約束。
お部屋に入る時は手を洗いましょう。
でも、けんちゃん今日は手を洗いたくないって。
なんで?
だってじゃぐちってなんかよくわからない。
捻るまでなにが出てくるかわからない。
お水じゃなくて、溶岩が出てくるかも。
そしたらやけどしちゃう。
ドロドロスライムのすみかになってるかも。
うげえ、気持ち悪い。
だから、手を洗いたくない。
そんなけんちゃんをみて、みほ先生が話しかけてきました。
でもけんちゃん、手を洗わないと、おやつが食べられないよ?
手を洗わないと、病気になっちゃうかも。
手を洗わないと、誰かのお洋服を汚しちゃうかも。
うーん……でもでもだってなけんちゃん。
そもそも、このじゃぐちはじゃぐちじゃないかも。
じゃぐちを捻ると保育園じゃない別の場所に飛ばされちゃうかも。
このじゃぐちを僕が捻ると、どこかの宇宙人に信号が行って、侵略されちゃうかも。
うーん…困ったみほ先生。
そんなけんちゃんを見た園長先生。
じゃあけんちゃん、園長先生と一緒にじゃぐちを捻ろうか。
何かを企んで、腕まくりする園長先生。
じゃぐちの先を上にくるっと回して。
勢いよく水が飛び出した。
外の光に反射して、虹が綺麗にかかりました。
それを見たけんちゃん。
ほら、やっぱり捻ってみないとなにが出るかわからないじゃないか。