發王戦トーナメント4(3半荘目) 自戦記

2半荘目を終えて

2半荘終了時のポイント状況

めーちゃめちゃきつくなってしまいました、、
2着の利樹さんまで84.1ポイント差、3着の聡一郎さんでさえも69.6ポイント差です。
勝ち上がり確率は体感で5%無いくらいかなあ。

大きなトップをとりつつ、2人の着順をうまいことしないと勝ち上がるのは難しいです。一方で元太さんは局を消化する立ち回りになり、利樹さん聡一郎さんは着順勝負なのでお互いの親を流し合ったりすることになりそう。
私は親番での先制リーチや高そうな仕掛けを見せることによって、相手3人の足を止めて一人旅の状況を作っていきたいところです。

条件計算について

トーナメント戦のときは恐らく誰しもが最終半荘の前に条件計算をします。
私のその時の条件計算の紙(を模したやつ)がこれです。

いわゆる「阿久津式」というやつを使わせていただいております。
阿久津先生がnoteなどで教えてくれたやり方で、お互いの現状のポイントではなく、ポイントの差を書くことによって、情報量は少ないですが状況の理解がしやすくおすすめです!
(席順で書いていて、右が元太さんとの差、上が聡一郎さんとの差、左が利樹さんとの差です。)

阿久津式への自分なりのちょっとしたアレンジですが、自分のほうがポイントが上の場合「+」を付けるとともに赤で書き、下の場合は「△」を付けるとともに青で書いています。

また、一番下に最終戦の目標を書いています。
自分が圧倒的ラス目なので、通過ポイントを下げる必要があります。
感覚的にですが自分が勝ち上がるにはざっくり60000点くらいのトップをとって、通過ポイントを△20ポイントくらいにするイメージです。

勝つために意識していたことですが、優先度の高いものから、

  1. 親番での連荘

  2. 利樹さん、聡一郎さんの着順

  3. 制限時間

といった感じでした。
1番は言わずもがなで、2番は利樹さん聡一郎さんを△20ポイントくらいまで落とす必要があるので、そのために出来ることを考えていきたいということです。3番については私が北家スタートだったので、制限時間の中でもなるべくオーラスの親番を複数回出来るように、安い子供の仕掛けには放銃やむなしと考えていました。

3半荘目

東1局

親の元太さんと利樹さんに仕掛けが入っているが、自身の手は勝負手の一向聴。利樹さんから6mが切られた後に5mが手出しされて、47mは本線ではありますが、6m受けがフリテンのため7mをツモ切り。
利樹さんへ2000点の放銃になりました。

親の元太さんが筒子の混一色模様で仕掛けていて、流局などで親が続いてしまうと時間を使ってしまうことになりかねません。そのため、自分はまっすぐ行きつつ、利樹さんに1000点や2000点の放銃はしょうがないと割り切って打ちました。
自分の手牌にドラが1枚あり、利樹さんにドラ対子や暗刻の可能性が下がっているのも大きい要素でした。

南1局

親番で1人聴牌、2000オールは2200オールのあがり、利樹さんから聡一郎さんへの横移動があって迎えた南1局。
全員に仕掛けが入っている状況で平和のみの聴牌。

リーチを打つかどうかですが、私は闇テンにしました。
闇テンの理由は大きく3つです。

  • 打点アップの手替わりが2種ある(ドラの3sとタンヤオの6p)

  • リーチを打つことで決着巡目が遅くなると時間を消費する

  • 見逃しの選択ができる

まず自分は60000点くらいのトップを目標にすると最初に書きました。そのため基本的には打点を高くしていきたいところです。3sか6pを引けばリーチを打って満貫があがれる可能性があります。
次に私のリーチには基本的に3人とも来づらい状況のため、1000点を2000点にするリーチを打って一人旅になるのが得かと言うと、そうではないんじゃないかと思いました。
最後にたった1000点ですが、闇テンにしておけば見逃すことが可能です。私が勝ち上がるためにはなるべく元太さんに2着にいてほしいところです。例えば元太さんから見逃して聡一郎さんから直撃を取れたりすると、元太さんが2着になる可能性が少し高まります。

これらの理由で一旦闇テンにし、すぐ出た場合は見逃しも考えていました。
(でもこれが正しいかどうかはわかりません。)

そして次巡に3sを引き入れて6s切りリーチを打ちました。
待った甲斐があった~と思いました。

そして

ないっす~!

