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【麻雀諺】雀の千点、龍の満貫

1. 諺(ことわざ)

「雀の千点、龍の満貫」

2. ことわざの意味

小さな上がり(雀の千点)でも、コツコツ積み重ねることで最終的には大きな手役(龍の満貫)を狙えるという意味です。麻雀では、焦って大物手ばかりを狙わず、地道に点を取っていくことで、最終的に大きな勝利をつかむチャンスが巡ってくるという教えです。龍は、満貫や大物手を象徴する存在として使われています。

3. 例文

Aさん:「この局、千点で上がるべきか、それとも大物手を狙うべきか迷うな。」
Bさん:「雀の千点、龍の満貫って言うから、今は確実に点を取ってもいいんじゃない?」

麻雀ことわざ新帖

午後の雀荘。窓から差し込む柔らかな光が、牌に影を落としている。今日はどうにも、手牌がうまく進まず、安手での上がりが続いている。もちろん、高い点数を狙いたい気持ちはあるが、今は無理に大物手を狙うよりも、地道に上がりを続ける方が得策だろう。

「雀の千点、龍の満貫」
その言葉が、ふと心に浮かぶ。小さな雀が飛び立つような安手でも、それを繰り返すことで、やがて龍のような大物手が訪れるかもしれない。麻雀では、すぐに大きな手役を狙うのではなく、場の流れを見極めて小さな勝利を積み重ねることが重要だ。

手元の牌を見つめる。ドラは絡まないし、手役もシンプルだ。だが、この局では確実に点を取っておくべきだ。雀のように地道に、着実に点を積み重ねることが、次の大きな勝負への布石となる。

「ツモ」
俺の声が、静かに卓上に響く。千点。確かに小さな上がりだ。だが、この千点が、勝負を動かす一歩となる。雀のように軽やかに飛び立つ安手でも、積み重ねればいつか大きな流れがやってくるのだ。

次の局が始まる。手牌を見つめると、今回は少しばかり運が向いてきた。ドラも絡んで、手役が見えてきた。ここで一気に攻めに転じるべきか、それとも慎重に進めるべきか。だが、焦らない。今はまだ、確実に点を取っていけばいい。龍の満貫が訪れるのは、この流れをしっかり掴んだ後だ。

雀荘の中で、ゆっくりと時間が流れる。俺は、千点の小さな勝利を繰り返しながら、場の流れを感じ取る。龍の満貫が現れる瞬間は、必ずやってくるだろう。だが、そのためには今のこの雀の千点を大切にすることが重要だ。

卓上に牌を並べ、次の手を考える。麻雀とは、焦らず確実に点を積み重ねることで、最終的に大きな勝利を掴むゲームだ。雀のように、小さな勝利を重ね、やがて龍のように大きく羽ばたく瞬間を待つ。それが勝利の鍵だ。

ふと、隣の席の男がリーチをかける。だが、俺は焦らない。リーチに対して無理をすることはない。自分のリズムで、着実に進むことが大切だ。大物手は、焦らず待てば、いつか必ずやってくるのだから。

「ロン!」
対面の男が、リーチをかけた相手に勝ち名乗りを上げる。その声が響く中、俺はまた次の一手を考える。千点の上がりでもいい。地道に積み重ねていくことが、やがて大きな結果を生むのだから。

外では、夕暮れの光が街を染めている。雀の千点が、やがて龍の満貫に繋がる――その言葉の意味を胸に刻みながら、俺はまた次の局へと挑む準備をした。

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嵐山 役満
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