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【麻雀諺】ロンの裏に涙あり
1. 諺(ことわざ)
「ロンの裏に涙あり」
2. ことわざの意味
誰かが「ロン」を宣言して勝ったとき、その裏には負けた者の悔しさや、努力が報われなかった切なさがあるという意味。勝利の陰には常に敗北があり、負けを経験したからこそ次の勝利がより尊く感じられるという教訓。
3. 例文
Aさん:「あのロンで逆転トップなんて、やっぱりあの人は強いな。」
Bさん:「でも、ロンの裏に涙ありって言うし、振り込んだ人の悔しさもわかるよな。」
夜も更けた雀荘。今日もまた、あの瞬間がやってきた。「ロン!」と響く一声。
ああ、響き渡るその声が、俺の耳を打つ。そう、振り込んだのは俺だ。
手元の牌を見つめる。もう捨ててしまったあの牌、あの時、手に残しておけば…。後悔がじわじわと胸に広がる。いや、考えたところで戻っては来ない。牌の世界に「もしも」なんて言葉はないのだ。
ふと、相手の顔を見る。満足げな笑みを浮かべて、倒した手牌を見せつけてくる。
「いい和了(あが)りだな、完璧だ。」俺はそう思った。だが、心の中でほんの少し、悔しさが滲む。
「ロンの裏に涙あり」。そうだ、この勝負の裏には、俺の悔し涙がしっかりと存在している。
でも、あの時の俺の選択は間違いじゃなかった。いや、間違いであっても、それが自分の選んだ道なのだ。振り込んだ瞬間、確かに心にチクリと痛みが走ったけれど、それもまた、麻雀の味わいなのだろう。
麻雀をしていると、ふと、人生を思い出す。何度も失敗して、何度も後悔して、でも、それでもまた牌を握る。次こそはと、手を進めるのだ。そうやって、俺たちはいつも牌を積み重ね、そしてまた捨てていく。
「ロンの裏に涙あり」。その言葉の意味を、噛みしめながら一人の夜を過ごす。ロンを取る瞬間の快感、そしてロンを受けた瞬間の悔しさ。どちらも麻雀の醍醐味だ。振り込んで悔しがる夜があるからこそ、次の勝利が一層輝くんだ。
そして、いつか自分もまた「ロン!」と叫び、笑顔を取り戻す日が来るだろう。そのときはきっと、今日のこの涙を思い出して、少しだけ苦笑いを浮かべるんだろうな。
今夜の悔しさを胸に、また一枚、牌を捨てる。負けてもまた打つ、それが俺の麻雀なんだ。
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