一発で5pをツモって裏2、めちゃめちゃ大きいあがりになりました!
これで50000点になり、目標まであと10000点。勝ち上がり確率が15%くらいにはなったかなあ。

南3局

7巡目でカン8pの聴牌。8p自体は1枚切れとはいえよく見えていたので、このままリーチも考えましたが、三暗刻の変化を見て闇テンとしました。

数巡後に9pと4sが一枚ずつ切れたところで三暗刻の変化が薄くなったので6sをスライドで切ってリーチとしました。
8pは良いと思っていたのに実際には山0だし、利樹さんからすぐ追っかけられて肝を冷やしましたが流局。放銃してたらかなり終わっていたかもしれないので耐えました。

南3局1本場

この手形で聡一郎さんでた中をスルーしました。
手牌で4対子ありドラも1枚持っているため、七対子ドラ2を本線に見ていました。供託2本のためあがりはかなり大きいので鳴いたほう良いのかなとも思いました。両面塔子がもう一つ(筒子の形が455pとか)あればポンして9p打っていたと思います。
実際にこの後4pを引いて、2枚目の中をポンしました。

その後聴牌しましたが、利樹さんに500オールをあがられ、2着目まで浮上されてしまいます。かなり痛い。

南3局2本場

配牌は筒子の一気通貫も見えていい感じです。白がポン出来たら早いですが、利樹さんに親被りさせたいと思っていたので、今すぐ1枚目が出たらスルーするつもりでした。

聡一郎さんからリーチが来てツモ6p。白を対子落としして一気通貫へ。
何を引いたらどうするかを考えながら打ちます。元太さんがラス目のため、出来るなら聡一郎さんか利樹さんから直撃を取りたい場面。

  • 5p引きの36m聴牌
    ⇒現状はリーチ、ただ36mが現物になって利樹さんが降り気配なら闇テンなど。

  • 6m引き
    ⇒闇テンにして見逃しまであり。4pがノーチャンスのため、全員が使えなさそうな牌。

  • 3m引き
    ⇒現状はリーチして元太さんが降りてくれれば、ツモor直撃が取れる。

聡一郎さんのリーチに利樹さんがプッシュ。着順勝負なのでこれは想定内。
そしたら元太さんからリーチ。元太さんは聡一郎さんに打ってもいいので当然のリーチ。

その後5pを引いて36m待ち聴牌。
元太さんのリーチ、利樹さんが押してることを考えると、闇テンにして見逃すうまみはないと判断。リーチを打ってツモ跳満を狙いに行きます。

そして元太さんが聡一郎さんから5200の2本場をあがりました。
自分の手もあがりたかったですが、このあがり自体は悪くない結果でした。

  • 自身が跳満ツモの場合
    ⇒3着の利樹さんより2.8ポイント上、2着の聡一郎さんより3.9ポイント下

  • 自身が満貫ツモの場合
    ⇒3着の利樹さんより3.2ポイント下、2着の聡一郎さんより8.9ポイント下

  • 現状
    ⇒3着の利樹さんより19ポイント下、4着の聡一郎さんより23.1ポイント上

現状のポイントだと利樹さんと離れていてオーラス難しくない?と思いますが、2点喜ばしいポイントがあります。

  • 元太さんが2着になったことで着順操作をあまり考えなくてよい

  • 自身がツモった場合だと点差は近く感じるが、利樹さんが親被りで3着に落ちたためであって、聡一郎さんから少しでも直撃すると利樹さん2着に上がって20ポイント増えてしまう。

そのため意外とポジティブに捉えられる結果だったのでした。

南4局

条件はこんな感じ。利樹さんとは20ポイント近く離れているため、ツモなら跳満条件です。
この局は利樹さんから2900を直撃して次局に進みます。

南4局1本場

私は満貫ツモで通過ポジションとなり、聡一郎さんは1000,2000ツモで通過となります。

聡一郎さんに發と白の仕掛けが入っていて、4p2pの手出しがあったため萬子の混一色気配。利樹さんは2sをポンしていてタンヤオ仕掛けの感じ。
打点が必要なため、カン2p受けは残しつつ、1sが悪くないので打7pとしました。
そのあと4pがポンされて4枚なくなり、ドラの2pが3枚打たれたあとに何とかカン2p待ちで聴牌。残り1枚の2pを求めてリーチを打ちます。

私の残りツモあと一回のところで利樹さんの最終手番。

5pの対子落としの左2枚が手に残ってて、これが1p2pかと思うと3p切りづらいとおっしゃっていて、実際利樹さんも3pを切れず。
正直自分に余裕がなくて全然意識してなかったので、解説を後から聞いて確かにと思っていました。

そして次巡の私のツモは

あっぶねええええ

助かった、、、

南4局2本場(時間により最終局)

条件はこんな感じです。
2600オールツモか利樹さんから出あがりが本線ですね。
聡一郎さんは3着に上がっても私との素点を詰めないといけないため、少し打点が必要です。

配牌

配牌はドラが1枚あって1面子。平和ドラ1は目指せそうなのでツモきいてくれ~という感じです。

聡一郎さんと利樹さんにそれぞれ仕掛けが入って、自身の手はこの形。
聡一郎さんはツモなら700,1300が必要なため、何かの么九牌が暗刻なことが多いかなと。ただ、6sも5pも必要ないということでかなり聴牌濃厚。
利樹さんは3p1pと切ってきているうえに、6sポンして打8s、そして4pが手出しでこちらも濃い牌が打たれてきています。

とはいえ私もあがらなければいけないので、危険度は高いですが6pから打っていきます。

6p8pを打って、この形になって改めて考えます。

まず聡一郎さんは發をポンして5pを対子落とししてきました。
これは發バックの塔子オーバーの形も考えられますが、
(例:4599m 55p 34s 發發 ⇒ 發ポンして5p)
それだと私からの直撃のみとなってしまいます。

