なぜ対局時間は長くなるのか
今回は私が提案する麻雀の新ルールに直接は関係ないが、付随する話題です。
結構前から麻雀プロ団体である最高位戦A1リーグの放送対局が自動配牌になっています。本来最高位戦はサイコロを振って配牌を取る方式なのですが、かねてより対局時間の長さが問題視されており、短縮するために自動配牌が採用されたようです。
長いと打ち手も観戦者も疲れてしまいますからね。
たまに放送を見ますが、それほど対局時間は短くなっていないように思います。‥‥というか、そうなるだろうなと思っていました。対局時間の長さの原因はもっと別のところにあるからです。
同じく自動配牌であるMリーグでもしばしば対局時間が長くなります。両者に共通する長さの原因は何かと言えば、「長考」と「流局」です。
何を置いてもまず裏ドラです。
「なぜドラ表示牌を2枚開くか(3) ~ 裏ドラについて」で書いたように裏ドラはあまりにも強力なので、オリのことを考えて相手の手を細かく気にする必要がしばしばあり、リーチがかかってなくても長考が多くなります。
リーチされればベタオリになってしまうこともままあり、その途中で安牌がなくなってまた長考になったりします。
そして、ベタオリが多数発生=流局まで巡目を費やすことが増えるわけですから、対局時間が長くなるのは当然です。
また「なぜドラ表示牌を2枚開くか(1) ~ 採用役について」で書いたように、プロ団体のルールでは役なし・ドラなしの手が多くなり、追う価値がないので恒常的に守備気味になります。
Mリーグに輪をかけて、リーチが入る前から安全を考え長考し、リーチが入れば流局までかかったりするわけですから、対局時間はどんどん長くなります。
加えて、プロ団体のルールでは打点が作りづらいので、相対的にノーテン罰符が大きく響いてきます。3翻の手を作るのに苦労してるのに、例えばノーテンで1500払えば3000の点差がつくわけで、地味に痛いのです。
なのでノーテンを回避しようと回し打ちをするわけですが、放銃すれば取り返すのが難しいルールですから、かなり慎重な回し打ちになってたびたび長考します。
といって、ノーテン罰符をなくしたりやたら安くしたりすると、ベタオリしても損が少ないので流局が増えてしまいます。難しいですね。
対局時間が長くなる最高位戦に特有の理由を挙げると、オカがなくウマが各順位間で均等なことがあります。「なぜモンド杯ルールを下敷きにするか」で書きましたが、Mリーグのような大きいトップオカはなく、モンド杯のような傾斜配分でもありません。
結果、無理に上の順位に行こうとせず、平均順位を良くするように打ち手は振る舞います。下の順位に落ちないことが優先になり、安全気味に構えることが多くなります。
これは当然ながら長考や流局を引き起こしますから、対局時間が長くなるわけです。
最高位戦は上記の全てがあります。対局を見ると、ほとんど毎順のように手が止まっており、目一杯にするか、安全牌をかかえるか、他家の手の進み具合は‥‥など、多くのことを考えて時間を使っているのがよくわかります。
自動配牌の採用で若干の短縮化はできたでしょうが、ルールが対局時間を長くさせようさせようとしてくるので、根本的な解決にはならないでしょう。
対局時間が長いのは、プレーヤーが悪いのではなく、構造的にどうしようもないのです。
私が提案する新ルールでは以上の点を考慮していますので、対局時間についてはずいぶんマシになるのではと思っています。