もし先ほどの想定通り么九牌が暗刻だとすると、發と5pがあがり牌で發のツモか私からの直撃条件だったため、元太さんからあがれない發をポンしたのではないかと思っていました。
(例:111s 發發 55p 45m +X ⇒ 發ポンしてXを切って聴牌取るはず)
なので5pの後の手出しがない今は何かの単騎聴牌濃厚。

利樹さんは4p手出しの後、4sが手出しされていました。
3p1pの順で手出しされているので、少なくとも1p手出しの後に持ってきた4pであり、関連牌であることは間違いないです。そうなると持っていそうな牌は6p対子以上が本線。でも聡一郎さんが打った5pは鳴いていないので、6pは対子で他に雀頭候補が無かったからかなあと思いました。
6pが暗刻の4666pだとチーして6p雀頭で聴牌してそうなイメージの捨て牌でした。

じゃあこの4sの手出しは何か。
もし344sとかで持ってて4s切りになっているなら、25sが埋まったか当たるかのどちらかです。でもそれだとなんかおかしい。5pをチーしてシャンテン数が進んでいるかもっと広い一向聴になっているんじゃないか。
色々考えましたが私の雀力では答えが出ませんでした。

そして局面は進み、ツモあと2巡。
次のツモで聴牌しないと負けが確定する場面。
広いのは打4pとして、索子と萬子のくっつきにする形です。

ここでまた相手の手牌を考えます。
聡一郎さんは長考して1sを打ってきました。
元々么九牌暗刻の単騎待ちと思っていたので、多分1sは暗刻から打った牌。両面以上の待ちにして私からの直撃を見たのでしょう。
両面候補ですが、4sと4pが4枚見えで5p対子落としの前に6sが打たれているので、ほぼ36mじゃないかなと推測。6s手出しなので6s周りで1面子ありそう。

利樹さんは4s手出しからツモ切りが続いていますが、4sが4枚見えたことで、4sを持っていた理由はカン3sから2sシャンポンに待ちを変えたと決め打ちました。(元々224sの形を持っていたなら5pをチーしていたはずと思ったからです。)

自分の手牌に戻ります。
効率通り4pを打つと、

  • 萬子を引いた場合
    ⇒2sを打たないと聴牌しないため利樹さんに放銃

  • 索子を引いた場合
    ⇒索子は3sと5sしか場に残っていないと推測される

    • 3s引き
      ⇒14s聴牌は純カラ

    • 5s引き
      ⇒2sと3pの聴牌は利樹さんに2sが対子のためこちらも純カラ

そのため4p切りを候補から除外しました。

2sは当たると思っているので選択肢から除外

残るは58mを切るか3pを切るか。
索子を2234sで持つ以上5sが必須になります。
そのためあがり形の想定は以下2種類です。

  1. 2234789s 234p 567m ツモ5s (234pは345pでもOK)

  2. 22345789s 34p 567m ツモ2p(5p)

そのため3pも58mも必要ないですが、私が利樹さんの手牌を読み間違えて2sがまだ山にあった場合、3pを先に打ってしまうと、次のツモが2sのときに待ちが25p一択になってしまいます。
58mを切っておけば、2sをツモった場合、以下から選択できます。

  • 22234789s34s567m
    ⇒25p聴牌

  • 22234789s33p567m
    ⇒25s3p聴牌

なので8mを切りました。(長くなってすみません。)

そして次巡に2pをツモって聴牌。
25s待ちでリーチを打つか。

  • このままだと海底が回ってくるので、リーチ無しでもツモることが出来る

  • 利樹さんからはリーチ無しであがれる

ため闇テンにしましたが、聡一郎さんも利樹さんも降りれない状況のため、リーチを打って聡一郎さんからの12000点直撃の可能性も見たほうが良いのかなあ後々思いました。
リーチを打って利樹さんが降りてOKの状況なら闇テンにします。

結果は、、、

最初に負けたって宣言してるんですからそりゃツモれないですよね、、笑

ということで發王戦はトーナメント4で敗退となりました。

最後に

負けたことは素直に悔しいですし、振り返っているとあの時こうしていればというのが色々な箇所で見えてきます。
でも60000点目標の半荘で50000点を超えて、最後勝負を面白くできたこと、視聴者の方が面白かったと思ってくださったのが何よりうれしかったです。

Xでポストしたこれが一番の気持ちでした。
今まで放送対局に何度か出させていただいて、そのたびに嬉しさや悔しさを味わってきましたが、こんな感情になったことはなかったので、また一つ自分の中で成長出来ました。

最後になりますが、読みづらい文章をここまで読んでいただきありがとうございました。想定できていないケースなどもあると思うので、その時は僕に突っ込んでください!よろしくお願いします!

おわり

このnoteは最高位戦のチャンネルアーカイブを使用して振り返らせていただきました。

©最高位戦日本プロ麻雀協会

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